第32話 カニは魔王を許さない。
「いつまで着いて来るの?」
「いや〜。どうだっていいでしょ。」
サラ達はジェバクに向かって歩いていた。
「だってさ、魔王様に”見張れ“って言われたし。」
「シイナ、こいつをルイの代わりにしたい。」
「確かに似てるけど、耐えて。仇を打ちたいけど。」
「そんなに嫌われてるの?俺、、」
しょぼん、、、
「まぁまぁ。そんなに落ち込まないで下さい。」
「シル甘やかさない!!魔王はヴィルを襲ったんだよ。」
「でも、魔王様は貿易を止めようとしただけで、、、」
「言い訳いらないよ。」
その後誰も喋らなくなった。
ゴゴゴー
遠くに見える山が震えている。
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やっとジェバクに到着した。
「さて、ルイはどこかな?」
「、、サラさん。疲れたので宿で休みを取りませんか?」
(忘れてた、シルって以外と体力なかったんだった。)
「いいと思うけどシイナはどう?」
「まぁ私も湿布変えたいしいいかも。」
(アイ、おすすめの宿を教えて。)
[分かりました。ここでおすすめなのは温泉があるミクンですね。]
「よし、クミンという宿に行くか。」
「どこにあるのサラ?」
「あっ、、、」
「あっちだぜ。着いてきな。」
嫌々、そして渋々着いて行った。
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サラ達はこの町について何も知らなかった。
火山の近くのこの町では、またもや夢のような事件が起こり続ける。
”ジェバク“またの名を”忘却の町“という、、。
「おはようございます、シイナさん。」
「ん?もう朝なの。今日こそルイを探すか。」
「サラさん、起きてください。偽ルイさんは起きていますよ。」
「ふぇあ。まだ寝たーい。」
「俺、偽ルイって呼ばれてるんだ、、。」
「うぃー。ねむ。まだいたんだ。」
「名前すら呼ばれない!?」
「うるさいな。ここで朝ごはん食べたらルイを探しに行くよ。」
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「こちらが朝食となります。」
4人分の朝ごはんが用意された。
「この白いのは?」
[大根に似たものですね。冬が旬の食べ物です。]
(大根か。懐かしいな。地球、、、。
転生からどれぐらいたったんだろう。)
[1ヶ月後半ぐらいでしょうか。]
(そんなにやったんだ。)
「シル、これ美味しいね。」
「ですね。季節も意識していてとてもいいです。」
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(熱い、止めないと。)
ルイは偵察に来ていた。
しかし、ある事に気づき事件を解決しようと動いていた。
火山に向かって歩いていた。