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ドグマ教

 次の日の朝。リルはロフトで目覚めた。


(ここは? あ。そうか。昨日ここに泊まれせて貰ったんだ)


 部屋の隅に、ゲートが浮かび、その横でドラゴンが寝ている。


(凄い光景……。起こさないようにしないと)


 リルは、なるべく音を出さないように階段を降りた。


「あ。リルちゃんおはよう! すぐに朝ご飯用意するね。」

「ブツブツ……」


 豆田は腕を組みながら、リビングをウロウロしている。


「え? シュガーさん。まさか」

「ふふ。昨日の夜から、ずっと考えているみたい」


 シュガーは呆れながら笑った。


「豆田さん。ありがとうございます」


 リルは豆田に話しかけるが聞いてない。


「リルちゃん。朝ご飯どうぞー」

「あ、ありがとうございます」

「豆田まめおも食べる??」


 豆田は、全く聞こえていないようだ。


(豆田まめおは、朝ご飯無理ね)

「リルちゃん。昨日豆田が淹れたコーヒーをゼリーにしているから、食後のデザートに食べてね」


 その声に、豆田が急に反応する。


「そうか! コーヒーゼリー!!」


 豆田は急いで冷蔵庫を開ける。そしてコーヒーゼリーを取り出す。


「なるほど!」


『ガチャガチャ』


 豆田は慌ててコーヒーを淹れはじめる。

 シュガー達は、それを放置し食事を始める。


「ん! 凄く美味しいです。このメロンパン最高です!!」

「でしょ?! 最高の『こだわリスト』が作っているパンだから、凄く格別なの!!」


 コーヒーを淹れ終えた豆田は、コーヒーカップを持ち上げ、


「コーヒーシールド」


 と、急に叫んだ。膜状のシールドが展開する。


「え! 急にどうしたんですか?」


 リルはシュガーの方を見る。


「ああ。実験しているみたいね」

「実験?」

「皆さんを傷つけない方法が閃いたんじゃないかな?」


 豆田はコーヒーシールドを左手に構えたまま。

 右手にコーヒーゼリーを持つ、そして、


「コーヒーゼリーランス!!!」


 ゼリーがニョキニョキ伸び、ランス状になった。


「で、できたぞ!!!」

「豆田まめお! すごいわ!」

「シュガーさん。何がですか?」

「コーヒーとコーヒーゼリーの両方を同時に使っているわ!!」

「はぁ……。凄いんですか??」


 リルは蚊帳の外。シュガーと豆田で盛り上がる。


「これは戦略が広がるぞ! 何とかなるかもしれない」


 興奮していた豆田は、急に動きを止めた。


「……」

「え? 豆田まめお! どうしたの?」


「シュガー!!」

「大丈夫?」

「寝る!!」

「あ……。急に睡魔がきたのね」


 豆田は、コーヒーシールドとコーヒーゼリーランスを持ったまま。ソファに倒れこむ。

 そして、一瞬のうちに寝てしまった。


「シュガーさん。豆田さん。大丈夫です?」

「ん? 大丈夫! ちょっと寝たら大丈夫だと思うわ」

「あ、そうじゃなくて、頼りにして大丈夫ですか?」

「ふふ。大丈夫よ! 豆田はバカだけど天才だから!」

「?」


 リルは、良く分からないが、微笑んで胡麻化した。


ーーーー


 豆田が眠りに入って、1時間が過ぎた。リルは時間が気になる様子。


(お姉ちゃんは、まだ大丈夫かな)

「シュガーさん。いつ助けに行けます?」


 シュガーは朝ご飯の片づけを終えたところ。


「そうね。もうすぐじゃないかしら? あ、言ってるソバから。ほら」


『キーー。パタパタパタパタ』


 ポロッポが玄関から現れた。


「豆田様。白紫のフードのヒトを発見しましたよ!!」

「なに? ポロッポ! でかした!」

(え? いつ起きたの?)


