第百三章〜どっちが大事?
おはようございます。朝も早から投稿いたします。ストーリーはこのこれから展開していきます。お楽しみいただけましたら幸いです。蘭馬は二度と入れ替わりはしたくないのです。
「私がどうやって学内で顔を売ってきたと思う?わたしが築いたコネクションよ。大事なものなのよ」
唐突な質問。
━━顔を売るだって?いや、心あたりがないわけではないが…。顔というか身体というか…。
━━いや、俺は彼女の名誉は守り抜いた筈だ。言われる筋合いはないぞ。
確かに、見ず知らずの男子学生から声をかけられる割合は、かなり高かったように思う。それは顔を売りまくった結果なのだろうか━━。いや、顔ではなく身体か?
言っちゃなんだが、派手な生活をしているのは、夏美の方なのではないか?そんな風にも思えた。
「もう、赦すとか赦さないとかじゃなく、この入れ替わりは解消しましょう」
夏美がきっぱりと言った。だがそれは、蘭馬が一番聞きたくないセリフだった。それでも冷静に話す。
「でもさ。夏美ちゃん?あの時と同じように もう1回 入れ替わりが起きるって 保証できる?」
「え…。そ、それは…
」
夏美の口が止まった。
「冷静に考えてさ。その保証はないんだ。俺たちは入れ替わるのにどれだけの位置エネルギーが必要だった?そんな高さから転げ落ちてもし入れ替わりが起きなかったらどうなると思う?大怪我をするで。ヘタををすれば命を失うことにならないとも限らないんだ。君は 入れ替わりを元に戻すのと命、どっちが大切だと思う?」
夏美は黙ってしまった。蘭馬は置かれたコーヒーに口をつけた。
「危険だと思うんだ。今度の入れ替わりは」
「お金は命なのよ。それより大切なものなどないわ」
━━そうか…。君はそういう考え なんだな。
「エルメスやディオールやグッチやヴィトンはそんなに大事なものなのか?」
黙って夏美は蘭馬を見つめていた。
ふたりは重い空気の中にいた。
お読みになっていただきまして誠にありがとうございました,次も書かせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げますり




