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34日目:職業選択肢を確認する会

 なんか、グランさんのところのあのきれいな泉でお話出来たらしいです。

 家のテト、優秀がすぎるな。


「ディーネさんは神水精霊だから、そりゃあ水たっぷりのゴーラは庭みたいなものかあ」

 テトは僕と同じ条件で、ディーネさんとは友達、だからね。言葉が通じる分、多分僕よりお友達度が高いんじゃないかなという予測である。

 今回は約束してるのテトだし、僕とテトで遊べればいいか。イオくんと如月くんは圧を感じるらしいから、聖獣さんとか神獣さんの前だと無口になっちゃうし。

 というようなことを言ったら、イオくんはしみじみと頷いた。

「その時は別行動で頼む」

「了解!」

「あの緊張感はちょっと、長く感じたくない」

「緊張してると疲れちゃうよねえ」

 適材適所ってやつかな。イオくんの苦手なことは僕がやればよいし、その逆も然りということで。


「ちなみに、プリンさん今日はログイン出来ないみたいなので、会うならリアル明日です」

「美味しいお店教えてもらわなきゃ!」

 如月くんもプリンさんとは結構やり取りしてるみたいだ。プリンさんは今、転職目指してレベリング中らしい。

「<上級召喚士>の上が、色々出てるらしいですよ、職業」

「あれ、次の転職先って見れるんだっけ?」

「ステータス画面から職業長押しでいけますよ。現在転職可能な職業一覧が出てきます」

「やってみる!」

 僕が張り切ってステータス画面を開いたのを見て、イオくんも釣られたように自分のステータス画面を開いている。えーと、自分のステータスの職業をタップして長押し……お! なんか色々出てくる!


「5個も出てきた!」

「2回目の転職から幅が広がったり、行動に合わせた職業とかが出るらしいですよ。俺はまだ3つしか出てませんけど」

 へー、前もなんかそんな話聞いたかも。使った武器とか行動とか、親しくなった人とか取得したスキルとか、いろんなものが職業に影響を与えるらしいんだよね。


 1つ目は、「多方魔法士」と書いて読み方は「マジックオールラウンダー」。その名の通り、現在取得可能な魔法をすべて取得していることが前提条件になっている。すべての魔法技能の威力が少し上がる代わりに、魔法以外の攻撃スキルの威力が少し下がるという、順当進化系の職種だ。

 僕みたいに魔法以外のスキルを一切取ってない純粋な魔法士にはぴったり。


 2つ目は、「騎乗魔法士」と書いて「マジックライダー」。

 騎乗できる契約獣が居る場合に取得可能になる職業で、騎乗中に魔法の威力が上がるという、ちょっと特殊な職業だ。僕の場合だと、テトに乗りながら戦う感じになるのかな?

 この場合、テトは戦えない契約獣だから戦力にはならないけど……傷ついたりしないように保護されたりはするらしい。ただ、普通に一定の攻撃を受けたらテトはホームに戻っちゃうので、そうなると威力が下がる。結構難しそうな職業だね。


 3つ目の選択肢は、「専門魔法士」と書いて「セレクトマジシャン」。

 転職時に特化させる魔法を2つ選んで、その2つの魔法の威力が上がる、という職業。他の魔法はわずかに威力があがる程度で、特化させたい魔法2つは更にそこそこ威力があがる。

 これも結構順当進化系だなー。結構使いやすそうだよね。


 4つ目が、「聖水魔法士」と書いて「ホーリーマジシャン」。

 これは完全に光魔法特化型で、聖水を作れることが前提条件になる。で、これを選ぶと光魔法特化になって更に聖水に様々な付加価値をつけられるようになるという、半分生産職みたいな感じになるらしい。ちょっと惹かれるけど……!

