第三十章〜駆け引き?
こんばんは。書かせていただきました。海賊 投稿をお許しくださいませ。読みになっていただけましたら とても幸いです。自分も 読者になったつもりで確認しようと思います。、
夏美と欄馬は、向かい合う形で席に着いていた。
2人の乗ったキャビンがゆっくり上昇していくと、しばらく無言が続いた。どちらからも話題を振るというようなこともなく、欄馬などは、軽く俯いてしまうという始末であった。
キャビン内に気まずい空気が漂った。欄馬にはその原因が何なのかわからないが、夏美にはわかっているようだった。夏美が最初に口を開いた。キャビンが1/3 ほど上がったところであった。
━━今日は、あたしの目を見てくれないのかな。寂しいわ
──いや。そんなことはないよ。ちょっと恥ずかしくてさ。
━━嘘。何か後ろ暗いことがあるのでしょう?わかるよ
──震えているの?
━━ちょっと肌寒くて
──嘘。シャツが、汗で濡れてるわ
彼にとっては地獄のような時間だった。つかされている。もう僕の気持ちはバレているのだろうか?僕は演技が下手だったのだろうか。
「ねえ」
突然、流し目とともに声を出したのは夏美。欄馬は、心臓が止まりそうになった。
「今日の朝さ。あたし、あなたが車で迎えに来てくれるものだとばかり、思っていたんだ」
「そ、そうなんだ。、車が急に故障してしまってさ。あえなく電車で行くことにしかできななったんだ。ごめんね」
「謝る必要はない。今日はありがとう。でね、何でかと思ってさ」
だから故障・・・。
「嘘!」
夏美がピシャリと言った。彼女は顔を上げた。欄馬の目を見詰めた。彼が上気したように顔を赤くしていた。
──万事休す、か?
欄馬は、目を閉じた。彼女が続ける。
「きっと何か理由があると思うのよ。当ててあげようか?」
彼女は薄く笑っている。
「信じては貰えないようだね」
欄馬は諦めたように ため息をついた。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。次回もどえぞお楽しみに。




