優秀すぎる俺
この話のタイトル適当だ。思い浮かばないなぁ。まあ、頑張って読んでください
ども、みなさんプロローグには目を通しましたか?普通に説明不足だから追加の説明をしておこう。この街は思念体の街だ。あるもの全てが霊的何かで、人間には見えないような街だ。だからこの街の存在をあまり知られていない。別に秘密にしているわけでもないわけだが、積極的に教えることもしていない状況だ。そして、今から俺が行く学校は強い思念体を育成するための学校だ。プロの思念体は大体この学校を卒業してる
この学校は小中高大一貫の学校でその合間に一応編入試験とかある。かなり難しいらしいがその分編入生は普通の在校生よりも強いというケースも少なくない。そして、今日はその編入生の紹介の行事がある。その後今年度の学校の十席までの発表がある。この十席という学校でトップレベルの生徒たちは特別扱いされ授業の免除の代わりに学校の秩序を守る組織として学校に登校しているという妙な風習がある。ついでに俺は高校一年生にして七席に選ばれた。異例のことらしい。まあ、そんなこんなで俺は七席として先生方の隣で集会を見守っていた。実質先生より俺たちの方が権限がある。
てなわけで、こんな面倒臭い行事なんて寝て過ごそうと俺は思っていたのだがそれは叶わなかった
「まず最初に言います。俺の母さんは昨日死にました」
あともう少しで寝つけると思っていた時に聞こえた大音量の声。その声量もさることながら異常なのはその内容だ。明らかに今この場で言う必要のない否言ってはいけないことではないのか
「嘘です。不謹慎ですみません」
「ちょ、ちょっと君!この場にふさわしい…」
「まあまあ」
一人の教師が立ち上がって異議を唱えようとするがニーナがそれを止めた。
「えーと。簡単に言うと俺はこの学校に強くなるために来ました。なので皆さんご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。以上です」
そして、至って普通のことを言って壇上を下りた。他に編入生らしき人はいないので今年の編入生はあいつだけということか。
そのあとは特になんの問題もなく進行して、俺は普通に七席として紹介されて集会は終わった。
あの編入生は一体…
まあ、気を取り直して、俺たちトップ10には専用の教室をもらえる。俺はその教室へ向けて歩いていた。それにしても意外といい気持ちはしないものだ。俺が七席だということは学校中に知れ渡っている。そうでなくとも俺たちには専用の制服が支給されそれを着なければならないのだ。歩くたびに様々な視線が突き刺さる。羨望や憎しみなどの感情が俺を攻撃する。
全くこれだから高校一年生で七席になるのは嫌だったんだ。期待もされるし、こんな新入生がトップになると上級生は納得できないだろう。だからといって辞める理由にはならないが。
とにかく専用の教室を見て気に入ったらこの環境も少しはマシになるかな。
そう思って俺はガラッとドアを勢い良く開けた
「やー、よく来たね」
「なんでカヅキがここにいるんだ」
そいつは教室の端にある大きなソファで横たわって俺に挨拶してきた。こいつの名前は後藤 香月だ。一応言っておくが女だ。いや、名前がカヅキだから男じゃね?とか思うかもしれないが女だ。
で、なぜカヅキがここにいるのかということだが
「いやぁ、トップの人たちには秘書的なサポート役的な護衛的なそんな感じの人が付属品みたいな感じでついてくるんだけど、あなたの付属品はこの私に決定しました。はい!拍手ー」
「ちょっと待て。この付属品には俺の好みのやつを選ぶとかないのか?俺の意思は全然反映されないのか?」
「はい!拍手ー」
「俺のことは完璧に無視か。大体誰がこの付属品を決めたんだ。ちょっとは俺に相談するとかないのか」
「はい!拍手ー」
「うっ、うーん。はぁ〜」
とうとう俺は諦めて拍手をパラパラとする。全く、理不尽とはこのことを言うのだろうか。でも、まあカヅキが付属品になってくれたのは正直心強い。これでなんか正体不明の上級生とかだったら気を使いすぎて死んでしまうところだった。しかも、特に同級生の中でもカヅキというのがいい。中学校の時も二回同じクラスになったし、正直好きなやつだ。異性として。
それは!ともかくとして、とにかくこいつが付属品なのは助かる
「ところでだが、カヅキの役目はなんなんだ?」
「どうだろう?多分世話役的な感じだと思うけど」
「そうか。まあ、俺のサポートみたいなところだな。よろしく頼むよ」
「こちらこそ」
定型文的な挨拶をして、俺はこの教室を見回してみる。いや、意外にいい部屋だ。ソファもあるし、生活に困らない程度には家具もある。なんかパソコンとかもあるし、トップはかなり優遇されるらしい。授業も免除だしな。
まあ、とりあえず俺はトップとしても、学校の生徒としても未熟だ。ゆえにトップの奴らがどんな仕事をするか分からない。一応聞かされた話では学校の秩序の維持らしいが具体的に何をするのか分からない。それは授業を免除するに値する仕事量なのだろうか?それともそういう名目で俺たちにだけ休みを与えているのだろうか?
