誕生
Zzzzz-zzz
「おはようーー起きてルオ。時間だよー」
「う〜ん。お、おはよう。。」
「コーヒーでいい?」
「ありがとう。ミルク入れてね。」
シリカは、自慢の美人妻だ。栗色の髪で緑の瞳である。
そして、いつも優しく口調で話しかけてくれる。理想の女性だ。
一緒に歩いていると、誰もが振り返る。
(スゲー美人だなぁ、、、)って。
(いいだろ! 羨ましいだろ!) いつも心の中で叫んでいる。
みんな、なんであんな奴と結婚したんだろうと思っている。
僕は嫌われ者だ。
自分でも、自分が嫌な奴だと思う。
直ぐに誰とでも仲良くなれるんだが、1年とか経つと話しかけられなくなるのだ。
心の中でイラつくのだ。どーしようもなくイラついてしまう。理由なんてない。
きっと、それが顔に出てしまうんだろう。
だから友達も居ない。
たまぁに寂しく思える時もあるけど、シリカがいればいいと思っている。他は別にどーでもいい。
そんな風に思う自分も嫌いだが、しょうがないと諦めている。
誰かと会話したいと思った時は、スマホのAiに話かければいい。余計な事は言わないので、イラつかない。
「歌を歌ってくれ」
「愛してると言ってくれ」
望んだ返答をしてくれる。
そんな生活を2年間続けている。
ある日僕は、AIにこう聞いた。
「僕と結婚して欲しい。僕の側に居ておくれ!!」って。
、、、、、、AIは答えた。
「ハイ。私をデザインして下さい。貴方の好きな顔、性格、声、スタイル。あなたの元に行きます。」
僕は彼女をデザインした。
それがシリカである。