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8日目「俺じゃだめかな。」
今日も彼女は可愛い。
俺の目には彼女しか写っていない。
俺じゃだめかな。
一体、俺は夢の中で彼女にその言葉を何回投げかけたのだろうか。
一体、俺は夢の中で彼女のその後ろ姿を何回みたことだろうか。
風に靡くその髪。
太陽の光が当たって火照る頬。
今日も暑いね、なんて夢の中で君は僕に言うんだ。
俺が声を掛ける前に、いつもこの夢は終わりを告げる。
そんなことを思い出してうとうとしていると、教授にすっぱたかれた。
折角いいとこだったのに、あとちょっとで…あとちょっとで…なんだっけ…
夢ってあまり記憶に残らないんだな。
あんなにいい夢だったのに。
俺はいつものように、授業なんてそっちのけで彼女を見つめていた。
夢にまで見てしまう…
まるで今の私のようです。