「ふぅ、全然わかんないな」
「なにがわかんないのかな?私に話してみなよ」
「なんだカヅキ。いつからそんなに聴力が良くなったんだ」
「日々の努力の賜物だよ」
「そうか」
ふぅ、とにかくくつろぐか
「ちょっと待てぇい!」
「なんだ人がくつろごうとしている時に」
「いや、わからないことって何?私に教えてよ。私はシンのサポート役なんだから」
「しょうもないことだぞ」
「いいから言ってよ」
そう言ってカヅキは目を輝かせてくる。なんでそんなにイキイキしてるの?
「いや、ただな。授業に出席しなくていい俺は何をすればいいのか?みたいなことを思ってな」
「ふーむ。なるほどなるほど。何をすればいいんだろう?」
「結局お前も知らないのか」
「ツッコミにキレがないよ。最後に!つけないと。!は大切だから必ずつけないとダメ」
「どんな説教だ」
「!つけてツッコんで」
「……!」
「まさか!だけでツッコむとは!」
なんでボケとツッコミが逆になった。とにかく俺はクールキャラだからこれ以上のボケツッコミはやめて欲しい。
このままここにいると茶番に延々と付き合わされそうなので、とりあえず次の行動の指針を決定した
「で、食堂ね」
「ああ、今はとにかく腹が減ったからな」
「いや、だからといってこの一般生徒にも解放されている時間に来るなんてねぇ」
今食堂は一般生徒で溢れかえっていた。この地下世界に住む生徒は大体が寮で過ごしているため食堂の需要は高い。
「全くシンはトップの一員なんだから食堂に行くタイミングだって皆が授業してる時に行きゃいいのにさ」
「うるさいぞカヅキ。だって仕方が無いだろ。俺は今お腹が空いたんだ。ならば、今食べるのが俺の信条だ」
「何それくだらない。柔軟性なくね?」
「フッ」
「なにそれ!軽くあしらわれた!」
まあ、カヅキとの会話はいつもこんな感じだ。仲が悪いわけではない。むしろ良好。そして最高。一緒にいるだけで幸……そういえば!食堂はめちゃくちゃ賑わってるな。いろんな声が聞こえるな
「おい、牛丼は売り切れだってよ」
「うわー、金忘れちまったわ。お金貸してくんない?」
「うお、この新作メニュー美味しい」
「おばちゃん私のラーメンまだー?」
「さあ、我が漆黒の晩餐「まだ昼飯だろ」じゃあ、昼餐かな?」
本当にいろんな声が混ざっている。その声に含まれた感情も伝わってくる。別に俺は精神干渉系能力じゃないのだが人の心はよく見える。昔も今も趣味は人間観察だ。
「おいカヅキ。俺たちトップの仕事は学校の秩序を守ることだよな」
「うん、そうだけど?」
「そうか…」
ここの食堂のシステムは券売機から食券を買っておばちゃんに見せて作ってもらうっていうオーソドックスなシステムだ。
「あの子は嘘をついている」
俺はさっき生徒の声を聞いた時「おばちゃんラーメンまだー?」と言っていた女の子を指差す。
「なんでわかるのさ?」
カヅキは俺に質問を投げかけてくる
「簡単だ。俺の趣味が人間観察だからだ。あの子若干火照っているな。まだ春で三寒四温の時期だ。今日は暖かいというよりも少し肌寒い気温だよな。なのに火照っている。よく見たら手汗もかいている。この時点で俺から見たら怪しいやつだ」
「でも、そんなことならただの暑がりってこともあるかもよ」
「俺もそれは考えた。だけどあの子の呼吸は鼻じゃなくて口で呼吸している。脈も通常よりもかなり早いな。目も泳いでいる。まるで周りを常に気にしているような感じだ」
「それ全部本当のことなの?この距離で脈とかわかるの?」
「何言ってんだ。俺の趣味は人間観察だ。こんなの序の口だ」
「うーん。でもそれだけで嘘つきと決めるのはね。どうかなぁ〜」
「そうだな。あとは彼女に聞いてみるしかないな」
俺はトップとして初めての仕事を完遂するべく嘘をついているかもしれない女の子に近づいて話しかける
「おい、お前。嘘ついてないか?」
こんなことを聞いても否定されるに決まっているが俺の場合その否定の仕方で真実が分かる
女の子は少し俯いてこちらを見た
「どういうことでしょうか」
目をそらして自信なさげにそう言う。
なるほどね食券か。俯いた時、食券の入った箱を見てた。おばちゃんは食券を受け取るとすぐに箱の中に入れる。それはもう手際のいい動作で。だから、その書かれている内容なんていちいち見てないのだろう。
「はい、ラーメンだよ」
その間にラーメンが来た。
