第十五章〜職務質問
書く速度を上げていこうと思います。使徒頼みいただけましたら幸いなのですけど。どうか斧読みになってあげてくださいませ。またいれかわりがはつせいいたしました。
怒号を発しながらこちらに猛スピードで駆けてくる者があった。それも一人ではない。二人のようだ。その内の一人は、何やら帽子を被っていて、その象徴的な帽子によってそれが警察官であることが知れた。もうひとりは、おそらく公園を管理する為に雇われている管理者だと思われた。
彼らの足は恐ろしく速く、再び入れ替わった欄馬たち三人に追いつくのも時間の問題だろうと思われた。
実際、警官たちによる怒号は、あっという間にすぐ背中にまで迫ってきていた。
「こら!何故逃げるか?逃げるということは何かやましいことでもあるのだろう?」
とくに欄馬は、ヤバいと危機を感じていた。こういった場合やはり警官に真っ先に目をつけられるのは一番強そうな奴だと相場が決まっている。実際巨漢が欄馬たちに跳びつくのをみられてしまっているとするなら、巨漢男となった欄馬には、言い逃れはできまい。
と。予想通り、欄馬は警官に追いつかれ、手首をぎゅっとつかまれてしまった。
「な、なにを」
「観念しろ。もう逃げられないぞ。往生際の悪いのは良くない。本官は、江田川克典である。君らは何故逃げた?怪しい奴らめ」
反射的にか、欄馬のひ弱そうな身体になった巨漢男がイキった。
「そらあ。あんたが追ってきたからに決まってるだろ」
巨漢男も夏実も欄馬を置いて逃げてしまおうとは思わなかったようだ。それもそうだろう。巨漢男は、独りだけ逃げても欄馬から身体を返してもらうチャンスがなくなってしまうだけなのだ。
江田川は警察手帳を掲げてみせた。この男の警察署内での階級は、警部ということらしかった。
彼は名前を言え、身分を証明できるモノはあるか?としきりに訊いてきた。 公園の管理者らしき中年の痩せた男はただ、江田川の言葉にうんうん、と頷いているだけであった。
欄馬は、この場でまた入れ替わりが起きるのを心配した。夏美と入れ替われるのならいいが、この管理人だけはイヤだ!生理的にそう感じたのだ。
「わかりました。お見せします」
身体と心とが一致している状態の夏美には余裕があるのか、素直にケリーバッグから何かを取り出した。学生証のようだ。そうか、夏美は大学生なのか、と、やっと知れた。そういえば、喫茶店で結局最期まで年齢をきけなかったっけな。欄馬は思った。
警官たちは満足そうにそれを確認していた、
──さて。困ったな。今の俺は、俺じゃない。この名も知れぬどこかの男なのだ。第一印象では30歳前後だったかな。ヤクザとか刑務所の脱走犯とかでなければいいんだがな。
欄馬は案じた。──そういえばまだこいつの名前すら聞いてなかったな。
案じた。
「お名前をお聞かせいただけませんかの?」
管理人が言った。
しかし、巨漢男の持ち物から免許証や何かを探し出さなければ名前すら知りようがなかった。
しかし、持ち物は入れ替わらないのだから、今は欄馬の身体の巨漢男から取り戻さなければならなかった。
「俺のバッグ、返してよ」
俺のといっても、巨漢のなのだが、バッグを取り戻そうとした。
ところが。
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