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幼馴染にフラれたので惚れさすためにイチャコラしまくる

作者: しゅう

凛花(りんか)好きだ。俺と付き合ってくれ」


 高校に入学して初めてのゴールデンウィーク初日、朝ご飯を食べ終わってソファーに座っている鈴木亮太(すずきりょうた)は、朝食を作ってくれた同い歳の幼馴染である黒川凛花(くろかわりんか)に告白した。


 物心ついた頃から一緒にいるからもう10年以上の付き合いであり、ほぼ毎日のように一緒にいるし、両親が長期出張で家を空けているからご飯を作りに来てくれる仲だ。


 そのおかげで好きになってしまい、今日勇気を出して告白した。


「りょう、くん?」


 いきなり告白されると思ってなかったのか、朝食の後片付けを終えてリビングのソファーでのんびりと本を読んでいる凛花は、驚いたように目を丸くしている。


 腰下まで伸びたサラサラな黒髪、目鼻立ち整っており、長いまつ毛に包まれた青みがかった大きな瞳、シミ一つ見られない白い肌、手足や腰などは細いのに胸は平均以上あるという美少女だから少なくとも何度か告白されているはずだが、幼馴染からの告白は予想外だったらしい。


「凛花のことがめちゃくちゃ好きなんだ。もう幼馴染の関係では我慢が出来ない」


 今までは兄妹のような幼馴染の関係で我慢出来てたが、高校に入学してから恋人関係になりたいと思った。


 それに幼馴染ではいつか会えなくなってしまう可能性があるため、そんなことになっては我慢出来ない。


「恋人同士になってずっとずっと一緒にいたい」


 凛花の両肩を手で掴んで真剣な眼差しで彼女を見つめる。


 初めての告白はかなり緊張するが、ずっと一緒にいるためにはいずれしなけらばならないことだ。


「ごめん、なさい。りょうくんとは、付き合えない、です」


 無惨にも勇気を出した告白は惨敗してしまった亮太は、悲しみで涙が溢れてくる。


「理由を、聞いても?」


 フラれて何となく想像はついてしまったが、きちんと聞いとかなければならない。


「昔から一緒にいすぎてるせいで、りょうくんのことは家族みたいだと、思ってるので」


 やはり思った通りだった。


 普通の幼馴染はこの歳になれば家に行ったり遊んだりする回数は減るだろうが、凛花はほぼ毎日のように家に来るし、休日は二人きりで遊びに行ったりと、ほぼ家族みたいな関係になってしまっている。


 そのせいで凛花は亮太に恋愛感情を持たないらしい。


「りょうくんのことは好きです。でも、それはやはり家族として、です。本当にごめんなさい」


 フラれたショックでさらに涙が溢れ出てしまったため、手で拭ってもなかなか止まってくれない。


 襟にフリルのついた白いブラウスにハイウエストの黒いミニスカートを着ている凛花は、申し訳なさそうに視線を逸らした。


 普通の人から告白されるのと仲の良すぎる幼馴染からの告白とは訳が違うのだろう。


「俺は、諦めないから……」

「……え?」


 一度フラれたくらいで諦めらめられるわけがなく、これからもアタックしていくつもりだ。


 諦められないことを伝えられた凛花は、驚いたかのように目を丸めてこちらを見る。


「俺のことを家族として見てるなら、そう見れないように色々すればいい」

「それはどういう意味……あ……」


 涙が溢れるのを何とか我慢した亮太は、凛花の肩を抱いてから自身に引き寄せた。


 多少の触れ合いは思春期になってからもあったが、かなり密着したのは小学生以来だ。


 いきなりくっつかれて恥ずかしくなったのか、凛花の頬が赤く染まった。


「恋人同士がするようなことをして、俺のことを意識させる」


 さらに密着度を上げる。


 家族として見てしまっているのであれば、いっぱいイチャコラして意識させればいい。


 流石に凛花のように仲の良い幼馴染相手だから出来るのであって、他の人が彼女相手に同じようなことをするのは不可能だろう。


 くっつかれそうになった時点で嫌がって逃げるはずなのだから。


「りょう、くん……」


 あうぅぅ、と恥ずかしそうな声を出しても嫌がっている様子のないため、やはり亮太相手にはくっつかれても問題ないようだ。


 仲の良い幼馴染特権というやつだろう。


 家族として見られてしまっているが、これから特権を大いに利用して後は異性として意識させればいいのだから。


「これからするの嫌なら顔を背けてくれ」

「え? りょうくん、それは……」


 ゆっくりと顔を近づけていくため、凛花は亮太がこれから何をするか分かったのだろう。


 こんなにもくっつかれても嫌な様子がないので、数ステップ飛ばしてさらに恋人同士がするようなことをしていく。


「んん、んちゅ……」


 恥ずかしすぎて背ける余裕がなかったのか、それとも少しくらいなら大丈夫だと思ったのかは分からないが、キスをされても抵抗は見られなかった。


 ファーストキスはレモンの味と聞いたことはあったが、普通にそんな味は全くしない。


「ん、あ……ちゅ」


 柔らかくて熱い唇の感触、女性特有の甘い匂いや吐息のせいでキスを止める気が起きないし、さらにはゴリゴリ、と理性が削れていく。


 ここまでくればどうにでもなれ、と思い、ゆっくりとソファーに凛花を押し倒してキスで唇を味わうことにした。


 ここまでされても一切の抵抗が見られないため、本当に幼馴染特権が効いているのだろう。


「りょう、くん……」


 今まで家族を見るような瞳がとろーん、と蕩けたような感じになった。


「ファーストキスをりょうくんに奪われちゃいましたね」


 キスを止めた凛花は、余韻を味わうかのように指を唇に当てがう。


 奪われた、と言ったのに嫌そうな顔をしないのは、恥ずかしがって抵抗しなかったのではく、キスされても問題はなかったからだと分かる。


 だからって凛花が付き合ってないのにキスをするビッチというわけではなく、あくまで仲の良すぎる幼馴染相手だから。


 他の人とは絶対にしたいと思わないはずだ。


「いい感じだね」


 幼馴染特権を利用してのイチャコラ作戦は序盤からかなり良いと言えるだろう。


「もう……こんなにくっつかれてキスもされて……りょうくん相手にはかなり甘くなってしまいますね。恐らくその内りょうくんの思い通りになってしまいそうです」


 その言葉からして、近い将来はきちんと恋人同士になってくれる可能性がかなり高いということだ。


 恐らくはほぼ確定と言えるかもしれない。


「ここまでしたんですから、きちんと責任を取って私を惚れさせてください。私は一生で一人の人にしかこの身を捧げませんから」


 ファーストキスも含めてですよ、と耳元で甘い言葉が聞こえたため、亮太はこれからイチャコラしまくって凛花を惚れさすと心から決めた。

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