修行の日
淳がこの世界にきて最初の朝・・・
「んぅ~~~!良く寝た!さて、歯を磨いて仕事いくかっ!」
いつも通りに動こうとする淳に静止の声がかかる
【これこれ、御主はもう地球?にはいないのだぞ仕事にも行けん】
「あっ!そうだ異世界にきたんでしたっけ?いやぁ長年・・・いやそんなに生きてないけど習慣は恐ろし
いですね」
人間の習慣の恐ろしさを改めて知った淳であった。
【うぬ、昨日は何処まで話たか覚えておるか?】
「うん、覚えてるよ。確か・・・魔剣の歴史・魔王のことに魔法のことだよね?」
【ちゃんと聞いておったようじゃの。それじゃ今日から魔法の使い方についてやっていくぞ?・・・・そ
の前にいつまでも魔剣と呼ばれるのも嫌じゃな・・・新しい名前決めておくれ】
「そうだね・・・じゃぁ・・・太郎・・・【殺すぞ??】いやいや!!!冗談冗談だって。!真面目に真
面目に・・・・そうだっ!今日からシャルな!(昔ゲームでチラっと剣についてそうな名前を考えてみた
が・・・)」
【うむ、シャルじゃな・・・まぁよいじゃろう。それじゃ今から魔力の込め方などの修行を開始するぞい?今のままではそこらの盗賊にも負ける力量じゃ】
盗賊等の言葉を聞いて異世界だなぁと会ったこともないので実感がわかなかった。
「そうだねっ!死んだら元も子もないもんなぁ」
【まずは、座り、体の中に流れる魔力を感じるんじゃ】
体の中に流れる魔力を探す・・・ん?なんか最初はわからなかったけどぼんやりとわかるぞ。これだ!
「ん・・・ん・・・あった!わかったけどこれからどうすればいいの?」
【ぬ、念話は時間がかかってこちらは躓かないとは変わっておるの。魔力を感じる方が難しいと思うのじゃが】
「まぁ、もともと魔力とか無縁の世界から来ているからかもしれないよ?細かいことは知らないけど」
【それもそうじゃな、それでわ、その魔力を指先から放出するようにやってみるのじゃ】
意識を指先に・・・・
指先から放出された闇の魔力が肥大化していく。
闇の魔力が触れた地面が根こそぎ消えていく・・・
【馬鹿もん!早く放出を止めんか!自分も巻き込まれるぞ!】
「ん・・・?うわぁぁぁ!!ど・・・どうやって止めるのーーー!?」
【放出する時のイメージを逆に実行すれば止まるはずじゃ冷静にやればできるはず】
「お・・・落ち着いて・・・ふぅ・・・」
先ほどまで肥大化していた闇の魔力が小さくなっていき・・・消えた
「ふはぁぁ・・・疲れたーー!なにこれ難しいよ!」
【そうじゃなぁ、だが闇魔法の才能はあるみたいじゃの。本来ならそのまま制御できずに飲み込まれるの
じゃが】
「ちょ!そんな危なかったのかよ!早く言ってよ!?」
【まぁ、一回失敗を経験しておれば同じ失敗はしないのじゃ、今度は落ち着いてさっきと同じことをして
みい】
「絶対あとで驚かせてやる・・・・ふぅ・・・」
先ほどのように意識を指に集中していく淳
闇の魔力は先ほどの様な状態にならず安定していた。
【(まさか2回目で闇の魔力を従えるとは・・・これは面白くなってきたのぉ)それくらいでよいぞ】
「どうですか!今度こそ失敗とは言わせませんよ!」ドヤァ
なんとそこには剣にむかってドヤ顔する青年がいた
【おぬし、今どれだけ自分が恥ずかしいかわかっとるか?】
「うん・・・他人に見られていたら外を歩けなくなるくらいには・・・」
淳は膝を地面に付き背後には哀愁が漂い始めた。
【それでわ、さっきのイメージを忘れないうちに剣を持つのじゃ】
「あ、わかりました。」
そして、地面に刺してあるシャルを抜く
【剣に先ほどの様に魔力を流し込んでみるのじゃ】
「わかった。」
同じように流してみると先程とは違う手ごたえを感じいた
「なんか・・・魔力を剣が搾り取ってる感じがする・・・」
【そうじゃ、わしは、闇の魔力を吸った分だけ刃が鋭くなるでの。御主は魔王様程には魔力がなく。御主の魔力が100%だと60%近くは剣に使ってることになるのぉ】
