好奇心からの出会い
看護婦の人にうるさいと怒られたが孤羽達とその後も楽しい(?)時間を過ごし、孤羽達が帰ったあと僕は昼をすぎて夕方になりそうな外をガラス窓越しに見ながら病院内を散歩していた。
もともと、僕が入院した原因はある子を助けたといっても、、、まぁ、偶然にしておこう。この話はまた機会があればするよ。そんなことより、、、入院して早一ヶ月が過ぎるけど、怪我のせいでベッドの上から全く動けなかったのだ。
なので滅多にお世話になれない大きな病院を歩いてみたかった。といっても病院内の見取り図を持ってるわけでもないから、気の赴くままにゆったりと歩いてる。完璧に無計画だ……流石にまずい。何がまずいって?さっきからすれ違う人も少ないし、何より自分が通った道を覚えてない。
さらにまずいのがココどこ?!僕もしかして迷子?!と脳内でてんぱってる時にふと不思議な女の子をガラス越しに見つけた。その女の子の髪の色は少し薄い色素の抜けた茶髪でロングヘアー
目の色も髪の色と同じ色……そこまで僕は観察してその子の目に見覚えがあったのだ。
あの目は何かを決心した時にする目だった。だけどその何かがわからない、正確には思い出せない。虫食いでもされたかのようにぽっかりと空いている。
とりあえずあの子を追ってみよう。ついでに帰り道も教えてもらおうと思考放棄して、立ち止まっていた足を早足で動かし始めた。
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不思議な女の子を追っていくとそこは人気が無く風が良く通る屋上だった。空はすでに赤く染まっている。太陽は数時間したら沈みそうだ。雲がいい感じで太陽に掛かっていてとても神秘的な風景をつくっている。女の子の事も忘れて空を眺めていると声をかけられた。
「あなたはここで何をしているの?」
声が聞こえたほうに体を向けるとその先には探していた女の子がいた。屋上の柵に手を掛け、顔だけがこちらを向いている。
風に弄ばれ夕日に照らされた彼女の髪に少し見とれてしまい、急いで質問に返答しようと口を開いたら、彼女が先に新たな質問もしくは独り言をくりだした
「あなたはこの世界が何色に見える?それともどう感じる?」
彼女は息つく間もなく言葉を放った
「私には全てが灰色そして異物に感じる」
彼女の言葉は寂しそうで
「人も、鳥も、親も、全てが灰色に見える」
何故か凄く嬉しそうだった
「そのたびにこう思うの」
彼女は声を出さずに口だけを動かした
‘‘この世界で自分は異物だ‘‘
彼女は声を出さなかったはずなのにはっきりと読み取れた。
その言葉には底なしの悲しみがあった。そして諦めがあった
僕はその後彼女と二言三言話して屋上を後にして自分の病室に戻った。どう戻ったのかは全く覚えていない。彼女の質問に答えたか、道を聞いたのかすらも全く覚えてない。看護婦さんに怒られたような気もするがそれすらも曖昧だ。白昼夢のようだった。
それくらい彼女の言葉がひどく記憶に残った。‘‘この世界で自分は異物だと‘‘そう彼女は言った。
正確には口を動かしただけ、、だけどわかってしまった。理解してしまった。共感した。
「僕も……多分、君と同じだから」
既に日は沈んでいる暗い病室に僕の声が不思議と響いた。窓ガラスで僕の顔が映し出される。月の光に照らされた今世の僕の顔は何故か楽しそうな表情だった。
もうそろそろ寝ようとカーテンを閉めベットに体を横たわらせ瞼を閉じると、夕日に染まった彼女の寂しげな顔が脳内をよぎったが直ぐに睡魔がやってきてしまい僕は意識を手放した。




