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ハレの君とケの俺  作者: 奏薇
2/5

8日目「俺じゃだめかな。」

今日も彼女は可愛い。

俺の目には彼女しか写っていない。

俺じゃだめかな。

一体、俺は夢の中で彼女にその言葉を何回投げかけたのだろうか。

一体、俺は夢の中で彼女のその後ろ姿を何回みたことだろうか。

風に靡くその髪。

太陽の光が当たって火照る頬。

今日も暑いね、なんて夢の中で君は僕に言うんだ。

俺が声を掛ける前に、いつもこの夢は終わりを告げる。

そんなことを思い出してうとうとしていると、教授にすっぱたかれた。

折角いいとこだったのに、あとちょっとで…あとちょっとで…なんだっけ…

夢ってあまり記憶に残らないんだな。

あんなにいい夢だったのに。

俺はいつものように、授業なんてそっちのけで彼女を見つめていた。

夢にまで見てしまう…

まるで今の私のようです。

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