第八十二章〜仲裁?
書かせていただきました。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。夏美が男を呼び寄せるのか、男が夏美を呼び寄せるのか、トラブルが続きます。夏美の身体は本人に返さなければならないのですが。
「なあ、マヂでやる気かよ。このデブ」
「なんやと、このクソ、もっペん言うてみいや」
「ああ、何遍でも言ってやるよ。この…」
で2人の取っ組み合いが始まった。これはどうにかして収拾をつけなければならない。蘭馬は困った。夏美の身体で無茶は出来なかったし、だいたい男同士の喧嘩を止められる位に筋肉は発達していないのはわかっていた。
他の学生たちはといえば、物見遊山とばかりに気楽な見物を楽しんでいるだけのようだった。
蘭馬は走った。講義室の隅に。赤いランプを目標に。
まだ怒鳴り合いは止まらない。女学生たちは怖さのあまり、廊下に出て行ってしまった。蘭馬は、赤いランプの下に設置された消火器を手にし、再び走った。
スポーツサークル風の男が関西弁のヤツを蹴り上げようとしたその時、であった。
蘭馬は、消火器のピンを外し、ノズルを二人に向け、操作レバーを思い切り握った。
粉末消化剤が噴出され、辺りは白い砂埃に覆われたようになった。関西弁は、消火剤を吸ったのか呼吸困難になりかけて動きを止めた。そうして、急に正気を取り戻したのか 大人しくなった。
これを喧嘩の仲裁というのか知らないが、蘭馬は、ほっと胸を撫でおろした。
結局、警察が介入することとなり、蘭馬も同席した上で事情聴取のようなものを受けた。部屋は 学生課の一角だった。
蘭馬はいつでも自分がトラブルメーカーみたいになっているので、世の中に対して大変申し訳ない思いであった。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




