第七章〜これから。それから。
御早う御座います。宜しく御願い申し上げます。
「何歳だと思う?わかるでしょ?だいたい」
「鏡見てみなきゃわかんないよそんなの。わかるわけない。あの時、あなたを殆ど見られなかったの」
あの時とは、もちろん転落して欄馬が巻き込まれながら落ちた時であろう。
まだ欄馬の歳ではそれほど身体にガタがきているわけでもないのだし、体感では意外にわからないのかもしれない。
夏美が、もともと欄馬の持ち物であったエルメスのケリーバッグを開けた。スマホのミラー・アプリで自分自身を映す為だった。
欄馬も同じようにして、自分の=夏美の顔を丹念に観察し始めた。
「やだあ!そんなにじっと見つめないで。恥ずかしー」
夏美が欄馬の顔で顔を赤らめた。欄馬は、
「こら、男言葉!男言葉」
とたしなめた。
「ねえ、欄馬クン。もう夏美って呼んだ方がいいのかな、?その、あたし何歳に見えるの?何故か夏美はそこに妙に食いついてきた。
夏美になった欄馬は、女性に歳を訊くのもなんだか不躾だとは思うのよ、と前置きしてから、
「十八歳。高校は卒業してそうだけど、大学生という感じでもない。微妙な歳に見えるわ。車乗るって言ってたから、十八は超えてるのでしょうけど」
「そんなに老けて見えるか・・・。なんてね。さすが。そのとおり。免許取って間もない十八だよ。病気らしい病気もないから安心してオレの身体、使ってよ」
夏美はサラッと受け流して続けた。
「服装のセンスは まあまあ いいわね。Tシャツもジーンズ・パンツも安っぽくはない」「ちょくちょく上から目線だな」
「ただ、もうちょっと痩せないとね」
「女基準の体重でみないでよ。無理だよ」
と夏美が思い出したように言った。
「でも、お財布の中身が心配ね。やっぱり財布だけはもともとの自分のものを使いましょ。お互いが貯めたお金よ。ひとのを遣うわけにはいかない」
「そうだね」
ふたりは財布の中身を入れ替えた。
「あ、それからあたしの身体だと生理来るけど、それなりに対処しといて。少しはわかるんでしょ?わからなきゃママか誰かに訊いて。初潮たまからわからないの、って言って」
有難う御座いました。




