第百五章〜お出掛け
車が空いてしまいました。任せていただきました。いよいよ 行動派になった蘭馬の行き先は?お楽しみの始まりかもしれません。よろしくおやめになっていただけましたら幸いです。
今日の洋服選びから朝の活動を開始した。どういったお金の稼ぎ方をして買ったのかは知らないが、夏美の持つ服は大量であった。よりどりみどり過ぎてどれを選べばいいのかわからない。ちゃんとチョイスしてイメージ通りに着こなしているのだろうか。
30分くらい悩んだ末に、オニール・オブ・ダブリンのキルト・チェックスカートを選んだ。伝統的なフレンチスタイルが好きだった。トップスは、同じブランドのフリル袖のリネン・ブラウスにした。腕時計をCoachに。バッグはいつものエルメスでピンヒールは、ジミーチュウ、ハンカチはジルスチュアートの刺繍をあしらったもの、それから…。
蘭馬は、夏美の拘り様に感服するしかなかった。勝手に使って大丈夫なのだろうか?
━━まあいいや。どうとでもなろう。というのが結論だった。洋服が素晴らしすぎて、未来への不安など消し飛んでしまう感じだ。
蘭馬は、電車で渋谷に向かった。ファッションセンスでは、女子高生にも負けていないという自信もあった。ハチ公口から、忠犬ハチ公の像の前で落ち着いた。ここも相変わらず人でいっぱいであった。
一人 寂しげにパイプベンチに腰かけた。
物憂げな顔で…。
すぐに声が掛かった。
「ねえ。彼女。どうしたの冴えない顔して。なんかあったん?」
ごく普通の学生風の男だったが、蘭馬の好みには合っていた。話してみることにした。
「待ち合わせしたんだけど、相手が来ないんです。ドタキャンみたい……」
寂し気に言うと、すぐに、
「そうなんだ 可哀想に。ねえ。俺とお茶でも飲まない?」
明朗活発そうな男であった。基本、どの男も最終的には エッチ目当てなんだろうけど、今日の蘭馬には、それでもいいと思えた。
道玄坂方面に向けて、2人は歩き出した。ジミーチュウのピンヒールの踵がコツコツと高い音を立てた。彼の脚は、速かった。
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お読みになっていただきまして誠にありがとうございました。




