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左利きで悪かったな  作者: @
第一章 理不尽という必然のストーリー
3/20

戦闘開始

どーも、いつもながらセカセカと物語は進んで行きます

はい!どうも!カヅキです!こんな名前ですけど女です。私って意外と几帳面で女の子っぽいんだよ。

はい今回はそんな私視点で物語を進行していくわけですが、なんだか最初から雰囲気が険悪なんですけどどうしたらいいんだろう。

こうなった顛末を過去から探ってみよう!





「こんにちはカヅキちゃん」


それは入学式終了して新しい教室に入ろうとした時に肩を叩かれて話しかけられた。

誰だろう?と思い振り返ってみると、そこには女性にしては長身の女性が綺麗な姿勢で立っていた。私はこの話しかけてきた人物を知っている。中学校時代にシンと私がお世話になったニーナ先輩だ。


「うおぉ、ニーナ先輩お久しぶりですね」


「うん、久しぶり。相変わらず男勝りで元気そうね」


「男勝りは余計です」


私がちょっと拗ねたように言うと一年前と変わらない笑顔をニーナは見せてくれた。


「ところでシンは?あなた達中学の時はいつも一緒だったじゃない。クラスも二回連続一緒で」


「いや、流石に三年生の時は違うクラスになりましたけどね。まあ、今でも仲がいいですよ。シンは入学式終わったと同時に校長室に行きましたけどね」


すると、ニーナは首を数度縦に振ると私の目を見て言う


「そういえばカヅキちゃんは私にシンのことについて恋愛相談をしてきたことがあったわね」


その話なんの脈絡もねぇだろうが!

私はツッコミを盛大に心の中でぶちかましてしまう。


「今はどうなの?」


「そんなのどうだって…」


「シンがトップになりそうなの」


「え?」


唐突に言われたその情報に戸惑う。学校でそのトップという単語は大きな意味を持つ。なぜならこの学校の最高の十人であり、授業免除などの特別待遇という本当の実力者にしかなれないポジションだからだ。


「実は私もそのトップでね情報とか結構入ってくるのよ。それでシンの名簿にそう書いてあって…。もちろん最初はびっくりしたわよ。でも、すぐに納得してしまった。だってシンより強いやつなんで見たことがないもの」


そんな…シンが…トップに…。わりとどうでもいい!


「あの、それと私どういう関係があるんでしょうか」


「そうね。あなたがまだシンが好きだとしたら、そうでなくともまだ友達でいたいなら、シンがトップになると当然一般生徒との交流は減るわよ」


「えーと?それはシンともう会えないってことですか?」


「そこまで極端じゃないけど、会う機会はものすごく減ると思う」


そ、そんな!会えないだって!私これからどうやって生きていけばいいんだよ!


「まあまあ、そう落胆することないって、もしあなたがシンと一緒にいたいと思うなら実現できないことはないわよ」


「え?それってどういうことですか?」


私はすでに半泣き状態だ。すがるようにニーナの言葉を聞く


「あのね。シンはいくら強くて成績も良くてイケメンで優しいと言っても所詮高校一年生。精神的に不安定な時期だわ。多分シンは精神も太いと思うけど一般的に考えたらトップの中では一番の未熟者よね。だから、私は校長に言ったの『サポート役をつけてはどうですか?』ってね」


「えっと…それは…」


「校長も承認してくれたわ。そして、その人物は私の推薦した人物を優先的に配置するらしいわ」


そして、ニーナはその透き通った目で私の目を覗き込む


「どうする?」









まあ、そんな出来事があって、あとはみんなのご存知の通りサポート役になったわけだ。

まあ、シンのことだからあなただけにサポート役がついていると言ったら私を解雇してしまうかもしれないのでトップ全員が同じようにサポート役がいると嘘をついていることはシンには内緒だ。


で、てんやわんやでお腹が空いたということで食堂に行ったのだが、シンの驚異の観察眼で食券をすり替えて食堂で一番高いラーメンを頼んでいる女の子を見つけて円テーブルについたところから物語を再開しようか


席に着きシンは女の子に対する精神的な圧迫をかけようとしていた。

こんなのをそばで見ていたら口を挟んで状況を悪くしそうだったので、私は席を立って自動販売機でジュースを買い、ゆっくりと元いた席に戻る。すると、冒頭のように険悪な雰囲気になっていたわけだ。

