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十三
『あの娘には強くなってもらわなければ』
分かっている。
『どれだけ傷つこうとも』
分かっている。
『対抗できる精神を養わなければ』
分かっている。
『もう、最初で最後の、希望なのだから』
そんなの、要らない。
そんなの、知らない。
『おまえにしかできないことなのだ』
何故私でなければならない?
『まだ、おまえに出て来てもらっては困る』
あんたたちはいっつもそう。
私を封じたみたいに、自分たちの倫理観に則ってしか行動しない。
いいえ。今は、
恨みだけじゃない。
感謝も。
だってあの子を、