 レストさんにテトビタを卸している関係で、<聖水作成Ⅰ>はレベル7まで上がっているし、一考の余地ありって感じかなあ。光魔法だけ威力上がるより、僕なら全体的に底上げの方が良さそうではあるんだよね。


 5つ目、最後の職業は「不動魔法士」、「ステイマジシャン」。

 これはかなりピーキーで、戦闘中に移動できなくなる代わりに魔法威力をかなり上げる、という前衛ありきの職業だ。当然、移動ができないのでちょっとした避ける動作とかもできない。全体攻撃されたら激弱のギャンブルみたいな職業。これは……ないかな……?

 イオくんが前衛なのでだいぶ助かってるけど、それでも今までだって攻撃を避けたり、魔法攻撃しやすい場所に移動しながらの戦闘だったから、完全に移動できないのは無理があるよね。


 うーん、こう考えると1つ目か3つ目が良さそうだなあ。

 テトは一緒に戦えるってわかったら喜びそうだけど、僕はテトに攻撃が当たるところ見たくないし。どうせ特化させるなら光魔法限定じゃなくて、もう一つ特化できる専門魔法士の方ができることの幅は広いし。今のところは多方魔法士か専門魔法士への転職を考えておこう。

 これから更に増えるかも知れないし! 職業レベル、まだ13だもん。あと7レベル上がる間に、もっと良い感じの職業が選べるようになったら嬉しいな。


 とか色々考えていたら、イオくんが

「ナツは1つ目か3つ目だな」

 とか言ってきたのでパーティーメンバーのデータは見えるのかな。

「僕もそのどっちかがいいと思う。でもこれから増えるかも知れないし」

「2つ目は教えるなよ」

「わかってるわかってる。絶対喜んじゃうもんね……」

 テトに「ぜったいそれにするのー!」とか言われたら説得難しいからね。迂闊に口にはしませんとも!

「イオくんのも見ていい?」

「おう。俺のは3つ出てたぞ」

 ついでに許可をもらったので、イオくんの方の次の職業候補も見ていく。パーティー編成画面でイオくんのステータス画面を呼び出して、職業欄を長押し……っと。


 あ、他人の転職先候補は自分のものより、かなり簡略化された説明文が載ってるみたいだ。自分の転職可能職業は3行くらいの説明文があるとしたら、他人のは1行ちょいくらいのシンプルな説明文しか載ってない。

 ふむふむ。

 1つ目は「戦闘剣士バトルマニア」……うわめっちゃイオくんっぽい。格上との戦闘に補正がかかる職業か。

 2つ目が「体術剣士アクロバット」これは剣術と体術系スキルの威力をわずかに上げるやつ。上昇幅は控えめっぽいけど、イオくん殴りも蹴りも使うからなー。結構いいかも?

 最後のが、「護衛剣士プロテクター」。これはパーティーに後衛がいて自分が前衛だと剣術系と盾系のスキルに補正がはいるやつ。これが正統進化系な感じがするし、イオくんの特殊スキルとも相性が良い。

 うーん、どれもイオくんにとっては良さそうだなあ。


「イオくんのはどれも良い感じだねー。どれを選んでも活かせそう」

「でも無難なのしか出てないよな。この中なら護衛剣士がスキルとのかみ合わせが良い」

 そんなことをイオくんと離していると、テトがぴょいっと僕達の間に割って入ってきて、「イオつよくなるのー?」と小首をかしげる。

「まだ先だよー。色々選択肢があるみたい」

 もっとすごいりょうりにんになるー?

「……料理の腕も上がると思うよ! でもイオくんなので敵をバサバサ倒していくような職業だよ」

 そっかー。ナツはー?

「僕は魔法がもっとたくさん使えるようになります」

 きらきらふえたらすてきー! きさらぎもー?

「如月くんも強くなるよー。……あ、如月くんって職業レベルいくつ?」

「今15ですね」

 お、僕達より上だなー。サンガ周辺で結構戦ってたみたいだし、戦闘系のスキルをあげないとSPが足りないから頑張ってたのかも。ちなみに、今連結状態だから如月くんの転職先も見れるかな? と思って長押ししてみると、見れました。おお……! 見ていい? ありがとう!


