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よ ✖

ついにラスボス現る……!

 十分後。

 あたしたちは校長室で校長先生と対峙していた。龍川先生は申し訳なさそうに部屋の隅に立っている。

 あたしたちの理念、理想。それらは全て、校長先生にプレゼンした。あとは交渉だ。


 校長先生は途中で言葉をはさむこともなく、あきれる様子もなく、表情を変えずに聞いてくれていた。いける! これはワンチャン、いける!


「というわけで、校長先生お願いします!」


 きらりが勢いよく頭を下げた。あ、今気づいたけど、いつの間にかスカートもう一回折ってる。


「ん~~~~~~……」


 校長先生は真意の読めない表情で、微かに唸り声を上げた。迷っているのかな?


「特例で、部活を認可して下さい!」


 あたしも真剣に頭を下げる。


「ん~~~~~~……」


「顧問もいないし、部員もまだ二人だけど……」


「お願いします!」


 きらりもあたしに声を揃えてもう一度頭を下げた。


「ん~~~~~~……」


 校長先生は相変わらず全く表情を変えない。何も言わない。

 やっぱり駄目なのかな……。

 っていうか、聞いてたのかな?


 校長先生はもうかなりのおじいちゃんだと聞いている。見た目的にも間違いなくおじいちゃんだ。

 もしかしたら耳が遠くて聞こえてなかったとか……?


「校長先生!」


 あたしたちはもう一度声を揃えて校長先生を呼んだ。

 校長先生は表情を変えないまま、眼をぱちくりさせた。


 そして、言った。



「ええよ」


「は、はい!?」


 思わず素っ頓狂な声でリアクションしたのは龍川先生。よっぽど驚いたんだろうな。


「まぁ顧問については問題なかろう」


 校長先生は龍川先生に顔を向けて言った。やっぱりそうなるんだろうな。でも龍川先生は教務主任だから顧問はできないとか言ってなかったっけ。


「わ、私ですか? 私はその……」


 慌てる龍川先生をなだめるように、校長先生は手を振った。


「あぁあぁ心配ない。顧問は、わしじゃ」


「……は、はぁ」


 だいぶ引き気味の龍川先生。でもあたしたちにとってはもう、これは朗報以外の何物でもない。 


「校長先生! ありがとうございます!」


「やっばり校長先生、超イケメンだ! ね、はなちゃん!」


「しかし校長、校長には顧問をやるようなヒマは……」


 龍川先生が余計な口を挟んだ。何よせっかく校長先生がやる気になって下さっているのに邪魔するつもり?


 でも、校長先生が次に言った言葉は、あたしたちまでもが耳を疑うようなものだった。


「あー、そこは龍川君、君が面倒見てやんなさい。

 君は、部員じゃ」


「……はぁ?」


 もちろんこのリアクションは龍川先生。あたしたちとしても、先生が部員とか意味わかんないけど、それで活動が認可されるんなら背に腹はかえられない。


「龍川君は大人じゃから、部員三人分として計算すりゃあ、部員も五人揃うことになる。

 龍川君、頼みましたよ」


「は……はぁ……」


 さっすが校長先生、名裁き! 龍川先生も、校長先生の言葉には逆らえないみたいで、力なくうなずいた。


「よぉし、これで『きもだめし部』正式発足!」


「はなちゃんが部長で、私が副部長だよね、もちろん。

 って事は、平部員はてっちゃんだけだね」


「はぁ? な、なんで俺がこんなことに……」


 すっかりしょげ返っている龍川先生。でも校長先生の決定を覆すことはできないよねー。


「ちゃんと副部長の命令は聞くんだよ、てっちゃん!」


「なーんーでーだーーーーー!」


 けらけらと笑うきらりの目には、邪悪な輝きが。

 校長先生はお地蔵様か仏様のような顔で、そんなあたしたちを見守っていた。



 ふふっ、『きもだめし部』の爆誕ね!

 これから忙し楽しくなりそう……!

最後までお楽しみ頂きありがとうございました。


評価やコメント等頂けると嬉しいです!


是非是非!


あ、ちなみに龍川総受け(校長含む)な方は、レビューお願いします(笑)

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