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コーヒー使い豆田のこだわりが世界を救うまで  作者: TKカフェ
第2章 タヌキおやじからの依頼
45/75

突入!アギト支部

 戦闘員達の怒涛の攻撃を乗り越え、工場内部に侵入した豆田は、状況の把握に務める。


(侵入できた者は、私とシュガーにクロス。そしてクロスの部下が5名。ついでにポロッポか。少ないな)


 工場の中は外と打って変わり、静寂に包まれていた。 体育館のようなだだっ広い空間に、パイプのようなものが沢山ついた機械が一つとベルトコンベヤーが2本。ライトは消えていて、高い位置にある複数の窓から、光が差し込む。


 機械の裏から、2人の女が現れた。

 一人は青い髪。もう一人は黒いロングヘアだ。


「あなた達は、誰かな? ダリ、知ってる?」


 黒髪が青い髪の女に問う。


「ギミ。私は知らないわ! ここをアギトの支部と知って、やって来てるのかな?」


 クロスは両手で拳銃を構える。


「警察だ! 抵抗をやめて、投降しろ!」


 2人は顔を見合わせて大笑い。


「はは!! わたし達に言ってるの? あなた達みたいなゴミムシが!」

「ダリ! もう。お下品なんだから」

「とりあえず、死んでしまえ!!」

「もう、仕方ないわね。そこのあなた。死んでね」

 

 そう言うと、ギミとダリの体が形状を変える。

 黒髪ギミの体は、手足は長細く伸び、先端は鎌のような形状に。

 青髪ダリの体からは、煙のようなものが溢れでる。


「みんな! この敵は『こだわリスト』だ! 気を付けて!」


 その言葉が終わるより早く敵は動きだした。


「ぐわっ」


 部下の一人があっという間に腕を切り裂かれる。


「あれれー。凄く弱いよ!」


 ギミは腕のカマに付いた血を舐めながら嘲笑う。


「クロス! こいつは蜘蛛だ」

「へー。凄い凄い。もう分かったの? 帽子くん。ご褒美に先に殺してあげるね」


 ギリは地面を蹴り跳躍する。


「コーヒーソードセカンド!!」


 コーヒーカップから『こだわりのエネルギー』が黒い液体となり一気にあふれ出す。


 豆田は右手を液体に突っ込み。居合の構え。

 加速したギミのカマは真っすぐに豆田の首を狙って振りかぶる。


(隙だらけだ! 死ね!)


 ギミの顔に笑みがこぼれる。


 ギミが真っすぐに振り下ろしたカマに豆田の放った黒刀一閃が光り、ギミの右腕が空に飛ぶ。


 全く予想していなかった反撃にギミは困惑。そして、それと同時に激しい痛みが襲った。


『この場にいてはいけない。』


 と、ギミの本能が警報を鳴らす。

 腕を押さえつつ一気に背後に跳躍して逃げ、ダリの横に並んだ。


 豆田は、黒光りするコーヒーソードを構える。


「くそ! あの帽子は『こだわリスト』だ」

「ギミ。大変。とりあえず止血するね」


 ダリの身体から煙が浮遊し、ギミの腕に巻き付く。


「油断したわ。アイツは強い。本気で行くしかないわね」

「ええ。そのようね。まずは敵を減らすわ!!」


 ダリの身体から大量の煙が放出される。みるみるうちに視界が白くなった。


「まめっち。しまった! 視界がドンドン奪われる!」

「クロス。同士討ちに気を付けろ!!」


(ダメだ。視界が全く見えない。まめっちの言うように下手に撃つと皆にあったってしまう。迂闊に動けないぞ。とりあえず敵は霧に乗じて攻撃してくるはず。気配に集中しないと)


 クロスは拳銃を構え直す。その直後右側の空気が揺らぐ。クロスはその揺らぎを捕え、ギミのカマを紙一重でかわした。


(よし。避けられないことはないぞ)


「ギミ!! 強い奴は置いといて、まずは数を減らすのよ!」

「ダリ! 分かったわ! もっと雲を濃くして!」


 ギミはクロスに執着せず、次のターゲットを探す。 辺りはさらに白い煙で満たされていった。


「ぎゃー!」「くそ!!」


 クロスの部下たちの悲鳴が次々に聞こえてくる。


「くっ。視界が悪すぎて、うかつにコーヒー銃を使えないぞ」

「豆田まめお。何か良い方法はないの?」

「くそ。相手の場所され分かれば」

「豆田さん。クウちゃんにお願いしましょうか?」


 豆田は、耳元で囁くポロッポの言葉を無視した。


(コーヒー銃の威力を落として、打つか? いや、こちらの場所を教えるようなもんだ)


「おーい。豆田さん!」


 ポロッポは豆田の耳を引っ張るが豆田は無視する。


(相手は、どうやって私たちの居場所が分かっている?)

