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37.街の薬屋さん

 ――ある日の帰り道。



『なぁ、そろそろ機嫌直してくれてもいいだろ?』


 俺は前をずんずんと歩く縁を必死で追いかけていた。


『べつに、機嫌悪くなんてしてないし』


 縁はそう言うが、その歩く速度は一向に遅くならない。

 俺はついていくだけでやっとだ。


『そ、それならそれで構わないんだけどさ。

 ほら、折角久しぶりに一緒に帰ってるんだから、もっと楽しく、話でもしながら帰ろうぜ?』

『……話すことなんてないし、一緒に帰ってなんて頼んでない。

 この前みたいに、またみりんと一緒に帰ればいいんじゃない?』


 あの手この手で縁の機嫌を直そうと頑張ってはいるのだが、縁はにべもない。

 どうも先日、俺が東雲さんにだけ食事を奢ったことにご立腹らしい。


 東雲さん、つまりは縁の言う『みりん』は、縁のクラスメイトの女の子で、当然俺とも同学年の知り合いだ。

 本名は『美鈴』と書いて『みすず』と読むのだが、それをクラスの誰かが『みりん』と呼び出してから、いつのまにかそのあだ名が定着してしまったらしい。


 ビーズで小物を作ったり、自宅で料理をするのが趣味というとてつもなく女の子な女の子なのだが、なぜか縁と気が合うようだ。

 一度気になってその辺りを縁にそれとなく尋ねてみたのだが、話の途中で縁が急に吹き出し、そこから笑いっ放しになってしまったので結局理由は聞けなかった。


 いや、まあつまりは何が言いたいかというと、東雲さんとはそんな風に縁を介した付き合いがあるだけで、食事を奢ったのだってほんの偶然だということなのだ。

 帰り道でたまたま出会った東雲さんと話をしながら帰っていて、ちょうど縁が好きなパフェの話題が出た時に件のお店が横にあって、というそれだけの話。


 東雲さんとは時間が合うのか気が合うのか、不思議と帰り道で遭遇することが多いが、そのほとんどで寄り道などしてないのだから、食事を奢ったなんて事態がいかにイレギュラーだったか分かるだろう。

 ……まあこれ以上東雲さんの話をすれば何を言っても縁の機嫌を損ねそうな気がするので、そんなことを説明したりはしないが。


 頭の中でそんな計算をしながらも、


『そこを何とか、な?』


 俺は必死で縁をなだめるのだが、


『……なんかさ。光一の顔、にやけてるみたいに見えるんだけど』


 縁に、そんなことを指摘されてしまう。


『そんなこと、ないだろ』


 反射的に首を振って目を逸らすが、本当は分かってる。

 だって、そうやって東雲さんとのことを気にするってことは、縁はちょっとだけでも東雲さんに嫉妬してくれてるってことで、そういう姿を見ると、俺だって少しは自惚れてもいいかもしれないと思ってしまうのだ。


『やっぱり、にやついてる』

『いや、だから違うって!』


 我ながら本当に縁が好きなんだなと自分に呆れながら、俺は足早に前を歩く縁の後を追いかけるのだった。





















 俺の前で涙を見せたのが恥ずかしかったらしく、泣き止んだ月掛は別人のようにおとなしかった。

 一方で感極まってもらい泣きしそうになった俺も、なんとなくいたたまれない気がして、月掛の顔をまともに見れなかった。


「あ、あの、とりあえず私の店にいらっしゃいませんか?

 ここにいると、ミドウさんの迷惑ですし」


 だから、シノノメさんの提案に俺たちは一も二もなく飛びついた。

 月掛が俺の胸で泣きじゃくっている間、店から追い出さずにいてくれたミドウさんにこれ以上迷惑をかける訳にもいかないし、とにかく頭を冷やすきっかけが欲しかったのだ。




「こ、ここです」


 シノノメさんがおどおどしながら案内してくれたのは、確かにミドウさんの店のすぐ向かいだった。

 錬金術師という職を活かしているのか、自分で調合した薬を売る店らしい。

 三階建ての家屋で、一階が店舗、二階が住居、三階が工房となっていると説明を受ける。

 実際俺たちがまず足を踏み入れた一階には、様々な薬が所狭しと並べられていた。


「基本的には、冒険者の人たちに薬を売ってウィルを稼いでるんです。

 錬金術師は、薬の調合でもレベルが上がるクラススキルを持ってますから」


 そんな説明を聞きながら、俺は並べられた薬を見ていた。

 メインとして並べられているのはポーションや傷薬のようだ。

 それも、ハリル村にあったような効力の低い物ではなく、もっとレベルの高い物が中心だ。

 効果と値段が札に日本語で書かれていて、俺にもすぐに読み取れた。


 物珍しく色々な薬を見ていると、意を決したようにシノノメさんが声を掛けてきた。


「あ、あの、お二人共、まだ宿は取ってないんですよね?

