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入れ替わり  作者: 孑孑(ぼうふら)
11/34

第十章〜反撃

引き続き改訂、加筆修正しております。終了次第、新章へと進みます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

「おや、お連れさんかい?」

声はそう聞こえた。男が、夏美の方へ一歩、歩み寄った。

夏美が身構えるのが、欄馬にもわかった。

「お?やるかい?」

男がわらった。

男は腹の出た巨漢で、歳の頃は欄馬より少し上に見えた。白いTシャツに黒のスウェット・パンツというラフなスタイルであった。

「おや、連れの男、目つき悪いな。格好かっこうつけてんのか?女を守ろうってか?」

男は知りもせずにそんなことを言って嗤い、さらに欄馬に近づいた。

「やめときなよ」

欄馬が威嚇した。

だが、今の欄馬の身体は、いかにもか弱そうな夏美のものだ。それを傷つけないためにも手荒な真似はできないし、第一もともとの欄馬には喧嘩の経験もなく、勝てる自信はまったくないのだった。

「おやめなさい」

欄馬の身体の夏美も凄んでみせた。

が、こちらもからっきし自信はない。

巨漢男が嗤った。

「なんだ、コイツ。女みてーな喋り方しやがって。腰も引けてるぜ。本当にやる気なのかよ?」

巨漢が夏美の胸倉むなぐらつかんだ。

「ひとを舐めてるとロクな目に遭わねえぞ」

巨漢が拳を振り上げようとしたその時、であった。

━━ぐばん

大きな音がして、通行人の何人かが、振り返った。巨漢男と夏美の間に欄馬が割って入っていた。

欄馬が、手にしていたケリーバッグを巨漢の上から思い切り振り下ろしたようだ。

「いてぇっ!なにしやがる」

「さすがブランド・バッグ。頑丈がんじょうに造られているようだね。ちっとも壊れないわ」

今度は欄馬が笑った。

「いくよ」

欄馬は、夏美の腕を掴んだ。

「さあ!走って!」

御読みになっていただきまして誠にありがとうございました。

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