第百三十章〜逃走
書かせていただきました 投稿させていただきます。なんとなく書きにくいような 書きやすいような場面です。逃走劇の始まりでしょうか?お読みになっていただけましたら幸いです
蘭馬ほ、周りの群衆の聞く耳が恐ろしくなって通話を切った。周囲には 学生たちが道を急ぐ列ができていた。
もう二時限目が始まろうという時刻であった。
蘭馬は立ち止まって通話していたので邪魔者扱いされているような目で見られていた。歩を速めた。が、自分が周囲の皆の視線を集めているような気がして凄く居心地が悪かった。
と。最悪の事態が起きた。
「あいつだあいつ。あの女!何処かで見たような気がしたんだ。な?言った通りだろう?」
男の声がした。それがどこの男だかわからなかったけれど。そして、一瞬にして群衆 達の騒ぎに火がついた。
あ、ほんとだ。写真で見たのと同じ顔だぞ!
お、本館の方へ向かっているようだぞ。
逃げるぞ!追え!
誰かマスコミにタレコメよ。
いま、やってる!
蘭馬は、それらの怒号が自分に向けられているのを悟った。これは危険だ。ここにいては危険だ。逃げよう。それしかない━━。
蘭馬は、全力で走り出した。本館と逆の方向へ。エントランスの方向へ。
ピンヒールのままでは走れないと気づき、何の躊躇もなく 脱ぎ捨てた。クリスチャンルブタンの真っ赤なソールのお気に入りだったが、惜しいとは思わなかった。この場にいては命まで危ない、そんな風に思えたのだ。
走った。後ろを1度も振り返らなかった。
学生たちが 働き蟻の行列のようについてきていた。路線バスがバス停に近づいてくるのが見えた。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




