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召喚しましょう

魔界会議の結果。


「ああ何か面倒くせーなぁ。眠みぃし」

「おい吸血鬼、林檎の茶菓子は出んのか?」

「あ、枝毛だわ」


白虎は欠伸をしながら尻尾を丸め今から寝ますな体勢になり。

堕天使は小腹が空き、吸血鬼にデザートを要求する。

人魚は自分の髪を弄りながら鋏を探さす。


魔界会議はダラケきっていた。


「はぁー」


司会進行の吸血鬼は胃をキリキリさせ、ため息をつきながら、そういえばと思い出す。


「ああ、そうでした。ついでですが、どうやら人間界で勇者召喚が行われたようです。今回はどうされますか?」


高齢魔族対応策でせっかく集まったのだ、ついでに勇者召喚についても話し合おう。

魔王に対して天敵のはずの勇者が魔界ではついで扱いであった。


「私は遠慮しよう」


以前堕天使が林檎があるかと勇者一行を襲ったが、あるのは干し肉、干物、乾物、水のみ。ドライフルーツ一つ持参しない勇者一行など襲う価値なし。


「私もお断りよ」


そんなことより傷んだ髪の集中ケアに忙しいと、人魚は鋏で枝毛を切りながら、さらに枝毛を探す。


「俺もパス」


弱い人間をいたぶるのは好きだが時季が悪い。白虎は今年から発情期(オトナ)なので求愛行動(ナンパ)を磨き、(カノジョ)との結婚を目指していた。


「では私が食料にしても問題ないですね」


そろそろ新鮮なA型かB型の血が飲みたい。吸血鬼血液占いでは勇者はだいたいがA型かB型。また今度は固形冷凍保存にせず、いつでもフレッシュな状態で飲めるよう飼育、繁殖するかと思考する吸血鬼。


「そうか!勇者かっ!!」

「「「「へっ????」」」」


魔王が椅子から立ち上がり閃いたとばかりに掌を拳でポンッと打つ。


曰く人間が魔王を倒して欲しくて勇者召喚出来るなら、魔族も魔族高齢者を何とかしてくれる勇者を召喚しよう。


「「「賛成!」」」


勇者召喚は満場一致で可決された。


通常人間なら多数の生け贄を捧げて、50人では足らない位の高位魔術師の魔力を枯渇させ、勿論それでも足りないから中位、下位魔術師の魔力に魔石に聖女の呼び掛け(処女なら誰でもOK )で勇者召喚と言う名の誘拐、拉致、洗脳して勇者は出来上がる。ちなみに勇者は異次元の者なので強弱はギャンブル。

この世界より重力が重く、酸素が薄く、魔力が過多な世界出身者なら強い勇者になるであろう。


だが魔族の頂点である魔王なら召喚魔術を一人で展開出来る。


善は急げとさっそく試みる魔王。


1秒目で魔方陣が輝く。

2秒目で『勇者召喚/////』と呼び掛ける。

3秒目で勇者が現れる。


3分クッキングならね3秒勇者召喚。

ちなみに人間は聖女(処女)の呼び掛け限定にしていたが男なら神父(童貞)でも可能。


だからなのか魔王が勇者召喚時、恥ずかしそうに照れながら召喚していた。周囲の魔族達は生温かい目で見守っていた。


でだ、待望の勇者、神無月悠莉が召喚陣より現れた。

ルームウエアでダラダラ寝ていた格好のまま。


何が起きたか分からずただ混乱する勇者。


「はぁ!?」


現実逃避しだした勇者の心情など、お構いなしにストレートに要件を告げる魔王。


「前魔王陛下のどうにかしてくれ」


魔王様の切実な願いに勇者は…………


「はあぁぁぁぁぁあああっっっっ!!!!????」


大音響で叫ぶのであった。




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