異世界人と初遭遇
今・・・淳は心から喜びが溢れ出していた。
「やったーーー!やっと・・・やっと修行から開放されるぞ!」
そう、やっと修行が終わったのである、苦節1年慣れてない修行を1年間もやらされた・・・
朝起きては素振り、昼に獲物を取って昼食にし、夜まで魔力の固定化の練習・・・遊ぶ時間が少しもなかった。
何度シャルを叩き折ろうとしたことか・・・だがそうすると、【おぬしとわしは、契約により繋がっておるからの。わしが折れれば御主も死ぬぞ?ホッホッホ】なんて抜かしやがります。
くそう・・・どうせ繋がるなら女の人と・・・ゴホンゴホン。まぁこの話は終わりにして・・・そう!やっと終わったのである!
最初は、生き物を殺して食べるに凄い抵抗があったりもしたけど、もう普通に狩って捌いてますよ。もう捌けない物なんてないくらい手際よくなってしまいました。
1年も森にいてもう、すっかり仙人気分で外の情報がまったくわかりません。
僕もそろそろ人と触れ合いたいと思い、森を出る決意をシャルに話しました。
【うむ、御主は1年間よく飽きずに自主的に修行をやりおった。これでわしも世界を見て回れる。この近くに村があるでの。そこを最初の目的地にしよう】
自主的・・・?何が自主的だ!半場脅しみたいなものじゃないか!
「そうだね。近くの村に!・・・?村?ねぇ!そんなの聞いたこと無いんだけど!村とか初耳なんだけど?!村があるならオークやら狼とか食べなくて済んだじゃないか!」
淳は、修行中碌なものを食べてなかったのだ。
オークの肉・狼の肉を焼いて食べる・・・ただそれだけで調味料などまったくない森の中。
近くに村があるなら人の所で修行したほうが効率的ではないだろうか?
【馬鹿じゃのぉ。御主自分が闇の魔力持ちだということを忘れてはおらぬだろうな?】
そこで淳はハッっと思い出す
「そ・・・そうだ、余りにも長い付き合いで愛着出てきたけど・・・非難される魔力だったんだ・・・」
【そうじゃ、調味料どころか村にも入れてもらえんじゃろうな】
「そ・・・そんな!そんなのあんまりじゃないかっ!これからどうやって生きていけばいいんだよぉ!!!(泣)」
地面に突っ伏し、1年が立ち20歳の青年が泣いている光景がそこにあった。
【何々、心配する出ない。それも2万年前の話・・・今はそんなに非難されないかもしれないじゃろ?(笑)まず村にいって確かめてみれば良いじゃろうが】
「そうだねっ!村は何処にあるかシャルわかる?」
【ここから、西に20kmくらい行った所に村があるのぉ。わしの探索魔法も衰えておらんな】
「そうなんだぁ、20kmくらいならお昼くらいにはつけるね。」
淳は、異世界に着いたばかりの時を思い出し。懐かしんだ・・・
あの頃は、走っては転んでの目が当てられない状態だったのだ。
だが今になっては・・・
「よし!全は急げだ。シャルは持ったしいくぞ!」
淳は、足に力を込め走り出した。一歩一歩が確かな足取りのまま木と木の枝をジャンプし渡っていく。
1時間後・・・
「なぁ!シャル!最初は圧し折ろうかと思ってたけど今思えば凄く感謝してるよ!あの状態のまま旅に出ていたらそれこそ山賊に殺されていただろうからね。」
【ふん、この世界にきて早々御主に死なれたくなかっただけじゃ。】
「はいはい。わかったよ!素直じゃないなぁシャルは。よし。あと何キロくらいなのシャル?」
【うぬ10キロくらいじゃの。】
「それじゃ、一気に行っちゃうよ!」
【?何をするつもりじゃ?】
「こうするの!」
その瞬間淳の体に魔力が行き渡り体の細胞を活性化していった。
【な・・・なんじゃこの魔法は?】
「うん、僕の世界でよく本とかで見る身体強化の魔法だよ。修行の合間に少しずつ練習してたんだ。」
【御主には驚かされる。この世界の身体強化の魔法とは術式が違うようじゃの。余り他人には口にしない方が良いな】
「わかったよ!さあ、村が見えてきたからそろそろ下に下りるよ!」
【ちょっと待つんじゃ!村なんて見えないぞ!御主の視力と一緒にするでない!】
「そ・・・そうだった。てか・・・シャルって目あったの?」
【ぬ?わしの場合は、魔力を通して見てる感じじゃな。探索魔法だと50キロ範囲まで見れるがそれだと大雑把しかわからん。普段は人間の視力と同じくらいの範囲しか見られんよ】
「そうなんだ、それじゃ意外とまだ距離あるのかなぁ」
淳が次の木に飛ぼうとした瞬間
キャーーー!