「じゃ、君が頼んだラーメンも届いたことだしテーブルで話そうか」
というわけで白い円テーブルに俺とカヅキと女の子が席につく。
「さあ、食べたらいい。ラーメン冷めたらまずいからな」
そう言って俺は割り箸を差し出す
「どうした?受け取らないのか?せっかくお金を払って買ったものだろう。ならば熱いうちに食べるべきだ」
すると女の子は割り箸を受け取るが器の前に横にして置くだけで使おうとしない
「どうした?もしかして俺達の心配をしてくれてるのか?それなら心配はない。俺たちはすでにお腹いっぱい食べたからな」
まあ、お腹いっぱい食べたというのは嘘だ。だが、そのことを言ったおかげでようやく女の子は箸を割りラーメンを食べられる形にした
「うん、それでいい。ところでそのラーメンいくらしたんだ?」
「600円です…」
女の子は小さく震える声で言った
「そうか。なかなか高額だな。やはり、そんな大金を払った人には美味しく食べる権利があるな」
女の子の手は震えながら動いていく。とうとう涙まで流してしまった。
そして、女の子の持っている箸がラーメンの汁につくかつかないかのところで止まった
ふう、これでどんな結果になろうと多分この子は払う金額を誤魔化して何かを得るなんてことはしないだろう。やり方はどうあれとにかく良かっ…
「おい!」
そう安堵したのもつかの間全く予想してなかった第三者の声が聞こえた。カヅキではない。もっと男性的な声だ。俺はその声のした方に顔だけ向ける
「なんだ?」
そこに立っていたのは薄い黒の髪を短髪にしている少年だった。
あー、なんかこいつ見たことあるような気がするぞ
「お前なにしてんだよ!」
いや、何をしてるって言われてもなぁ
「俺はただ秩序を守ろうとしているだけだが」
「それは女の子を泣かすことをいうのかよ」
ああ、こいつは少し誤解してるのかな。俺口下手だから誤解とか解けないな。カヅキに頼るか。あれ?カヅキは?トイレか?こんな時に間の悪い奴だ
「いや、俺は泣かせようと思って泣かせたわけじゃない。秩序を守ろうと思って彼女を虐げて辱めていただけだ」
おう、我ながら半端ない誤解が生じそうな言い方だ
「じゃあ、秩序が悪いってことだな」
別に悪いってわけじゃないけど。てか、悪い方向に進んでるな
「なら、そんな女の子一人笑顔にできない秩序なんて俺がぶっ壊してやる!」
どうしてそうなった。そもそも俺はこの女の子を改心させるために頑張ったのに
「お前じゃ学校の秩序を変えることはできない」
「なんでだよ?」
「それは学校の秩序とは校則のことだ。そして、それは俺達のトップの決めることだからだ。一般の生徒は踏み入れることのできない部分。お前には何もできない」
あー、なんかこいつのこと思い出せそうだ。
「じゃあ、俺がトップってのになってやる!」
あー、思い出した。こいつは編入生だ。なるほど。通りで若干世間知らずなところがあるんだな。
「どうすりゃトップになれる」
いや、なぜそういう話になったんだ?
「トップの10人は校長が決める。だから校長の目に見える範囲で自分の有能さをアピールすればいい」
「そうか」
よし、そういうわけで諦めてくれ。俺はもう疲れた。確かに何の事情も知らない人が見たらなんか俺は女の子を泣かせている悪いやつに見えたかもしれないけど今だけは見逃してくれよ
「じゃあ、俺と決闘しろ!お前はそのトップなんだろ」
なんてこと言い出すんだ。嫌に決まっているだろうそんな面倒臭そうなこと。
「仕方が無い受けてたとう」
食堂には多くの生徒がおり、こちらを注目していた。そりゃそうだトップに突っかかる生徒なんて珍しいからな。そんな場所でこんな大声で決闘申し込まれて断ったらそれこそ面倒臭そうだ。
「じゃあ、決闘は明日の放課後でいいか?」
「おう」
こんなものはさっさと終わらせるに限る。明日早々に切り上げよう
「編入生名前は?」
「太田 和雅だ。お前は?」
「海道 進」
これが俺のカズマサとの出会いだった
展開早いのはご愛嬌です。許してください。まあ、キャラ紹介でもしましょうかね
太田 和雅
容姿はまあまあイケメン。薄い黒髪で短髪。
海道 進
容姿はイケメン。白い髪の毛で目の色は色が薄い印象がある。髪の長さは長くもなく短くもなく。メガネをかけていて、戦闘時は外す
後藤 香月
茶髪で男っぽい名前を気にしているのかロングヘアー。目の色も茶色。