第八十章〜噂
こんにちは。頭 高させていただきました。お呼びになっていただけましたら幸いです。次第に夏美と学友たちとの関係が重ねていくようです。よろしくお願い申し上げます。
「ああ…。勿論、ちゃんと毎日出席はしているさ。なんで?」
ちょっと怪訝そうな顔をしている。
「別に意味はない質問でした」
毎日出席してるのなら、普段の夏美の様子も知っているのかもしれないと思ったのだ。その意味ではこの男、適任なのかもしれなかった。
「ねえ」
甘えた声を出してみる。
「は…はい?」
男は動揺しているようだった。あまり女慣れはしていないようだ。畳み掛ける。
「あたしってさあ、普段からどんな感じ?」
「は?どんな、って?憶えてないの?記憶喪失か何か?」
驚いている様子だ。
「え…、あ、ああ、いや……そうではなくて…あ、あたしって、みんなで騒いでるときって自分を見失うからさ、ときどきね。そんな時にはどんな感じかって…」
出鱈目を言った。蘭馬もまたひどく動揺していた。
「ああ。成る程ね…」
言い訳が通用したのだろうか?半信半疑ではあるが。
「そんな風に自分を見失っているというような感じはしたことないな。」
「本当?」
「本当さ」
「あたしってさあ、基本的にいつも何してるの?」
「は…?ああ。本を読んでるかテキストを見て 予習をしてるかぐらいしか思い出せないな。あ、あとスマホ弄ってる…本当に記憶喪失なの?僕のことも憶えてない感じ?」
ここは、そうなの、と言っておいた方が後々都合がいいのではなかろうか…。そんな目論見を抱いてしまったのだ。夏美が記憶喪失になったという噂はあっという間に学科中、学部中に広まってしまったのだ。
御読み頂いて、誠に有難う御座いました。




