『イベントについて』
ペ「ハロー、トラベラーズ! 悪夢の水先案内人、ペイモン様だぜ!」
ア「はろー、とらべらーず! みんなのバスケット! アスタナちゃんだよー!」
ペ「カゴになっちゃったよ!」
ア「あー! ちがわないけどちがうよー! バスケットはバスケットでも、『きゅーぎ』のほう!
ペイモン先生、バスケがしたいです、とかのほう!
『いまふー』にいうなら、『篭球部』ってやつだよー!」
ペ「むしろ古くねその言い方! あと何で部をつけた!? 篭球だけでよくね!?」
ア「…ふっ」
ペ「アスタナに、鼻で笑われた、だとっ!?」
ア「アスタナにおいつきたかったら、あと十年は『しゅぎょー』して、おととい来ることだね?」
ペ「物理的に不可能なこと言われたっ!?」
ア「??」
ペ「しかも本人が分かってない!! ああ、もういい! 今日の議題は『イベント』について!
こいつも結構特殊だから、ちゃんと覚えるんだぞ!」
ア「よーチェックや!」
ペ「なんかうぜえなこいつ!
いいか? ナイトメアの世界で言う『イベントっていうのは成功条件を達成すると報酬がもらえる、ちょっとしたトライアルみたいな物』だと思っていりゃあいいんだが、これにも種類があって、『ナイトメアイベントとカスタムイベントの二種類に分けられる』んだ」
ア「な、ないとめあいべんと?」
ペ「まあ名前の通りだ。『ナイトメアイベントは、ナイトメアの世界が自動生成するイベントで、イベント達成の報酬とイベントの難易度が釣り合っているのが特徴』だな」
ア「じ、じどーせーせー? だ、だれがつくってるのー?」
ペ「これについちゃあ諸説あるが、基本的にはナイトメアにいる人間の願望だの想像だのが集まって作られているって考えられてる。
だから、『ナイトメアにいる人間の考えを反映したような物が起きやすい』傾向はあるって言うな」
ア「ど、どゆことー?」
ペ「モンスターが世界の各地に出て、みんなが、あー、モンスターをぱぱっとやっつける武器なんかが欲しいなーとか思えば武器探索系のイベントがよく出て来るし、逆に、あー、このままじゃモンスターに町が滅ぼされちゃうよーとか思えばモンスター襲撃系のイベントがたくさん生まれる、って感じかな」
ア「ほーほーなるほどー」
ペ「他にも少人数でも想いが強ければ、イベントは発生しやすくなるぜ。
例えば、全滅しそうなパーティがいて、そいつらが全員助かりたいって強く願えば、近くにいるパーティに、そのパーティの救助イベントが発生する可能性はある」
ア「ぎゃくに、おれたちもーダメだーっておもったら、『モンスターしゅーげきいべんと』がはっせーしたり?」
ペ「そうだけど……。オマエ、たまにえぐいこと言うな」
ア「…えへへ」
ペ「褒めてないぞ?」
ア「…でへへ」
ペ「何でさらに照れた!? ま、まあいい。
さらに、『ナイトメアイベントをクリアして獲得したウィルは、レベルアップに関係する』から、積極的に受けた方がお得だぜ?
洞窟に入れば洞窟のボスの討伐イベントが発生する、みたいに、『ナイトメアイベントは条件を満たすと勝手にウィンドウが開いて開始を報せる』から、それを見て色々と判断するんだな」
ア「おっけー!」
ペ「次にカスタムイベントだが、『カスタムイベントっていうのは、人が自分で作ったイベントのこと』を言うんだ」
ア「い、いべんとってつくれるのー?」
ペ「ああ。別に難しくはないぞ。
『データウォッチのイベントからイベント作成を選んで、条件を設定するだけでカスタムイベントは作れる』んだ。
あとはそれを他人に提示して引き受けてもらうだけだな」
ア「あ、アスタナにもできるー?」
ペ「もちろん。ただ、イベントを作る上で気を付けないといけないのは、そこで『設定した報酬やペナルティは、自動で譲渡・回収される』ってことかな。
例えばゴブリンの素材が欲しくてポーションを報酬にイベントを作ったとしよう。
他でゴブリン素材を手に入れたりポーションが惜しくなったとしても、誰かがそのイベントを達成したら必ずポーションを渡さなくちゃいけないって訳さ」
ア「なるほどー。『ずる』はできないんだねー」
ペ「まあな。だからアイテムトレードに活用する奴もいる。
ただ、ズルができないのはシステム上だけのことで、カスタムイベントならいくらでも不公平な条件をつけられるぜ?