二人の男子が言い合いになっていた。その一方は澄ました顔のシン。長い付き合いともなると感情をほとんど表に出さないシンの感情がやっと掴めるようになった。今、シンは思いっきり面倒臭がっている。大体彼は口下手すぎるのだ。本当に言いたいことを伝えるには私という通訳がいる。全く面倒くさい。まあ、人に嫌われるようなことはよく言うけど、さっきの女の子を追い詰める時とか結構喋るのが得意そうだ。

そして、もう一人の方だが…


「え?カズマサ?」


「は?カヅキ?」


なんで、小学校時代の幼馴染がここにいるの?

私は中学校からの編入組だから小学校は一般的な学校に通っていた。そこで家も近いこともあって仲の良かった男の子だ。どうしてここに?


「なんで、あんたがここにいるの?ここは思念体の街だよ」


「いや、お前今日の集会出てねぇのかよ。今日から俺はここの学校に編入してもう立派な思念体になったんだ」


「えぇぇ!じゃあ、もうカズマサはここの生徒ってこと」


「制服もほら」


「ほんとうだ…」


久しぶりに会った幼馴染にテンションが上がる。


「ふぅ。お前たちはここで昔話を楽しんでおけ。俺は教室に戻る。あと、ラーメン女子生徒はそのラーメン食べ終わったらちゃんと教室に戻れよ」


「あっ」


私が止める間も無くシンは食堂から去って行った。拗ねちゃったかな?


「なんだ?お前あいつと知り合いか?」


カズマサが私に質問してくる。さっきシンと険悪になってたし、ここで私が『大親友だよ☆』とか言った日には私達の友情はガラスを割るよりも簡単に崩れてしまうかもしれない。その程度の友情で無いと願いたいが少なからず少しくらいの亀裂は入るだろう。それだけは阻止せねば!


「あの、私はあの人のサポート役なの」


私はそれ以上の関係ではない。ただ事務的に付き合っているだけだと自己保身のためにそう言ってしまった


「そうなのか?俺はてっきり大親友なのかと思ったぜ」


「え?」


「いや、間違ってたら悪いけど、なんだかお前ら信じきってるって感じがしてな」


「あ、そ…そう。まあ、間違ってないかな」


え?それって、誰から見ても仲良しってことかな。私達の信頼し切ってるって思われてれのかな


「それに最初は俺も切れて飛び込んじまったけど、あいつの目を見た瞬間すぐに怒りの気持ちがおさまったんだ」


カズマサは少し前のことを思い出すように話し始める。いや、実際少し前のことだから少し前のことを思い出すのは自然か…。


「あいつは自分がしていることに絶対の自信を持っていて自分の行いは間違っていないと思ってた。ある意味ではあいつのやり方も否定できない」


私もシンのやり方は正しかったと思う。


「だが、俺はあんなやり方嫌いだ」


「なにそれ?わがまま?」


「かもな。でも、案外分からないものだぜ。どっちが正しいのかなんてな。だって、そんなものに答えなんてあったら世の中は安定してるっての」


でも、そんな自分の理想掲げてもこの学校じゃ意味がない。だってこの学校の方針はトップの十人が決めるのだから


「まあ、とにかく明日の放課後は頑張るよ」


そう言って手を振りながらカズマサは去って行った。


ん?頑張る?しかも明日の放課後ってそんな明確な日時まで…














「はぁ?バカなんじゃないの?」


教室に入ってシンが言ってきた言葉に対する返事だ。だって、いきなり『俺明日の放課後編入生と決闘するから』とか言い始めたのだ。仕方のないことだろう


「どういうこと?なんでカズマサと決闘することになったの」


「どうやら、トップになって学校を変えたいらしい。手っ取り早くトップになるには今いるトップよりも有能なところを示せばいいから決闘という形になったんだろ」


他人事のようにシンは言った。いやいや、あんた当事者でしょうが!


てか、シンは パソコン使ってるし、やる気あんの?