 しばらく闇の時間が続きますし、もしよろしければ、うちに泊まって……」

「ダメ! そんなに待てない!」


 しかしその提案は、最後まで言い切る前に月掛が却下してしまった。


「……そ、ですか」


 見ていて可哀相になるほど落ち込むシノノメさん。

 だが、俺もあまりハリル村を留守にして仲間たちに心配をかけたくはない。

 ここで泊まるというのは現実的ではなかった。


「ところで、闇の時間ってのは?」


 話を変える意味も込めて、聞き慣れない言葉について尋ねると、


「あ、あれ? 『闇の時間』って、言いませんか?」

「あんた、そんなことも知らないの?」


 シノノメさんには動揺され、なぜか月掛にも呆れられた。

 説明を聞くと、『闇の時間』とは、このナイトメアにおける夜のことらしい。

 ただし昼と夜の時間は一定ではなく、必ずしも24時間で一周する物ではないそうだ。


 そういえば、ここナイトメアには太陽がないことを思い出した。

 昼夜の概念が地球とは異なるのかもしれない。


 どちらにしろ、これからしばらくは外は明るくならないということだ。

 空を飛んでいくのでモンスターについては不安に必要はないが、帰りは大樹を目指せば簡単に戻れると考えていた俺にとって手痛い誤算ではある。


 いや、これから暗くなっていくことは考えていたはずなのだが、正直月掛の足を治すことばかり考えていて、帰り道のことはほとんど頭が回っていなかった。

 考えなしとはこのことである。


 俺もちょっとばかり怖気づいて、月掛に泊まりを提案しようと思ったが、


「なぁ。こうなったらここに泊まるって手も……」

「ダメ! あたしはすぐに奏也…さまのところにもどらなきゃいけない。

 闇の時間が明けるまでいたら、間に合わない」


 やはり月掛には却下される。

 まあ理由が奏也関連なら、こいつが引くことはないだろう。

 また前のように暴れられても困る。

 俺はおとなしく引き下がった。


 口をつぐんだ俺と、肩を落とすシノノメさん。

 それを見て、月掛は時計を確かめると、渋々というように口を開いた。


「……でも、あと2時間くらいなら、この街にいてもいいと思う。

 どうせ暗いし行くあてもないんだから、この店で時間をつぶせば?」


 それを聞いてシノノメさんの顔がパッと明るくなり、俺は心の中でうなずいていた。


(……なるほど。これがツンデレというものか)




 ちょうどポーションの残りが少なくなってきていたので、帰り道用にシノノメさんの店でポーションを補充する。

 店頭価格の一割という破格の値下げ(一割引きではなく、一割!)を敢行しようとするシノノメさんを必死で止めて、値札通りの値段で購入した。

 知り合い割引だか何だか知らないが、この子は絶対商売に向かないタイプだ。

 と思ったが、


「で、でも、原価を考えるとこんなのぼったくり価格もいいところですよ?」


 という台詞を聞く限りそうでもないのか。

 大体原価としては商品価格の二割程度らしい。

 八割利益とは荒稼ぎだな凄いなと一瞬思いかけたが、それ一割で売ったらやっぱり損するじゃねえか。


 優秀何だかそうでもないんだか分からないポーション売り、シノノメさんの後について、二階に上がる。

 二階部分は普通の家だった。

 一人用のベッドと、その横にはなぜか布団が敷いてある。


 それを見てハッとしたのはなぜかシノノメさんだった。


「ちっ、違います!

 その、泊まったのは女の人ですから!」

「え、あ、ああ……」


 俺の視界を遮るように無駄に手をバタバタ動かしながら、必死でまくしたててくる。


「嘘じゃないですから!

 ほら、あの、山賊とか倒した!

 凄腕冒険者で、魔法とか使える人で、だから…!」

「分かったから、落ち着いて」


 俺が言うとようやく動揺を収め、


「違いますからね!」


 としつこく念を押してから、布団を片付け始めた。

 それにしても……。


「なんだろ。この部屋、何だか懐かしい匂いがするような……」


 言った途端だった。

 ガシャンと何かが割られるような音がして、部屋の中にむっとするほどの柑橘系の匂いが広がる。

 慌てて音のした方を見ると、そこには割れた瓶と、目を血走らせたシノノメさんがいた。


「や、やっぱり匂いますか?