 急に動いた豆田にリルは、驚いた。


「駅と反対方向に2すじ行った所にあるアイス屋さんの前です!」

「良し! 早速向かうか! ポチも行くぞ!」

『グイーー!!』


 豆田は、コーヒーを淹れると、すぐに玄関から飛び出した。左手にコーヒー。右手にコーヒーゼリー。早歩きでも、かなり遅い。


 シュガーは豆田の後ろから付いて行く。が、必死に笑いを堪えてる。


(シュガー。笑っちゃだめよ。でも真剣な顔して、コーヒーとコーヒーゼリーって)


----


 『エスタ通り』のアイス屋さんの前で、白と紫のフードをつけた2人組が誰かを探していた。豆田達は、少し離れた位置からその様子を確認する。


「白と紫のフード。奴らだな。ポロッポ。良くやった」

「任せて下さい! 私にかかれば簡単なものです」

「あ、動くぞ!」


 もっと褒め称えてほしいポロッポを無視して、豆田は尾行を開始する。


 エスタ通りを曲がり路地に入った瞬間、豆田は一気に距離を詰める。


「コーヒー銃!!」


 コーヒーカップから浮かんだ『こだわりエネルギー』は、形状を変え銃になった。右手に収まった銃の引き金を豆田は素早く引く。発射された2発の弾丸は、2人組の頭部にめり込んだ。頭を激しく揺らされた2人組は気を失い倒れる。


「暴れられたら面倒だ。とりあえず縛っとくか!」


 豆田は持参したカラーテープで2人組を可愛くラッピングする。


「じゃ。そろそろ起きて貰おうか」


 豆田はドグマ教信者であろう2人の頬をペチペチと叩いた。2人は目を覚ます。


「な、誰だ? 何をする?」

「うわ! 動けない!」


 拘束されたことに気付いた2人は、動揺する。豆田はコーヒー銃の2人に突きつけながら質問をする。


「君たちの施設はどこだ?」

「なんだ? 敵対する組織か? 言うわけないだろ!!」

「そうか、仕方ない。シュガー」


 シュガーは、無言のまま2人に何か塗った。


「何をする?!」

「しゃべらないと、アリの餌食になるぞ?」

「ま、まさか!」

「そう。砂糖だ!!」

「やめてくれー! 言う言うから!!」


(こんな事で簡単に話すんだ)


 と、シュガーは思った。


「南、南の森の中だ!!」

「そうか! よし。いくぞ!」


 豆田たちは白と紫のフードの二人を放置し、その場を離れる。


「おい! 拘束を解いてくれ! アリ、アリがー!」


 2人組の悲鳴がエスタ通りに響いた。

ご覧いただきありがとうございます!


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新頻度あがります!


どうぞよろしくお願いいたします!


――――――――

人物紹介


・『豆田まめお』 

主人公。探偵。コーヒーの『こだわリスト』

コーヒーから『こだわりエネルギー』を抜き出し、自在に操る能力者。

コーヒー銃。コーヒーソード。コーヒー鍼。などを使う。中折れ帽子にシャツ姿。わがままで癖が強い。


・『シュガー』

ヒロイン。ココア色のロングヘアー。

世界を救うために、アルテミス国軍から脱走する。

『純人』。豆田まめおのアシスタント。純粋。


・『クロス』   

豆田の幼馴染。刑事。

箱の『こだわリスト』。金髪ショートボブの好青年。

天然ボケ。


・『ポロッポ』

ハト。王様に使える伝書鳩。

鳴き声の『こだわリスト』で、人の言葉も話せる。


用語説明


・『こだわリスト』

こだわることで不思議な能力を手に入れた人々。

戦闘に特化したタイプや、道具に不思議な能力を付ける職人タイプがいる。


・『純人』

純粋な心で物事をみる人々。

職人タイプの『こだわリスト』が作る道具を何でも扱える。


・『異界の者』

違う世界から現れたと言われる人々。

『こだわリスト』と『純人』にしかその姿は見えない。

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