「ふぅ、ダメだ」


「あ?なにが?」


私は苛立ちを全く隠さず言うが、そんなことシンは全く気にせず淡々と喋る


「いや、一応編入生について調べててな。トップってのはすごいな。教師よりも高いアクセス権限を持ってるんじゃないか?」


「あ、面倒臭そうだったけど一応調べるんだ」


「ん、まあな。で、調べてみたんだけどな。やっぱりアクセス権限が高いといっても奴の能力はわからなかった」


シンはパソコンの電源を落とし椅子から立ち上がる。そして、スタスタと教室から出て廊下を歩き始める


「ちょ、ちょっとどこに行くの?」


私は慌ててシンを追いかけてなんとか横に並ぶ。全く外に出るなら出るって言ってくれればいいのに…


「はぁ、時間が惜しいから歩きながら説明するぞ」


「うん」


「まずは編入生の編入試験について調べたんだが試験監督が教師じゃないんだ」


「ん?どういうこと?」


「トップの内数人が試験監督として使われるんだ。で、資料には今年の試験監督は…」


そして、ギュっと一つの教室の前で止まる。いや、教室というより工場とかそんな感じと言った方がわかりやすいかもしれない。こんな教室に改造するトップといえば…


「うん、ニーナ先輩だ」






ガラッ


私たちはそのニーナのいるという教室のドアを開けた。最初に目に飛び込んできたのは壁際に無数にあるわけの分からないコンピュータ類だ。そんな機械だらけの部屋の奥に大型ディスプレイの前で足を組んで座っているニーナがいた。


カズマサと一緒に…


「………」


絶対零度とは分子の動きさえも完璧に止まる現象だが今まさにそれが起きたような気がした。それくらい空気が凍りついた


やばい。ここは全員と顔見知りの私が何か話さないと


「また会ったな編入生」


お前が話しかけるんかい!


「編入生じゃねぇ。カズマサだ」


普通に返事すんなや!


「すまない。では、カズマサまた会ったな」


素直!あんた素直すぎるよ!


「ああ、また会ったシン」


なんでお前はそんなにフレンドリーなんだよ!


「すまないがカズマサそこをどいてくれ。俺はニーナ先輩に話があってきた」


おお、やっとまともな話になってきた


「ああ、ちょうど話が終わったところだ。じゃあな明日はよろしく」


「ああ、よろしく頼む」


そうやってカズマサは帰って行った。なんだかさっきまで言い合ってた二人とは思えない会話だったな。


「おい、カヅキ。ボーッとするな。ニーナ先輩のところに行くぞ」


「あ、うん。ごめんね」


「いや、別に謝ることはないが…とにかく行くぞ」


まあ、大袈裟に行くぞと言っても数歩進むだけでニーナの目の前についた


「すみませんお忙しいところを少しお時間いただけますか?」


するとヘッドホンのようなものをつけていたニーナはそれを外しこちらを向く。すると顔をパァと輝かせて私たちをバシバシ叩いてきた


「おー!あなたたちが二人揃っている姿なんて久しぶりに見たわ。もう、シンそんなかしこまらなくていいわよ先生かと思ったじゃない」


「すみません」


あまりにも強く叩かれすぎてシンのメガネはマヌケにずり下がった。そのせいかニーナに対する謝罪は若干不機嫌そうだ


「あはは、なになに?いやー、もうそろそろ挨拶に来る頃かなとか思ってたのよ。お菓子あるけどいる?」


「いえ、結構です。今日は情報が欲しくて参りました」


「うん…そうだよね…シンだもんね…」


ニーナ先輩が!ニーナ先輩がぁぁぁ!


