ケアプランを作成しましょう
最初に言います。
私は魔界では突っ込みません。
宣言します。
だから目の前のカイル様が雷を射たれたかのようにショックを受けようがスルーします。
まずは事実である現状を突き付けて理解して頂けなければなりません。
甘く優しい言葉は居心地が良いですが、それではカイル様の為になりません。カイル様の為を思うのであれば時には厳しい言葉も介護者には必要なのです。
なのでサクサクケアプランを作成したいと思います。
「まずは目標を決めましょう。カイル様は何かこれがしたい、出来る様になりたいことはありますか?」
「ヒメに勝ちたい」
「姫?」
「その名で呼ぶでない!なんの為に魔王になったと思うておるっ!こんなっ、こんな女のような名前など我は認めぬっ!!」
「魔王、ヒメ・メェ」
「ええいっ!指をさすでないっ!!」
はいっ、スルーね。
名前も種族名も可愛らしい魔王様はスルーです。
怒鳴りながら耳を赤くしカイル様に指差される魔王様なんかスルーですよ。
「では目標は魔王様撃破ですね。そこに至るまでの短期目標も決めましょう」
「人間界を滅ぼすとか?」
「明日には滅ぼせるぞ」
うん、ない。ないわー。
「………すぐに達成出来るのは駄目ですよ。そうですね、まずは以前の様な状態に近付くではどうでしょうか?以前までは魔王様より強かったから魔王陛下であったのでしょうし」
「勝てるならそれで良い」
「我は良くない」
魔王様は少し黙りましょうね。
こんな時は(^ー^)(^ー^)(^ー^)(^ー^)(^ー^)(^ー^)
はい、青ざめながら大人しく黙りました。
「カイル様はまた魔王陛下に成りたいですか?」
「別に」
「なら魔王様と戦いは娯楽扱いでよろしいのでは?遊びは友好を深めるものであって、魔王の座をかけるものではありません。ですが勝負するのも遊びの醍醐味です」
「「採用」」
両者即答。
弱肉強食の脳筋馬鹿で良かった。
言葉遊びなのは重々承知。
私が言ってることは、まんま前回の決闘と同じだ。ただ決闘から娯楽へ言葉を変えただけ。
それだけで採用する馬鹿で良かった。
「では一緒に目標に向かって頑張っていきましょうね。カイル様」
「よろしく」
「頼んだ」
頭を下げる馬kではなく、魔王sと握手を交わし、ケアプランは完成された。
こうして魔王が召喚した勇者により人間界は守られた。