 最近、掃除してなかったから……。

 も、もう一本!」


 更にインベントリから香水の瓶を取り出して、地面に叩き付けようとするシノノメさんを月掛と二人で必死に止めた。

 別に嫌な匂いじゃなかったとか、この部屋が香水臭くなったら住みにくくなるよとか、シノノメさんむしろいい匂いだよとか、とにかく色々言ってなだめた。


「ひゅぅ…」


 ようやく我に返ったのか、変な吐息を漏らして腰砕けになってその場に座り込んだシノノメさんを見て、思う。


 ――この人、悪い人じゃないけど凄く疲れる人だ。




 落ち着いたシノノメさんを刺激しないように、少し距離を取って部屋を見回した。

 多少雑然としている感じはあるが、物は少なめでそれなりに片付いている。

 一人暮らしの女性にしては散らかっているのか、あるいは逆に一人暮らしの女性にしては片付いていると言うべきなのか。

 その辺りの判断は俺にはまだ出来なかった。


 ふと、ベッドの近くに置かれた数本の薬品に目が行った。

 フラスコ型の容器に入れられて、色とりどりな薬がそこには並べられている。

 容器自体は店にあったのと変わらないように見えるが、住居部分に置いているからにはこれは実用品なんだろうか。


「これ、なんなんだ?」


 だから俺が何の気になしにその端にあったピンク色の薬を手に取ると、シノノメさんから物凄い反応があった。


「そっ、だ、れは……!」


 もう言葉としての体を成していない。


「聞いちゃまずいもんだったか?」


 俺は苦笑しながら戻そうとするが、シノノメさんは首を振った。


「い、いえ! ここには、その、お店に並べられない試作品を置いてるだけで、そ、それだってただの、ただの、…………く、ですから」

「え?」


 聞き返すと、シノノメさんは一層頬を赤く染めて、言った。


「で、ですから……ただの、媚薬、なんです」


 聞いちゃまずいもんだよ、それは!

 内心でツッコんだが、少なくとも俺はかろうじてそれを外に出さなかった。

 そして、あくまでさりげなく話題を変える。


 まるで自然な流れみたいに隣にあった赤色の薬を取って、また尋ねた。


「へぇ。じゃ、こっちは?」


 これで、話の流れが……。


「ほ、惚れ薬、です」


 変わらなかった!


「そっか、ああ、そっか……」


 何でそんなのばっかりまとめて置いておくんだと思わなくもなかったが、だからこその試作品なのだろう。

 でもこれで引き下がったらお互い気まずい。

 俺はシノノメさんの顔色を窺いながら、そこそこ無難そうな白色の瓶を手に取った。

 はっきりと、シノノメさんが安堵の表情を浮かべる。

 それを見て、俺も安心して尋ねた。


「じゃあ、この白いのは?」


 シノノメさんは、この質問にばかりは元気よく答えてくれた。


「はい! 精力剤です!」

「………………………………そうなんだ」


 眩しい笑顔が眩しすぎて何だか眩暈がしてきた。

 しかし、この状況はどう収拾をつければいいのか。

 俺が迷っていると、不意に横から白い手がにゅっと伸びた。


 ……月掛だ。


 俺が聞かなかった薬を指差して、次々とその効果を尋ねていく。


「これは?」

「えと、催淫剤です」

「……こっちは?」

「たしか、発情促進薬です」

「…………じゃあこれ」

「ええと、ラブポーション、だったかな?」


 怖い物見たさなのか、どんどんと薬品の用途を尋ねていく月掛と、ぽんぽんと答えていくシノノメさん。

 しかも効能の違いがよく分からない。

 語彙のテストしてる訳じゃないんだぞと言いたい。

 というかなんだ、ラブポーションって。


 流石に疲れたような顔をした月掛が、最後の一つを指差した。


「じゃあ、この黄色いのは?」


 その質問にも、シノノメさんは力いっぱい答えた。


「はい! 聖水です!!」


 なるほど、聖水か。

 ん、……きいろい、せい、すい?