「まあ、いつも通り変わらないってことが分かっただけでも私は嬉しいわ。で、どんな情報が欲しいの?」


「はい、あの編入生…カズマサのことです」


「へぇ」


その言葉を聞いて目を細くするニーナ。


「先ほどカズマサがニーナ先輩を訪ねていたのでもしかしたら知っているかもしれませんが、明日の放課後俺とカズマサは決闘します」


「知ってるわよ」


「それなら話が早いですね。あいつの基本性能と能力の情報をいただけないでしょうか」


「なんで私に?」


「あなたが編入試験の試験監督だったので何か知っていると思ったからです」


「ふーん。よく調べてあるわね。試験監督なんて普通見ないわよ。まあ、私はカズマサの基本性能も戦闘スタイルも能力だって知ってるわ。でも、あなたには教えない」


「なぜです?」


「あなたにそれを教えたらカズマサは絶対に勝てない」


「…なるほど。カズマサの肩を持ちますか。分かりました諦めます」


すると、シンはクルリと回れ右をして一人でスタスタ出口に歩いて行った


「あー、そうそう。最後にいいこと教えてあげる」


そのシンに向かってニーナは話しかける


「編入試験の内容だけど」


流石に少し気になったのかシンはまたクルリと回転してニーナの目を見る。それを見てニーナはにっこりと笑う


「編入試験で私が出した課題は…」


「私を倒せっていう課題だったわね」









私たちは周りから大きな注目を集めながら廊下を歩いていた。私とシンはニーナとは中学生の時からの仲だ。シンは何度もニーナと闘い、一度は負けたこともある。そんなニーナをカズマサは本当に倒したというのだろうか。

まあ、とにかく気にしても仕方が無いことだ。どうせ明日分かる。そんなことよりこの視線たちが痛いです。マジで。とにかく紛らわせるためにシンに話しかけよう


「ねぇシン。あんまり情報得られなかったね」


私はあえて元気に言う。これは空元気ってやつだ。さぞかし求めていたものが得られなくて落ち込んでいるだろう


「何を言っているんだ。最高の情報をもらっただろ。むしろ想像以上の収穫だ」


え?喜んでる?


「ニーナ先輩より強いということは俺と同等かそれ以上の強さを持っているということだ。ニーナ先輩はマグレで勝てるとかそんなんじゃないからな」


「じゃぁ、どうやって戦うの?」


「ああ、そりゃあ、騙して騙して騙して卑怯に不意打ちで目潰しで精神攻撃でとにかく頑張るしかないだろ」


「あはは、いつもとやってること変わらないじゃん」


「まあ、結局勝った方が強いんだ。大体こっちが卑怯な手を使ったらあっちも卑怯な手を使えばいいのにと思う」


「ふーん、シンらしい開き直り方。まぁ、応援してるよ」


まあ、その後は何事もなく一日が過ぎて行って私は寮に戻った。



ついでに言うと私の部屋にルームメイトがいません。募集中です。






さあ、寮での私の過ごし方とか私の寝巻きとか気になるところもあるだろうが色々省略して次の日の朝だ。私はシンのサポート役だが最低限授業には出席しなくてはいけないみたいで、今日は一応椅子に座って机にノートを広げてつまらない話を聞いていた。この学校がいかに強い思念体を作ることが目的の学校はいえ普通の教育もある。こんな時授業免除のトップが羨ましいが定期テストだけは受けるそうで、それの成績が悪かったら追試とかになる。まあ、あいつは頭がいいからそんな心配はないだろうが。それにしてもあいつどうしてるかな…









よし!放課後!全く待ち遠しかったぜ。省略ってのはいいもんだ!さあ、あいつはどうしてるかな?

そんなウキウキした気分で開けたシン専用教室だったが、そこには誰もいなかった。


ん?おかしいな。ああ、もしかして…







「やっぱりここにいた」


「カヅキには関係者以外立ち入り禁止の文字が見えなかったのか?」


「匍匐前進で入ったから大丈夫」


「はぁ、そうか」


現在地は今回の闘いが行われる場所の選手控え室だ。

そこでシンは音楽を聴いていた。


「手が震えてる。やっぱりシンでも緊張するの?」


「それは誤解で、これは武者震いってやつだ。なんて台詞を言いたいが普通に緊張して震えているだけだ」


「へぇ、私シンの試合前とか見たことないからなんか新鮮だなぁ。ああ、たまたま今回の相手が強いから緊張してるのか」


しかし、シンは首を横に振る


「いいや俺はどんな戦いの前でも緊張する。これは俺の持論だが緊張してないということは油断しているということだ。だから俺は誰が相手だろうと緊張する」


「へ、へぇー」


なんか、シンらしい持論だ。


「七席の海道 進さん。試合が始まります」


不意にドアがガチャリと開きおそらく上級生の人がそう言った。


「そろそろか…」


シンはメガネを片手で外しながらドアの外に出る


「シン!」


私は思わず彼の名前を叫んでいた。その呼ばれた本人はこちらに顔だけ向ける。


「あ、うーんと。私はシンが強いって思ってるから」


するとシンは興味なさそうに顔を前に戻す。

も、もしかして嫌われた!


