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うさ耳会長と、踏切の音

 カンカンカンカンってやつ。


「唐突になんですか」


 踏切で今まさにそれをききながら隣に立つ少女は楽しそうにに言う。


「これって、鳴っているのが正常だって知ってた?」


 そりゃならなきゃ異常なのはだれにだってわかるだろう。

 当たり前のことを楽しそうに聞いてくる少女の頭には今日も自然に二本の長いウサギ耳が揺れている。


 ちょっと頭が弱そうに見えるがこれでも全国模試はトップクラスで武芸全般に秀でてて、しかもうちの学校の生徒会長だ。

 もともと容姿端麗の硬派な美人で有名だったが、今はうさぎ耳を含めた殺人的なかわいらしさで有名だ。

 ちなみに、ウサギ耳はつけ耳でなく、昨年秋頃に生えた本物だ。


「つまりね、」


 ちなみに耳が長いからといってよく話を聞いてくれるわけじゃない。


「踏切って、常に鳴っているのが正常なの」

「常にって」

「電車がくると通電して、正常に鳴るわけなのよ」


 いつもわけがわからない知識を仕入れてくるが、今日はいったいどこから聞いてきたのだろう。


「もと鉄道職員、今某IT会社の経理部長」

「誰ですか、それ」

「……」

「会長?」


 珍しく考え込むそぶりをみせる会長のウサギ耳が明らかな落ち込みをみせる。

 かすかに瞳を潤ませて、俺を見つめる会長は抱きしめたくなるほどカワイイ。


「キミが好き――」


 うるうるとした会長が口を開いて話すとき、ちょうど目の前の踏切を電車が通り過ぎて、俺にはそこまでしか聞こえなかった。


「さ、早く帰らないとね」

「かっ、会長っ?」


 さっさと踏切を渡ってしまった会長は上機嫌な笑顔で振り返る。


 その笑顔を前に俺はどんな顔をしていたんだろう。

 何かを問おうとしたけれど、馬鹿みたいに開いた口からは何の言葉も出てこなかった。

強制終了(笑)

日記を書こうとして書いたネタ話。

踏切の話は本当です(旦那様情報)

ちなみに会長が言ったのは「キミが好き(そうなネタだと思って振ったのに)」

(2009/04/21)

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