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ファンタジー職業人、お貸しします!  作者: 田中なも
ドラゴンナイト、お貸しします!
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11

「旦那、結構楽しかったですね!」

 吉田のアパートを出て、空港に寄った帰り道。ようやく千葉県まで戻ってきた二人は、佐宗さそう神社の石畳に降り立った。レッドドラゴンは翼を広げて、満足そうに口を開けている。

「まぁ、悪くはなかったな」

 ラスタは適当に返事をして、大きなあくびをした。空港で買ったお土産で、リュックの中がやけにかさばる。サニーに文句を言われると面倒なので、ついつい多めに買ってしまった。

「……腹いっぱいになると、やっぱ眠くなるわ」

「旦那はいっつも寝不足ですからねー」

 ラスタはドラゴンをその辺に離し、本殿の敷居をまたぐ。「帰ったぞー」と声を出すと、すぐさまフェンリルが寄ってきた。

「ラスタ! 紅いもタルトは? ちんすこうは?」

「あるある。ほらよ」

 リュックからカラフルな箱を取り出すと、彼は「わーい!!」と言いながら廊下を  走る。

「サニー!! お土産が来たぞー!!」

 「元気なやつだな」と思いながら畳に座ると、お勝手からルンシュが顔を覗かせた。その奥からは、香り高いコーヒーのにおいも漂ってくる。

「……コーヒー飲むか?」

「ああ、サンキュー」

 そこまで言うと、ラスタは犬掛がいないことに気がついた。最近はこの時間に眠っている彼だが、確かおやつの時間は犬掛いぬかけがお茶を淹れていたように思う。

「そう言えば、犬掛いぬかけは?」

「あさひは今日忙しいって言ってたわよ」

 フェンリルと仲良く姿を現したサニーが、「ありがとうね」と言いながら豪快に箱をこじ開ける。購入した側からすれば、もう少し配慮をしてほしいものだ。

「へー。ちんすこうって、色んな味があるのねぇ」

「おれ、チョコがいい!」

 お盆を持ったルンシュが、ちゃぶ台にの上にマグカップを置く。ラスタは黒いカップに手を伸ばして、牛乳で割れてたコーヒーを飲んだ。このコーヒーという飲み物、元の世界でよく見掛けた朝の飲み物に味が似ている。

「……あさひは天界に出向いたらしい」

 先ほどの疑問を聞いていたらしく、ルンシュがボソボソと補足をしてくれた。畳にちょこんと正座しながら、ちびちびとコーヒーに口をつけている。

「天界? 新メンバーの勧誘か?」

 ラスタがそう言うと、彼は小さく頷いた。

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