第百二十三章〜捜査本部。森下警部補
遅くなりました。スマホが動作しなくなり故障かと思ってショップに行っておりました。再開いたします。本部の情景 です。よろしくお読みになっていただけましたら幸いです。
警視庁新宿所に設置された特別捜査本部では、沢山の警官、刑事が動き回っていた。外回りの捜査員は指示を仰いでは慌てたように出て行くし、逆に汗だくになりながら帰ってくる捜査員もいた。
森下警部補は、パイプ椅子に窮屈そうに腰掛けていた。
「何か進展はあったのかね。進捗状況を報告せよ」
手近にいた私服刑事に訊き、そして命じた。
「はっ」
知命の齢を超えていそうな髪の薄い警官が敬礼をした。谷松巡査部長。手柄を持ち帰ったぞ というような、どこか誇らしげな顔をしていた。
森下は 敬礼を仕返し、先を促した。
「新宿駅東口にて、最初の転落の目撃があったのと同一の日付にございます。時刻的にもほぼ同時刻と思われます。防犯カメラからの映像です」
言い終えると同時に谷松はプロジェクターを起動させた。スクリーンに画像が映し出される。寝室の照明は、警護役の若い巡査によって、消されていた。
スクランブル交差点 らしきが見えた。少し上からのアングルだ。大手のメガバンクの建物も見える。そこに歩行者の波が押し寄せてくるようだった。
森下にはすぐにわかった。新宿通りの駅東口すぐのところにある交差点だ。
「ご覧になってください」
「うむ」
森下は小さく頷いた。だが、これだけの情報で何がわかるわけではないのも分かっていた。
谷松がプロジェクターを操作した。
「この次であります」
画面が切り替わった。今度は 何やら巨大な建物に沿って 画角が調整されたようなアングルだった。大型店舗のエントランスに沿うように設置された防犯カメラのように思えた。
「伊勢丹新宿店だ」
森下はぴしよゃりと当ててみせた。
「その通りであります。しかし、ご覧ください」
しばらくして、画面左から、若く見える薄着の女性と同年代くらいに見える男性が走り出てきた。女性の方は バッグらしき物を肩を回すようにしてブンブン振り回していた。ふたりは知人同士なのに見えた。
すると、その2人のすぐ後ろから、肥満体のやはり 同年代に見える 大柄な男が、走り出してきた。どうやら 2人を追っているようだ。
彼らはどんどん 走っていき、新宿通りと交わる交差点を青信号で渡っていった。その方向には新宿御苑があるはずだった。
「階段から転落したした男女と この追いかけられている2人が同一人物であるという証拠は未だありません。しかし、時系列的に言うと、その経路も矛盾なく説明できるのであります」
━━成る程。
森下は大いに納得し、感心した。
「その線で調べを進めてくれ」
森下警部補ははっきりとした口調でそう告げた。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




