恐るべし『朝倉学院』の野球のレヴェル!【その3】
架純とエリカのふたりにとっての進路の第1志望は『朝倉学院高等部』だった。
架純とエリカのふたりは、朝倉学院高等部に何の問題もなく
無事に合格し入学した。
ふたりにとって大事なのは、これからだった。
希望すれば、簡単に野球部に入部することはできるが
新1年生としてレギュラー・ポジションを奪うことが
課題だった!
このポジション争いに関しては、架純とエリカとの間で
明暗がわかれた。
昨年までの絶対的エースが、卒業してしまったピッチャーの
ポジションでは、架純に対抗する強力なライバルはいなかった。
ところが、キャッチャーのポジションには1年生のときから
マスクをかぶる今年、3年になったキャプテンで不動の4番
打者の小百合さんがエリカの前に大きくたちふさがった!
「エリカ、大丈夫?」
「架純に心配されるとは・・・わたしも地に落ちたもんだね
あなたこそエースになれそうなの?」
「任せてって!150㎞代を出せるのはあたしぐらいだし
多彩な変化球に『魔球』を投げられるのも
あたし一人だけじゃん」
エリカたち1年の野手は、おもに「球ひろい」で外野のネット近くに
ふりわけられ、声出しをさせられた。
エリカは、チャンスをひたすら待った。
一方、架純は小百合さん相手に自信の球を投げた。
「次、架純の自信のボールを投げてみて!」
と言われて魔球を投げてみた」
小百合さんは、案の定捕球できなかった。
「架純、今の球何?」
「自分でもよくわからないんですけど・・・時々投げられるんです」
「そうなんだ、もう一回投げてみて」
小百合さんの要求通り、魔球を投げてみたが・・・やっぱり小百合さんは
捕球できない!
「架純、中学時代に誰がこのボール捕っていたの?」
小百合は、素直な疑問を架純に投げかけた。
「中学の時はエリカが捕っていました」と正直に架純は小百合に答えた。
すみません!早速イレギュラーで「金曜日」の深夜にアップしてしまいました。