ドラゴンを倒して報酬がポーション一個とか、理不尽なイベントも設定可能なんだ」
ア「そ、そんなくそげーゆるせないよ、おにいちゃんっ!!」
ペ「何いきなり変なこと口走ってんだよオマエ! ていうかオレ様がオマエの兄とか、いろんな意味でありえねぇよ!!」
ア「ご、ごめん。ちょっと『えきさいと』しちゃって……」
ペ「とにかくカスタムイベントは色々リスキーだから、受ける時は慎重にな。
特に、成功条件の他に失敗条件やその時のペナルティが設定されている場合もあるから、注意するんだぞ?」
ア「はーい!」
ペ「町の冒険者ギルドなんかにある依頼の類もこのカスタムイベントだな。
ただ、ギルド員にはある程度イベントの公平さを見抜く能力があるから、ギルドのイベントに理不尽な依頼が並ぶことはそうそうないな」
ア「へー、たくみのわざ、だねー」
ペ「あ、そうそう。人が設定するのはカスタムイベントだって言ったが、実は例外もある。
『ノークラス、つまりトラベラーになれなかった人たちが作ったカスタムイベントは、ナイトメアイベントになることがある』んだ」
ア「『のーくらす』って、よーは『えぬぴーしー』みたいな人たちでしょー? あの人たちにも『とりえ』ってあったんだねー」
ペ「だからオマエ毒舌……。
ま、まあその代わり、『ノークラスは基本的にナイトメアイベントを受けられない』からそれで相殺って感じだけどな」
ア「ほじょせんもんなんだねー」
ペ「……オマエ、今日はめずらしく話についてきてるよな」
ア「天才ですから」
ペ「うざっ!
はぁ。あとは説明してねぇのはグレードか?
『グレードは1から始まって、モンスターを倒したりイベントを達成したりすると数字が上がっていくし、逆にモンスターから逃げたりイベントを失敗すると減っていく』んだ。
『グレードが一定以上ないと発生しないナイトメアイベントは多い』し、カスタムイベントでもそういう設定ができるから、高額なイベントを受けたいならどんどん上げていった方がいいな」
ア「『ぐれーど』をみれば、その人の『ぼうけんしゃのらんく』がわかるってことだねー」
ペ「そういうことだな。じゃ、そろそろ復習してみるか」
『イベントっていうのは成功条件を達成すると報酬がもらえる、ちょっとしたトライアルみたいな物』
『ナイトメアイベントとカスタムイベントの二種類に分けられる』
『ナイトメアイベントは、ナイトメアの世界が自動生成するイベントで、イベント達成の報酬とイベントの難易度が釣り合っているのが特徴』
『ナイトメアイベントをクリアして獲得したウィルは、レベルアップに関係する』
『ナイトメアイベントは条件を満たすと勝手にウィンドウが開いて開始を報せる』
『カスタムイベントっていうのは、人が自分で作ったイベントのこと』
『データウォッチのイベントからイベント作成を選んで、条件を設定するだけでカスタムイベントは作れる』
『ノークラス、つまりトラベラーになれなかった人たちが作ったカスタムイベントは、ナイトメアイベントになることがある』
『ノークラスは基本的にナイトメアイベントを受けられない』
『グレードは1から始まって、モンスターを倒したりイベントを達成したりすると数字が上がっていくし、逆にモンスターから逃げたりイベントを失敗すると減っていく』
『グレードが一定以上ないと発生しないナイトメアイベントは多い』
ペ「ま、今日はこんなとこだな」
ア「それじゃあ次回まで……」
ペ・ア「グッナイ、トラベラーズ! 良い悪夢を!!」