第四十二章〜入室したはいいけれど
書かせていただきました。いよいよ蘭馬は、夏美の自宅までたどり着きました。昨日 去ってまた一段と ハラハラドキドキの展開が続くかもしれません。よろしくお願い申し上げます。
『あら、夏美。早かったじゃない。今日はおデートだって言って、 ウキウキしながら出て行ったんじゃなかったの?』
逆に訊かれてしまった。デート?なんだ、彼女はそんなふうに考えていたということか。
「う…うん。そ、そうなんだけどさ」
『喧嘩別れでもしたのかしら?』
「そんなんじゃないわ」
そう。もっとヤバいこと…。
鍵は開かれた。彼は エントランスからエレベーターホールへと向かった。向かうは、802号室であった。高所恐怖症の彼にはやはり 苦手な高さなのかもしれなかった。でも、それにしても考えてみれば家の構造も知らなければどの部屋が夏美の部屋なのかもわからない。どううまく言えばそういう情報を聞き出せるのであろうか?考え悩みながら802号室を目指した。
エレベーターホールから続く 共用部の廊下は 細く長かった。なんかには港区の景色が一望にできた。インターホンを押すとすぐに50ほどに見える黒いワンピースに水玉模様のエプロンをつけた黒髪のやや長い女性が顔を出した。身長は、蘭馬の宿った夏美より、10センチ程は低いようだった。
「さあ、何立ち尽くしているの?お入りなさい。今日のお夕は餃子よ。あなた餃子好きでしょ?」
「あ…う、うん」
蘭馬は中途半端な返事をした。母親の後をついていくと、廊下の左側にキッチンがあり、その先にリビングダイニングらしき部屋があるようだった。蘭馬は、着ているタンクトップから乳房がハミ出るのを気にしながらリビングに向かった。
━━そういえば 腹が減ったな。昼間も禄に食べれなかったからな。まあ、餃子は僕も好きだ。楽しみだ。
などと思いながら、リビングに入ったが、そこでまた困ってしまった。どこに座ればいいかわからない。彼女の自宅での定位置はどこなのだ?一般的には一番奥には目上の人が座るハズだ。ならば次は?
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