「そのお世辞は試合の後に聞かせてくれ。試合の前はどっちが強いのが分からないからな」


全く口下手だなぁ。今のは本当は『勝ってくる』って言いたかったんでしょ











少し唐突かもしれないがシンの視点に戻るぞ。目まぐるしいと思ってるか?思っているのならすまない。作者に代わり俺が謝る。

まあ、こんな感情のこもってない適当な謝罪は置いといて、俺は今格好つけて言うとバトルフィールドに向かっている。控え室とそれを結ぶ廊下を歩いているわけだ。

段々と高まって行く緊張とともにあくまで自然な雰囲気を出しながら歩く。最早感情を表に出さないのは癖と言ってもいいのではないだろうか。


「あの、すみません」


俺が自分自身の性格について考察をして緊張を紛らわしている時に横から少年に話しかけられた。(この少年はカヅキが上級生らしき人と言っていた奴と同じ奴だ)


「なんだ」


「あの、ご存知の通り学校での戦闘ではこちらの指定した武器を使用していただきます。なのでこちらをお渡ししようと思いまして…」


そう言って差し出されたものは普通の剣だった。


「まあ、試合を公平にしなくてはいけないし、編入生だから自分専用の武器とか持ってないんだろう」


「はい、そんなところです。頑張ってください」


「言われなくても頑張るさ」


俺はその少年から剣を受け取ると廊下の外に出る。


そこは一辺が500メートル高さが30メートルある箱のような場所だ。そこに俺が足を踏み入れても特に歓声など湧かない。いや、湧いたのかもしれないが俺の耳には届かない。この箱は防音なんだ。


俺は剣を右の腰にぶら下げゆっくりと中央に向かって歩き出す。


ある程度はこの真ん中に近づいたところで俺は足を止める。


「この戦いのルール上この箱に入った時点で攻撃していいんだぞ。なんでお前までつられて歩いているんだ?」


俺は目の前にいる対戦相手…カズマサに話しかける。


「えぇ!そうなのか。それならそうと早めに教えてくれればいいのに」


「なんだ?知らなかったのか?」


そりゃ好都合だ。俺は右腰にある剣を鞘から抜き出し左手一本でそれを持つ。カズマサも右手で剣を持つ。


なんだ?あいつも剣を片手で持つのか?俺から見て右がガラ空きじゃないか。人のことを言えた義理じゃないがこの距離なら即斬りだぞ。お前が馬鹿みたいに俺の真似をしてくれたおかげでお前との距離はたったの100メートルしかないからな


(この距離なら俺は…)


地面を蹴ってカズマサに飛び込む


(一秒で近づける)


(その構えやっぱり右がガラ空きなんだよな)


そして、躊躇なくカズマサの首を右からはねとばそうとする


ギィィィン


聞こえてきたのは肉が切断される音でも血が吹き出す音でもない。金属と金属がぶつかり合う時になる金属音だった


(何!あのタイミングで間に合った!?)


俺の剣はカズマサの首のあと1センチのところで別の剣に阻まれていた


しかし、カズマサの行動はこれだけに終わらない


(なんて力だ。押し戻される)


カズマサの凄まじいパワーに俺の剣が押され思わずバランスを崩してしまう。

その隙をカズマサは逃さない。すかさず追撃として左の拳で俺のみぞおちを殴る


まるで、至近距離から手榴弾を爆発させたかのような衝撃だった。かろうじて右手でガードしたものの俺の体はノーバウンドで壁に激突し、壁がビキビキと音を立てて亀裂を走らせる。


「おいおい、もうへばっちまったのか?戦いは始まったばかりだぜ」


カズマサが俺に向かって挑発するように言ってくる


「…上等だ」


俺はそれに乗るように返事を返す。


能力も戦い方も経歴さえ謎な編入生だが一つだけ分かったことがある。


こいつは強い



いやー、展開早いと思ってるますよね。実はこれ一日しか経ってないんですよ


ではキャラ紹介です


新菜(ニイナ) (カナデ)

シンやカヅキとは中学校時代の先輩で学校では3席の座についている。

普通に黒髪でセミロング。目の色も日本人らしく黒。

学業においてはシンをも上回る実力を持ち戦闘においてもかなりの実力者である

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