第九十章〜新宿再び
書かせていただきました。投稿いたします。うまくいってるような気がしません。とりあえず 次も書いてみようとは思いますが。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。
最寄り駅までは、歩いてもすぐだった。そこから準急に乗り、新宿までもすぐであった。
思えば初めて夏美と入れ替わったのは、この駅の東口地下だった。あれからどのくらいの日にちが過ぎただろう。妙な感慨に耽った。
そういえば、平井という男もいたが、あれからどうしたのだろう?連絡先を交換したのに連絡は一度もない。
こちらから連絡を取ろうとするべきなのだろうか。袖振り合うも他生の縁ともいうし…。
そんなことを思った。そういえば、牧島 基とも最近疎遠であった。大の仲良し、親友の仲なのであるのに。
━━そうだ。それにはまず、俺が夏美になって、夏美が俺になってしまったことを説明して、信じてもらわなくてはならないのだったか。その作業が面倒だから、つい疎遠になってしまったのだった。ちゃんと説明しなければならないな。信じてもらえることを信じて。蘭馬の方から避けているだなんて思われたら、ふたりの仲にひびが入ってしまうかもしれない。
蘭馬は新宿通りから靖国通りへと向かった。まず、目についた有名どころのブティックに入った。元々の夏美のセンスと合っているかは分からないが、取り敢えず、秋冬物のパンツがクローゼットの中に少ないように感じたので。フルーツ・オブ・ザ・ルームのコットン地のプリーツ パンツを買った。上に合わせるダントンのアウトドア風のジャケットも併せて買い、満足して再び新宿通りに戻り、 書店にも向かった。1時間ほど本を物色し、だからお昼に タイ料理店に入り、それから 帰路に着いた。駅の手前で、外国人観光客風の一団に話し掛けられた。
「おっねいさ あそばない?」
そのセリフだけを聞いて逃げるように地下に入って行った。やはり、夏美は何時でも何処でも男から声を掛けられるようだった。用心しなければ。
いやそれとも誰かに構わず 遊んでしまうか。それも女としての幸せなのではないだろうか。いや、しかし 尊厳というものもある。プライドもあるし、羞恥心もある。予期せぬ妊娠も怖い。女心はなかなか複雑なようだ。単純には語れない。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




