1.王家の呪われた「黒髪」
こんにちは〜、ねもい猫と申します!
まずはこの作品を開いてくださり、ありがとうございます。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
うちの子達(笑)を、どうぞよろしくお願いします!
「陛下、ようやくお生まれに……
っ!?これは、どういうことだ!?」
「きゃぁぁぁぁ、黒髪よ!精霊が、私の精霊が、待って、行かないで!!
早く、早く誰かこの子を追い出してよ!」
「どうして……ああ女神よ、これはあなたのご意思なのか!?」
ぼんやりとした意識の中で、初めて聞こえてきたのは、そんな拒絶と混乱の声達で。
初めて見たのも、恐怖と嫌悪の目線だった。
「――ごめんなさい」
それでも唯一、その綺麗な金髪の女性だけは私に謝っていて。
(ああ、泣かないで)
伝えようとしても届かない言葉。
誰だかも、なぜだかもわからないけど、その様子を見るのは。
とても、悲しかった。
◇◇
その昔、精霊の女王たる「女神」の強大な加護によって残虐な魔王を打ち倒し、魔族の侵略を止めた大英雄は、小さな国の「聖女」と恋に落ちやがて夫婦の契りを結んだ。
英雄の死後もその血を受け継ぐ子孫が代々国を治め、女神の加護は国全体を覆う見えない「壁」となって魔族の侵略を食い止め続けた。
他国と比べ、極端に魔族の侵略が少ないその国は、いつしか名を知らぬ者のいない大国にまで成長した。
しかし数年前、王宮をゆるがすとある事件が起きる。
『くっ………黒髪だと!?』
正妃の成した子、第一王女が最も「醜い色」と言われる黒髪だったのである。
というかその第一王女というのがこの私、リーナ=フォルテである。
なぜ第一王女が黒髪だと悪いのか。それは、この国にとって最も大切な存在である「精霊」に忌み嫌われる存在であるからだ。
この国では精霊と「契約」をすることで、「精霊術」を使用できる。火の精霊と契約すれば火が出せて、水の精霊と契約すれば水が出せる、まあそんな感じだ。
当然、こんな世の中では強い精霊と契約できる者が重用されるわけで、地位も名声も財産もほぼ、どれだけ高位の精霊と契約できるかで決まると言って良い。
Q.えー、どうやったらその高位の精霊と契約できるんですか?
努力?才能?いえいえそんなものでは一切ございません。
A.「髪色」です!
そう、精霊さんは面食いなのです。才能容姿努力関係無し、髪色が好みならすべて良し!
例えば精霊の女王たる「女神」に契約を許されるほどの英雄、そしてその血を受け継ぐ王家というのは、まばゆいばかりの金髪が特徴的である。
この金を筆頭に、銀、青系、赤系…と精霊が好む髪色が続いてゆく。
そして、最も精霊に忌み嫌われる髪色というのが「黒」。つまり私、リーナ=フォルテだ。ちなみに二番目に嫌われているのは「白」、だがこれも黒の数百倍はマシと言われている。
さて、そんな最悪な髪色が映えある王家に産まれたと国民に知られては、王宮の権威失墜の未来まっしぐらである。
では、髪色はすごくキラキラだけど腹は真っ黒な王宮の人々は、この事態にどう対処したのか。
王宮の人「はい、じゃあ今日からここで暮らしてね!」
リーナちゃん(私)「ばぶ!?(え、いや待ってよ!?)
ばぶばぶばぶ!!(どう見ても赤子が一人で生活できるような環境じゃないだろ!)」
ばぶばぶしてるリーナちゃん。そう、私は王宮の端っこに位置する「黒い塔」という狭ーい廃墟同然の塔に、一人置き去りにされてしまったのである。
そして、世間には私のことは「流産」として発表され、「黒髪の第一王女サマ」は最初からいなかったことにされた。なんと鮮やかな隠蔽工作、私じゃなきゃ見逃しちゃうね!
そこからは本当に大変でしたよ、世話役の人が定期的に(嫌々)来てくれるとは言っても、本当に必要最低限のことしかしてくれなくてですね……。
しかも、業務の合間にこんなことを言ってるんですよ彼ら。
(とあるおむつ替えの日)
世話役の人①「ああ……なんで黒髪が、しかも王家に産まれちゃったのかしら。女神様のご加護のお陰で、ここ何百年と産まれたことなんて無かったのでしょう?ああ、汚らわしい」
②「ほんとよね。白もあまり産まれないようなこの国で、よりにもよって黒髪だなんて。せめて白より上の色だったら、まだ契約の機会もあったかもしれないのに……黒じゃ、ね。」
③「早く終わらせて帰りましょ。黒髪が近くにいると精霊が近寄ってこないって噂もあるみたいだし……私達まで影響を受けてしまうわ。ああ、帰ったら消毒しなきゃ、黒髪の呪いが移ったら大変」
「……おぎゃぁぁぁぁぁぁ!」
なんじゃ君たち!揃いも揃って「黒髪」「汚らわしい」とか!!当人目の前にいるんだよ!チクチク言葉はやめましょうって習わなかったのか、あぁ゙ん!?
(こっちが赤子だからって舐めるな!全部筒抜けじゃい!)
口から発せられる言葉は「ばぶばぶ」と泣き声だけのリーナさんだが、こんな感じで内心かなり荒れていたのである。
(でもなあ、色々言いたいことはあるけど)
と思って、自分のツルツル赤ちゃんボディを見つめる私。自分のことながら、首も据わってないし小さいしで、今すぐにでもぽっくり逝ってしまいそうだ。
(事実として、今のこの状態では正直世話してもらわないと生きていけないんだよね)
さて、当然ながらただ単に産まれたばかりの赤子は、こんなに言葉を理解しないし、(多分きっと)こんなに色々考えてはないだろう。
そういうわけでもちろん、この私も「ただ単にこの世界に産まれた」わけではない。
(仕方ない、しばらく大人しくしておこうっと。
……また死ぬのは嫌だからね)
「また」死ぬのは嫌。これが意味するところ、それはつまり。
そう、私は所謂「転生者」というやつなのだ。
説明くさくなってしまいました、読みづらかったらすみません。
何かあればコメントなどで教えてくださると嬉しいです!
もちろん、感想などもお待ちしております。
3/8〜3/9 表現を変えました、大筋は変わっていませんが既に読んでくださった方、混乱させて申し訳ありませんm(_ _)m
3/12 タイトルのみ変更いたしました




