第五十三章〜誰?!
書かせていただきました。やはり 体調悪いようですりでも天下 行ってほど電話になってないのですが。お楽しみいただけましたなら幸いです。
蘭馬は迷いに迷った。こんな時にひとは、呆気に取られすぎて何も言えなくなってしまうものなのだと彼は初めて知った。街なかで突然、河童に出会ってしまったような気分だった。
ドアは少し開いただけだったようだ。男の体が1/5 ほど見え隠れしている。スーツ姿の背の高い男のようだった。残りの4/5は、バスルームのドアの磨りガラスの向こうでシルエットになっている。
「よお。一日ぶりだな」
男が静かに声をバスルームに滑り込ませてきた。
「は?」
蘭馬には何のことなのかさっぱりわからない。
「な…、な、な…、なんのこと?」
━━誰だこいつは?ただの覗き魔の一種か?それとも…。
夏美には、密かにそういう関係の男の影があったのだとか?
最後のパターンが一番辛辣だと思った。悔しいし。
さて、誰だこいつは?蘭馬は何度もそう思った。
「もうオレでは嫌か?飽きられてしまったということかな?」
そんな、とんでもワードまで出てきた。
ど…
どうしよう?夏美はこの男と体の関係でもあったということなのか?そんな女だったのか?何か、裏切られた気分だった
大声でママを呼ぶべきなのだろうか?それは最適解 のような気もした。だが、同時にそれは危険なような気もした。ドアの向こうの 男が、それをきっかけに豹変して自棄を起こして襲ってこないとも限らないのだ。やはり彼には何もできなかった。小心者の自分を呪いたかった。ここは、夏美の身体を守らなくてはならないところなのに。勇気を振り絞らなきゃなさそうだった。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました よろしくお願い申し上げます。