「豆田さん!! もう勝手にクウちゃんを呼びますね!」


 豆田はポロッポの声を聴く余裕は全くない。


(ん? そう言えば、私たちが襲われた時から数分経つのに、なぜ私の前には現れない?)


 豆田はコーヒー銃の弾丸を宙に浮かせたまま、考え込む。


『ポロポロポー』


 ポロッポは大きな声で鳴いているが、誰もが戦闘に集中していて気にしない。


(そうか!)

「クロス! 奴らは、霧の動きをセンサーにして、こちらの場所を察知している! 動かなければ見つからない!」

(まめっち!! 了解!)


 クロスは、静止したまま心の中で頷く。


「ダリ! もう気付いた奴がいるぞ! きっと私の腕を落とした帽子の奴だ! どこだ!」

「ギミ。落ち着いて、敵が動かなくても、わたしたちが動いて見つければいいだけよ」

「はは!! そうだな! では、行くぞ! じわじわ苦しみながら死になさい!!」


 先ほどまでより攻撃の頻度は減ったが、確実にこちらの戦力が削られる。

 時折、クロスの部下たちの悲鳴が聞こえる。


「くそ。何か打開策はないか?」


 豆田は眉間にシワを寄せながら、打開策を探し続ける。

 

「豆田さん。お待たせしました」


 豆田の肩にとまっているポロッポは、丁寧に話しかけた。


「ん? ポロッポ。なんのことだ?」

「豆田さん。クウちゃん来ましたよ」

「クウちゃん?」

「はい。フクロウのクウちゃんです。あそこの窓のところに居ます」

「ポロッポ。どういうことだ?」

「豆田さん全く話を聞いてませんでしたねー。良いですか? 簡潔に言いますよ! フクロウは音で獲物を発見するんです」


 豆田は一瞬思考が停止した。


「そうか!! ポロッポ! フクロウなら、敵を発見できる!」

「そうですよ。豆田さん」

「ポロッポ! フクロウをここに呼んでくれ! 敵のいる場所が知りたい。最速の弾丸を敵に打ち込む。この雲を晴らすぞ!!」


『ポロポポポ』『クルルルル』


 ポロッポの鳴き声にフクロウが答える。


「通訳完了です。了解しました。」

「コーヒー銃セカンド!」


 そう豆田が叫ぶと、コーヒーカップから『こだわりエネルギー』が浮かび上がる。直径50センチの球体は、無数に分裂すると、拳銃と弾丸にその姿を変えた。

 黒光りする拳銃は豆田の右手に収まり、弾丸は自動的に装填された。残った弾丸はコーヒーカップの周りを浮遊する。


 シュガーは、その光景を固唾を呑んで見守る。

 

「クロス!! BOX2を開け!! 少しの時間でいい。隙を作ってくれ!」

(まめっち。BOX2だって? あれを本当に使うの? この状態で? もうどうなっても知らないよ!!)

「BOX2!! オープン!!」


 クロスの手の平にBOXが現れる。そして、


***

 

 時は決戦前日の豆田探偵事務所にさかのぼる。


「まめっち。BOXの中身はどうしようか?」

「そうだな。BOX1は、この豆田ブレンド【近接戦闘用】を入れてくれ。今淹れたての熱々コーヒーだ」

「了解。BOX2は、どうする?」

「そうだなー。敵の数が読めないからな」

「クロスさん、こんなのはどう?」

「んー。シュガー。その奇妙な物体はなんだ?」


 シュガーは、赤い抱き枕のような物を持っている。

「分からないの? クロスさん人形よ」

「シュガーちゃん。斬新のデザインだね」

「シュガー。少なくとも人形には見えない」

「えー。頑張って作ったのに」


 シュガーは一気に涙目になった。


「シュガーちゃん。素晴らしいよ。ぜひBOX2に入れるようにするよ」


 シュガーの涙目に焦ったクロスは、思わずそう口走ってしまった。


「クロス。これをどう使うんだ?」


 空気の読めない豆田は、クロスに質問をぶつける。


「まめっち! 僕に考えがあるから大丈夫だよ。ありがとう。シュガーちゃん!」

「使えそうで、良かったわ! 豆田まめおには、この素晴らしさが分からないのよ」

「んー。二人がそう言うなら、入れてみよう。じゃー。BOX3だが……」


***


 ギミは真っ白な視界の中をゆっくりと歩いていた。


(奴らが動きを止めてからは、短調なもんだ。のんびり歩いて出会った奴を切るだけ。ダリは雲の力で上昇気流を起こして天井まで上がっているし、下には敵しかいない。この調子でいけば、帽子の奴と、はじめの警官っぽい奴以外は、簡単に始末できるな。)