「うわ・・・すごい燃費の悪い剣・・・」
あまりの魔力消耗にげんなりする
【あとは、この状態を維持しながら戦うことになる。この状態を維持しながら素振りを1000回じゃ!】
「ええええ!?1000回とか・・・やるしかないか・・・」
文句言いながらも着々と数をこなす淳をシャルはただただ見守っていた
・
・
・
・
・
999回ブンッ
1000回!ブンッ
「はぁはぁはぁ・・・疲れた・・・身体が重い・・・」
【終わったようじゃの次は闇の魔力の固定化じゃな】
聞きなれない言葉に首をかしげる淳
【闇の固定化とは、実体のない闇の魔力を固体として存在させるのじゃ。これを用いれば360℃に闇の魔力を展開し、斬撃・魔法を消滅させることができる。囲まれたときとかは必須じゃな】
「へぇ、それは便利だな。てことは空間に闇の魔力を放出しなきゃならないのか・・・まだ慣れてないから難易度高いな・・・」
【そうじゃの、この戦い方は初歩にして極み。これを覚えねば御主はこの世界では生き残っていけん】
「まぁ最初から強いわけじゃないからな誰でも。」
【この習得には日を要するなので他の修行と一緒にやればよい。闇の放出。素振り。固体化の3つを一日にやってゆけ】
「りょーかい。それじゃがんばるかーー!あ・・・お腹すいたな。」
【人里は降りれんぞ?それならば丁度いい機会じゃ魔物を狩って修行すればよい。幸いにも記憶が正しければこの森は魔物がでるからの】
「わかった。うし!それじゃいくかぁ!」
森を散策して30分後・・・
ブボォーーー!!
「うわ!なんだこいつ!」
【一般的な魔物のオークじゃな。こいつの一撃は痛いぞ?人間なら即死じゃな】
「痛いとか以前に即死かよ・・・じゃまずは刀身に闇の魔力を・・・」
シャルに闇の魔力が行き渡った。
【そうじゃ、あとは自由に戦うのじゃ、わしは戦い方はしらんぬでな】
オークは獲物を見つけ、淳に意識を向け走ってきた。
「意外と速いぞ!?ここは一気に勝負を決めよう。」
そうすると、淳は足に全力を込め蹴りだした。その瞬間今まで感じたことのないスピードが出て、瞬く間にオークの懐に潜り込んだ。
オークは突然消えた敵に動揺し、動きが一瞬鈍ってしまった。
その隙に、淳は剣を一閃し、オークの胴体を二つに切り離したのであった。
だが・・・それでも勢いが収まらず地面を転がりながら木にぶつかり淳は気を失った。
5分後
【起きろ。魔物が血の臭いでやってくるぞ】
「いたたた・・・・わかったよ・・・・」
淳は後ろを振り返り斬ったオークを見た瞬間・・・
「オェェェェェ・・・・ゴホッゴホッ」
吐いた。初めて生き物 醜いとはいえ人型の生き物を自分の手で殺したのである。
今まで、人が死ぬことに免疫がない淳には辛すぎる現実がそこにはあった。
【慣れろとは言わんよ。だがこの世界では人間も魔物も殺さないとこっちが殺されるんじゃ。いくら罪悪感で一杯になっても剣を止めてはならん。辛いとき。悲しいとき。わしが着いておる。今は泣け 苦しめ それがこれからに繋がるんじゃ。その気持ちいつまでも忘れるではないぞ?】
「う・・・うん・・・それじゃ・・・ちょっと休憩したら戻ろうか・・・」
【オークの肉はあまりおいしくないが腹の足しにはなる少し持っていくんじゃぞ】
「う・・・」
持って行くということは肉をとらなければいけないわけで・・・
【ちゃんと柄の方に小型ナイフついておろう?それで剥ぎ取りせい】
「くそぉ、こんな早くに使うとは・・・」
嫌々ながら肉を剥ぎ取っていく淳
【それくらいで良いじゃろ。さきほどの場所に戻るぞ。】
「うん、わかった。」
そうして、この森で暮らしていくことになった淳とシャル。これからどんな苦難が待っているのか・・・?
次の話からは、修行期間はカットされ修行が終わった頃から始まります。
修行期間かけなくてすみません。