「シャルなんか言った?」
風の音と混ざってよく聞き取れなかった。
【ん?わしは何も言っておらんぞ?】
「おかしいな、何か悲鳴みたいなのが聞こえたと思ったんだけど?」
【あぁ、それなら後ろに50m行った所に小娘が巨大な狼に襲われとるぞ?】
淳がその言葉に動きが止まった・・・
「あのう?なんでシャルは普通にスルーしようと思ったの?!僕が言わなきゃスルーしてたよね絶対!?」
淳は、移動をやめ、地面に降りてシャルの言葉を待った
【助ける義理なんかなかろう?あれは初対面の人間。しかも仲間でもない者を助けてなんの得がある?】
シャルの冷たい言葉に淳が怒った
「馬鹿野郎!仲間じゃないから助けない?得?そんなこと考えるなよ!初対面とか関係ないんだよ!なんでそんなこと言うんだ!」
【ぬ・・・うむ・・・すまなかった。わしはそういう事に使われたことがなかったのでな。そういう考えに及ばなかった。いや・・・これはいい訳か・・・これから気をつけるようにする】
そこで、淳は頭が冷静になりシャルは魔王の武器で確かに人助けに使われてるとは考えられなかった。
「うん・・・僕も言い過ぎたごめん。」
【御主、のんびりしておるが良いのか?あの小娘死ぬぞ?】
淳の目には、娘に飛び掛る狼の姿が映っていた。
「あ!あ・・・危ない間に合えーーーー!」
淳はシャルに闇の魔力を纏わせ・・・黒い斬撃を飛ばした。
「うおおおおお!」
斬撃は、風の壁を突き抜け音を置き去りし。飛び掛ってきた巨大な狼の爪を切断した。
風のように走っている淳は狼が少女との距離を開けたことを確認した後少し遅れて少女の所に到着した。
「君、ケガはない?」
ニッコリと淳はできる限りの微笑をしたはずだが・・・
少女は淳の方を振り向いた瞬間、目を見開いて悲鳴も出せずに気を失ったのであった。
「・・・・」
沈黙が続く、淳と気を失っている少女との間
「僕・・・傷ついたなぁ・・・」
【クックック、まさか悲鳴も出すことすらできずに気絶とは・・・淳は、戦士より暗殺者のほうが向いておるかもしれぬな!】
「う・・・うるさい!一番傷ついてるのは僕なんだ!励ましてくれてもいいじゃないかっ!」
【フッ、さてさて、遊びはこのくらいして・・・くるぞい!】
巨大な狼が淳に襲い掛かる。
狼は、凄まじい速度で淳に接近し、淳を噛み千切ろうとでかい口を開けてきた。
「クソッ早い!」
突然のことで動揺したが修行の成果か、反射的に展開した闇の魔力の盾でなんとか防いだ。
衝撃は吸収できないのでそのまま後方に飛ばされ地面に着地した。
「さっきは、偶然助かったけど。次は無いな・・・これから油断できない・・・。
まずは動きを止めてからじゃないと話にならないか・・・」
淳は、戦い方を決め、狼に向かって走り出した。
「うおおおーー!」
全力で地面を蹴り、一瞬で狼の懐に飛び込んだ淳
「ここだーーー!」
淳は剣で狼の前足を切り飛ばした。
グオオオオオッ
「これで勝負をつける!」
淳は、そのまま暴れる狼の体に剣を突き立てた・・・
そして、だんだん動きが弱くなっていき・・・巨大な狼の目には光が弱くなっていき・・・消えた。
「ふぅ・・・半年振りにこんなに強いのと戦ったなシャル」
