第3話 カニのハサミは意外と万能
うけ、さむ〜。夜の浜辺ってこんなに寒かったけ。
転生したときの夢みてた。
夢見たの結構久しぶりだな。忙しいかったし。
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誰かいないかな。話し相手ほしい、、。
「、、、れか。」
ん、誰か倒れてる。
「誰か、助けて。」
え。お父さん?
いや、そんなわけない。
それより早く助けないと。
(どうしたの?何が必要?)
「え、、、。いや、何か食べ物を。」
今、できることは。何も持ってない、近くにも何もない。
浜辺に食べ物なんて、、ん、浜辺?
魚!魚がある。
ここで獲れる魚ってなんだろう。
兎に角、探さないと。
あれ、なんか鯖に似ている魚が死んでる。
なんでこんなところで?
まぁ、とりあえず捌きますか。
意外とカニのハサミって掴みやすいし、捌きやすいんだ。
異世界のカニだからかな。
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「ありがとう、えっとクラブさん?」
(なぜ、英語だし)
茶髪で優しそうなイケメンだ。
(うへへ)
「英語ってなんですか?」
(もしかして、、、伝わってる?)
「あ、僕テイマーなので」
(あ、あー、なるほどね)
やべ、ニヤついてるのバレてた。
(えーとですね、英語ていうのはクラブ語(?)のことです)
「そういうものがあるのですね。
教えてくださりありがとうございます。」
うぅー。優しそうな人に嘘ついてしまった。
「えと、クラブさんって名前ありますか?」
キュン。
えええええ、恋愛イベントきた?
嬉しすぎんだろ。
(い、や、、ないです。)
「そうなんですね。
うーん、折角ですし“ダイニンヌ”さんは?」
へ?
ぶははははー。
(いや、実は名前がありましてー
沙良といいます。)
「あ、そうだったのですね。勝手に名前をつけてしまってすみません。
沙良さん、いっしょに街に行きませんか?
助けていただいたお礼としてなればいいのですが、、。」
(行きます!行かせていただきます!)
イケメンといっしょだなんて!
断る理由が思いつかないよ。
いや、カニ鍋の材料にされるかも。
でもこの人は危なさそうじゃないし。
そういえば、名前知らないな。
(あ、あの名前を教えてくれませんか?)
「自己紹介がまだだったね。
僕の名前はシルビ、気軽にシルって呼んで。
好きなものは、生き物全般。テイマーだからね。」
(あ、えとシルは好きな食べ物ってある?)
「もちろん、カニ鍋だよ!」
あ、人生終了のお知らせかも、、、。