 如月くんも3つ候補が出てるんだけど、全部イオくんに出てたのとはまるで別だ。同じ剣士派生なんだけど、やはり如月くんは魔法剣士だから特殊っぽい。

 1つ目が「鋼双剣士ソードソルジャー」。魔法を完全に補助に割り切り、剣での攻撃をメインに戦う感じだね。魔法系には一切補正が入らないけど、剣の技能に補正が多めに入るやつ。

 2つ目が1つ目の逆で、「魔法強化双剣士マジックソルジャー」。魔法に多めに補正が入って、剣への補正は少なめ。その代わり専門のアーツとかが出るやつらしい。

 如月くんは剣メインで戦いたいって言ってたし、それならこれはないかなー? でも専門のアーツっていうの、ちょっと気になるね。

 最後のが、「特化魔法双剣士セレクトマジックソルジャー」。これは2つ目より魔法補正低め、剣補正高めで、複数の魔法の中から2属性を選んでそれだけ強化するやつ。僕の方にも出てた専門魔法士と同じ感じのやつだね。

 この中だと一番バランス良さそうだけど、如月くんも魔法いっぱい取ってるからなー、2つ選ぶっていうの結構迷いそう。


「如月くん、今のところどれ予定?」

「1つ目か3つ目で迷ってますね……」

「あー、やっぱり」

「でも職業レベル20になる頃には他のも増えてるかもしれませんし……!」

 結構、選択肢は増えやすそうだもんなあ。ちなみにどういう選択肢がほしいの? と聞いてみたところ、「ソロ向きのがほしいですね」とのことだった。

「全体的に底上げされて、器用に何でもやれるのがいいんですよ」

「如月くんが相方さんの存在を忘れ去ろうとしている……!」

「もうパーティー組まなくてもいいかなって」

「諦められてる……!」

 実際如月くんは一人で魔法も物理もできるから、実にソロ向きのビルドなんだよねえ。ちなみに今相方さんは……? あ、サンガで食いだおれてると。じゃあいいんじゃないかな、サンガの美食の罠に落ちたら抜け出すの難しいしね……。


「うーん、先が楽しみになってきたけど、プリンさんが目指してる転職先ってどんな感じなんだろう」

「なんでも、自分には一切補正が入らない代わりに、契約獣を強くできるらしいんです。今回前衛ができる仲間が増えたから選べるって言ってました」

「なるほどー」

 アナトラではパーティーの人数が4人までだから、召喚士さんは基本自分と契約獣で枠を埋める。途中で契約獣を戻して別の子を召喚したりもできるらしい。プリンさんはエルフで召喚士だから、ステータスはかなり魔法寄りだろうし、弓でも戦ってたけど仲間が強くなる方が総合的な恩恵は強いのかも。

 うーん、他の職業面白いなあ。

 この先に行くともっとかっこいいのとか出てくるかなー? 楽しみだねテト。

 テトもてんしょくできるー?

「どうだろう、その前に契約獣って職業ある……? ステータス画面では確認できないけど」

 テトたまごのはこびやさんしてるのー。

「じゃあ次の職業は……宝物の運び屋さんかな?」

 もういっぱいもってるから、けんにんなのー!

 ふふん! とドヤ顔をするテトを「えらいねー!」と撫で回しつつ、そう言えば契約獣の情報欄には職業ってなかったなあと思い出す。


 こんなにお仕事大好きなテトが無職って変な感じ。

 僕としては、テトの仕事は「かわいい」だと思うので、このままでいてね。

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― 新着の感想 ―
如月くんはもう準PTメンバーみたいなものだけど睦月くんは恐らくイオくんと相性バッチバチに悪そうだし下手すればテトも嫌がる可能性考えると、もう合流は無理じゃないかなぁw
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