【そうだのぉ、オークやら小さい狼ばかりじゃったからの。良い訓練になったんじゃないかの?】
「そうだな、でもまずは、女の子を起こさないとな・・・」
また気絶されるのでは・・・と一途の不安を抱え少女の元へと足を運んだのだった。
・
・
・
・
森にいた娘 (救出前の経緯)
ここはカルム村の民家
「おかーさーん!」
そこには、歳が10歳くらいの可愛い女の子がベッドにしがみ付き泣いていた・・・。
「いいのよ・・・ゴホッゴホッ・・・サリナ・・・笑ってちょうだい・・・あなたの笑顔を見ていたいわ」
「だめっ!お母さん辛そうだもん・・・私が治して・・・また二人でお花摘みに行こうよっ!」
「サリナ・・・お母さんはね・・・?もう長くないの自分の体だから自分でわかるわ・・・」
「いやッいやっ!そんなこと言わないで!だって、お医者さんが言ってたもん!ツキバミ草があれば治るって・・・」
「サリナ・・・ツキバミ草はね?この森の奥にあるの。この森はね強い魔物がたくさんいるわ。娘にそんな危ないことはしてほしくないの。
死んだお父さんだってのそんなこと望んでいないわ。
だからね、お母さんは、死が二人を別つまであなたのことを目に焼き付けていたいの。わかってくれた・・・?」
「絶対に!絶対にサリナはお母さんを助けるんだからっ!ツキバミ草を絶対持ってくるんだから・・・!」
「待ちなさいっ!サリナ!サリナーー!」
森の中・・・
「ヒグッエグッ・・・絶対に見つけてやるんだから・・・」
「うぅ・・・怖いよぉ・・・ここ何処だろう・・・イタッ!」
サリナは木の根に足を引っ掛けて転んだ。
「うぅ・・・お母さんはもっと辛いんだもん・・・泣かないんだからっ」
1時間後・・・
「みつからないよぉ・・・うん?・・・あ・・・あった!」
ツキバミ草が木の横に生えていた。
「こ・・・これでお母さんが助かる・・・よがっだよー!」
見つかった嬉さに泣いてしまった。だがそこに・・・
ガサッ
「ヒッ!?」
後ろを振り向くと大きい狼さんがこっちを見てました
「オオカミさん・・・?」
狼を見た瞬間サリナは足が震え自分が狼に殺されることは幼いサリナでも容易に想像できた。
「お母さんっお父さんっ助けてーーー!」
サリナの悲鳴を引き金に狼がサリナに飛び掛ってきた
「キャーーーーー!!!」
サリナは今まで優しく。時には厳しく接してきてくれた母のことを思い出していた。
(うう・・・お母さん・・・ツキバミ草届けられないや・・・)
サリナは今くるであろう痛みに体を硬直させ瞼を強く・・・強く閉じていた。
だが一向に痛みが来ない
(あれっ・・・?なんで?)
サリナは目をゆっくりと開け・・・そこには・・・爪を切断されなにやら警戒している狼の姿が。
「ひぃ、あ・・・あ・・・た・・・助かったの?」
そこに。
「君、大丈夫かい?」
知らない声に振り向くと・・・そこには、お母さんからお話で聞いたことのある山賊?の姿に似ているおじさんがいてそれに驚いたサリナは疲労していたため悲鳴が出せずにそのままサリナは気絶してしまいました。
戦闘描写が幼稚ですみません。
これから改善していけるように頑張りますのでよろしくお願いします