第六十六章〜食卓へ
書かせていただきました 投稿 いたします。なんとか助けが入り、蘭馬は一次的にせよ窮地を脱することができました。したら同時に彼の初体験の場を諦めたということでありました。それはどのようなしこりとなって影響してくるのでしょうか。お楽しみいただけましたら幸いです。
蘭馬も兄も驚いたのには違いなかった。特に兄は心臓が止まらんばかりという顔ををしていた。蘭馬には助かったのか、という気持ちもあった。しかし、必ずしもそういうわけでもなさそうだった。
「章?居るの?御飯出来たわよ。お食べなさい」
母の声だった。
まさに渡りに船だ━━。
蘭馬は胸を撫でおろす思いだった。邪魔が入ったという思いもないわけではなかったが、そこは本来この身体を使うべき夏美の尊厳を大事にする形にしようと思った。
ん?
蘭馬は気付いた。こ
━━の兄の名前はアキラというのか。ようやく分かったわ。まあ、名前なんかどっちでもいいと言うまでどっちでもいいのだけれど。
小声で言った。
「ねえ、アキラ兄ちゃん。これはもうダメよね。こっちから出ていかないと終いにはママがここに入ってくるよ。さあ、ご飯の支度できたって。行きましょ」
章がはじめに食卓へ向かった。続いて蘭馬がこそこそと後についた。母親には兄の部屋にいたところを見つかりはしなかったようだった。
章と夏美はいつも向かい合って坐るようだった。の手料理はとても美味しかったがら章の 目があるために、どうにも気まずい食卓なのであった。彼の視線を感じるのだ。彼はまだ 夏美の体を諦めてはいないのだろうか?
蘭馬はそそくさと食べ終えてご馳走様てました、をした。
部屋に帰って本物の夏美に連絡を取ってみようと思いついたのだ。今度 襲われても 運良く助けが入るとは限らなかった。それに、夏美と章の関係性を知っておかなければならなかった。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。次も書こうと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。




