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だ タ

万事、休す……!?

「そ、そこを何とか!」


 必死で食い下がるあたし。そして……。


「そーだよ! 融通のきかない大人なんてだいっきらいー!」


 ちょっと待ってきらり。ここで龍川先生を敵に回してどうするの!

 そう思いつつ、このきらりのちょっとガキっぽい口調に微かな媚びみたいなものも感じて、あたしは余計イラっとしてしまう。


「融通とかってレベルじゃねえだろ。

 人数も足りねえ、顧問もいねえ。そして内容も怪しい。どこをどうやって認可するんだよ」


 龍川先生はあたしたちをからかうように笑って、聞き捨てならない事を言った。


「怪しくなんかありません!」


「そうだよ! てっちゃん何にも知らないくせに!

 えーと、撮り肝、音肝、歩肝、前肝、後肝、模型肝、描き肝、妄想肝、あん肝、肝吸い……」


 きらりも龍川先生への対抗心からか思いっきり噛みついたけど。違うから。きらり、間違ってるから!


「なんか最後の方はおいしそうな感じになってたが、一体なんだそりゃ」


「きもだめしマニアのジャンルだもん。奥が深いんだから!

 あたしは、音肝と描き肝を中心に、えーと、あん肝と肝吸いが好き!」


 え、きらり、そうなの?

 よくパパが連れてってくれるうなぎ屋さんの肝吸いは美味しいけど。あたしはあん肝、あんまり好きじゃないなぁ。


「東雲、すまないが翻訳してくれ」


 龍川先生はまた苦笑い気味に言った。確かに、間違った知識で判断されるのはよくないな。


「えっと、きもだめしマニアにも色々いて、きもだめしルートの写真を撮る『撮り肝』、実際にきもだめしに参加する『歩肝』、きもだめし会場のジオラマを作る『模型肝』などなど、色々あるんです。素晴らしいでしょ?

 ねぇ先生、部員数とか顧問とか関係なしで、部活として認めてもらえませんか?」


「無茶言うな、あほか」


 そうだよね。そりゃそうだよね。知ってた。

 でも、じゃあどうやってこの部活を大人達に認めさせればいいの……?

 学校からの弾圧を跳ね返すこの戦いは、産みの苦しみというやつなのかも知れない。負けるもんか。


 その気持ちが伝わったのか、突然きらりが大声を出した。


「もーいー! わかった!

 てっちゃんみたいな下っ端じゃ話になんない!

 責任者を出せー!」


「……結構俺、管理職で責任者なんだけどな」


 もう、龍川先生はあきれて苦笑しっぱなしだ。


「もっと上のもんを出せー!」


 拳を振り上げて叫ぶきらり。

 ちょっときらり、何で急にむきになってんの?

 なんかもう、嫌な予感しかしない。


「よし、もうわかった。

 こうなったら校長に直談判よ!」


「お、おい、山田?」


 龍川先生もさすがに慌て気味。でも先生、きらりを苗字で呼ぶのは火に油を注ぐ事に……!


「はなちゃん、いくよ! 校長室に殴りこみだぁ!」


 ほぉら言わんこっちゃない。

 きらりはあたしの手を引っ張って教室のドアへ向かって行く。


「ど、どうしよ、きらり変なスイッチ入っちゃってる……!

 先生のせいだからね!」


「な、何で俺が……!

 お、おい、お前ら待て!

 東雲! 山田!」


 きらりがさらに力を入れてあたしを引っ張った。結構痛いんだけど。

 それもこれも、龍川先生のせいだ。


「先生がきらりを苗字呼びするからだよー!

 きらり、本気で殴りこむかもよ!

 先生、どうすんの?」


「あーわかった!

 俺が校長先生に取り次いでやるから、殴り込みだけはやめてくれ!

 おい、山……きらり!」


 ついに先生が名前で呼ぶと、きらりはとびっきりの笑顔で振り向いた。


「わかればよろしい!」


 すっかり上機嫌になったきらりを見て、龍川先生はどっと疲れたようにため息を一つついた。


「……まぁとりあえず交渉するだけして、あきらめるんだな」

龍川×はなちゃん→ブクマ

きらり×龍川→評価

はなちゃん×きらり→感想

きらり×はなちゃん→レビュー


もちろん、全部も可(笑)

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