「うわぁああ!!」「ひっ!!」


 その意味を悟った途端、俺と月掛は打ち合わせたようなタイミングで悲鳴を放ち、シノノメさんとは逆の壁まですっ飛んでいった。

 これがホントのドン引きである。

 そんな俺たちを見て、


「あの、冗談ですよ?」


 シノノメさんは一人、困ったように笑うのだった。



 シノノメさんの洒落にならない冗談を受けて反対側の壁に避難していた俺たちだったが、どうやら本当に嘘だったと分かると、恐る恐る戻っていった。

 それこそ冗談じゃないと言いたい気分だが、シノノメさんが恐縮しているのでこれ以上の小言は飲み込んだ。


「……それで、これは何の薬なんだ?」


 代わりに、もう一度薬の効果を尋ねる。

 心持ち真面目な顔で、シノノメさんは答えた。


「これは、忘却薬です」

「忘却、薬……?」


 驚きの声を漏らしたのは、俺ではなく隣にいた月掛だ。


 しかも、それだけでは止まらない。


「はい。偶然出来た試作品なんですけど、これを飲むと、それまでの12分間の記憶を失ってしまうという……」

「それ、買うわ!!」

「……はい?」


 説明を続けたシノノメさんどころか、見ていた俺の方まで呆気にとられるような、そんな超反応を見せる。

 月掛は時計を確かめると、シノノメさんに詰め寄った。


「言い値で買うから、それ、すぐに売って!」

「い、いえ、売り物に出来るようなものじゃないですし、ただで差し上げてもいいですけど……」

「ありがとう!」


 その返事を聞くと、遠慮する様子もなしに瓶を手に取った。

 蓋を開いて匂いを嗅いで、


「よかった。聖水じゃなさそう」


 何気に失礼なことを漏らすと、


「それじゃ、あたしたちは出発するから」


 俺の手を引いて、階下に引っ張っていこうとする。


「え? え?」


 あまりの急展開にシノノメさんは目を白黒させているし、


「待てって! ここで2時間くらい時間を潰すんじゃなかったのか?」


 俺だって納得出来ない。


「そう思ってたけど、これ以上ここにいたら外はもっと暗くなるでしょ!

 だったらすぐに出発した方が安全よ!」


 そう自分勝手な理屈を振りかざして、月掛は俺を引っ張って行こうとする。

 そこに込められた力は強く、抗い切れない。

 驚いて、咄嗟には言葉も出ない様子のシノノメさんの顔が、階上に置き去りになって消えていく。


「いや、駄目、だろ」


 まだ俺は、シノノメさんから何も話を聞いていない。

 彼女の名前の謎も、それから、俺を見た時彼女が感じたという不思議な感覚の正体も、何も聞いていないのに。


「ちょっと、待てって!」


 月掛に声を掛けるが、止まらない。

 ただ前だけを向いて、その向こうに何か大切な物でもあるかのように、ただただ前に進んでいく。


「――待って、ください!」


 抵抗をする俺を一方的に引きずって、とうとう店から出て数歩を進んだ時、後ろから声がかけられた。


 振り返ってそちらを見ると、シノノメさんが店から転げるように飛び出してきていた。

 だが、月掛は一瞥もしない。

 そのまま歩いて行こうとする。


「待ってください!

 引き留める訳じゃ、ないんです。

 だから、ほんの少しだけ、待って……」


 その言葉に、今まで一瞬たりとも緩みもしなかった月掛の足が止まった。

 その隙を捉えるように、シノノメさんが口を開く。


「わ、私、錬金術師ですけど、『細工』のスキルも持ってるんです!」

「シノノメ、さん?」


 しかし、その口から放たれたのは、この状況と関係があるとも思えない話。

 意外そうな顔をする俺たちに、いや、俺に、それでもシノノメさんは必死に何かを伝えようとする。


「私、私はほんとは不器用で、物を作るなんて全然得意じゃなくて、でも必死で努力したんです!

 自分でアクセサリーを作れるなんてすごいねって、そう言われたから!

 すごいねって、また言って欲しかったから!

 だから、だか、ら……」


 聞いているだけで彼女の熱が、その想いの強さが伝わってくる。

 だが、肝心な所が分からない。

 なぜ彼女がこんなにも必死なのか、なぜ彼女がこんなにも必死になって、『俺』にこんな話をするのか、分からない。


 そして、俺がそう思っていることに、彼女も気付いた。

 あるいは、シノノメさん本人ですら、自分の言葉の意味を理解していなかったのかもしれない。

 彼女は最後に、全部諦めたような、綺麗な、綺麗すぎる笑顔を浮かべて、


「だから…………また、来てください。

 私はここで、光一さんのこと、待ってますから」


 その言葉が終わるか終らないかの内に、俺は焦れた月掛に手を引かれて、その場を後にした。




「離せよ。……離せって、言ってるだろ!」


 店から十数歩ほど離れた場所で、俺は月掛の手を振り払った。

 シノノメさんのあの様子を見て、それでも眉一つ動かさずに俺を引っ張って行こうとする月掛が理解出来なかった。

 身勝手な所はあってもいい奴だと思っていたのに、今は彼女がただの我儘な子供に見えた。


「何でそんなに急いで帰る必要があるんだよ!

 シノノメさんを見ただろ? 事情は分からないけど、あんなになってたんだ。

 少しくらい時間をくれたって……」


 激昂した俺の言葉はしかし、


「ごめんなさい!」


 続く月掛の意外な行動に、止まってしまった。

 あの月掛が、俺に頭を下げていた。

 それだけで、俺の思考は完全に停止してしまう。

 そして、そんな俺の思考の隙間を縫うように、


「こんなチャンス、たぶんもう二度と来ないから。

 だから10分間だけ、あたしの話を聞いて下さい!」


 月掛はそう言って、もう一度俺に頭を下げたのだった。


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