 ギミはたまに視界に入る兵士達を淡々と切り捨てていく。


(帽子の奴には、しっかり復讐してやらないと)


 ギミの目前に人影がみえた。歩みを止め、大きくカマを振りかぶり、切り付けようとしたその瞬間。


「BOX2。オープン!!」


 クロスの声が大きく響く。

 その声がする方の雲が動いた。


「ギミ。そこから左に20度。敵が動いたわ!」


 ギミが作り出した連絡用の蜘蛛の糸を振動させ、ダリが敵の位置を知らせる。


「フハッ! 我慢できないで動いた奴がいるんだね!! 今行くよ!!」


 ギミは地面を蹴り跳躍し、真っすぐそのターゲットの喉元を狙った。


『グサッ!!』

「やった!!」


 ギミの手には、しっかりとした手応えがあった。

 

 ニヤリと笑みを溢したギミの視界に現れたのは、シュガーお手製のクロス人形だった。


(なに? 人じゃ……ない?)


 その躊躇った隙をクロスは逃がさない。発砲音と共に、ギミが悲鳴を上げる。


「ギミ!! やられたの?」


 堪らずダリは叫び声をあげてしまった。


「クロス! でかした!」

「豆田さん。くーちゃん来ました!」


 この混乱に乗じて、フクロウは一気に豆田の元にやってきた。早速フクロウは、ダリの叫び声からその位置を割り出す。


「よし! 敵の位置を!」


 豆田は引き金にそえた指先に全神経を集中する。


『クルルル』

「豆田さん!」


 ポロッポはフクロウの言葉を通訳し始める。


「敵は上方5メートル。右に35度。距離35メートル! タイミング行きます! 5.4.3.2.1.0!!」


 豆田は、そのタイミングに合わせ引き金を素早く引いた。弾丸は霧を引き裂き、ダリに向かって走る。


『パスン』


 ダリの右脚を弾丸が貫通する。


「カハッ」


 ダリは堪らず、天井から落下する。

 

「豆田さん! ターゲット落下。右に32度」


 豆田はその言葉が終わるより速く次弾を打ち込んだ。

 ダリの大きな悲鳴が聞こえる。


「ダリ!! 何?! どうした?」


 混乱するギミ。

 ダリが作り出した雲は消え、窓からの光が差し込む。


「え? 嘘!! 嘘よ!! ダリ!! よくもダリを!!」


 うずくまるダリのその惨状をみたギミは怒りで震えあがる。


 ギミは全身に力を込め、大声で叫ぶ。『こだわりエネルギー』が身体中からあふれ出て、ギミの身体を包む。


「貴様ら、タダじゃおかないぞ!」


 ギミを包んだ『こだわりエネルギー』は、その体を4本足の大蜘蛛に変えていった。

ご覧いただきありがとうございます!


「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新頻度あがります!


どうぞよろしくお願いいたします!


――――――――

人物紹介


・『豆田まめお』 

主人公。探偵。コーヒーの『こだわリスト』

コーヒーから『こだわりエネルギー』を抜き出し、自在に操る能力者。

コーヒー銃。コーヒーソード。コーヒー鍼。などを使う。中折れ帽子にシャツ姿。わがままで癖が強い。


・『シュガー』

ヒロイン。ココア色のロングヘアー。

世界を救うために、アルテミス国軍から脱走する。

『純人』。豆田まめおのアシスタント。純粋。


・『クロス』   

豆田の幼馴染。刑事。

箱の『こだわリスト』。金髪ショートボブの好青年。

天然ボケ。


・『ポロッポ』

ハト。王様に使える伝書鳩。

鳴き声の『こだわリスト』で、人の言葉も話せる。


用語説明


・『こだわリスト』

こだわることで不思議な能力を手に入れた人々。

戦闘に特化したタイプや、道具に不思議な能力を付ける職人タイプがいる。


・『純人』

純粋な心で物事をみる人々。

職人タイプの『こだわリスト』が作る道具を何でも扱える。


・『異界の者』

違う世界から現れたと言われる人々。

『こだわリスト』と『純人』にしかその姿は見えない。

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