『クラスについて』
ペ「ハロー、トラベラーズ! 悪夢の世界の赤ペン先生、ペイモン様だ!」
ア「はろー、とれべらーず! みんなのパスカット! アスタナちゃんだよー!」
ペ「もはや意味分かんねえし! カットしちゃダメだし!」
ア「きょーは『くらす』について教えてくれるんだよねー!」
ペ「ま、まぁな! オレ様にかかれば、クラスの説明なんてちょちょいのちょいだぜ!」
ア「わーい、たのもしー! それで、『くらす』ってなんなのー?
『せいばー』とか『きゃすたー』とか『ばーさーかー』とかのことー?」
ペ「まあ間違ってるとも言い難いが、オマエのイメージは間違ってると断言できる!
クラスっていうのは、いわゆるゲームで言う職業のことだ。
自分に合ったクラスを見つけることが、このナイトメアを生き抜くコツの一つだな」
ア「『くらす』がかわるとなにがかわるのー?」
ペ「クラスを選ぶ上で重要な要素は三つあってな。
『成長値とクラススキル、それから継承率の違いがクラスの性能の差』だって言われてる」
ア「せっつめい! せっつめい!」
ペ「一番分かりやすいのは成長値だな。
『成長値っていうのは、その職業でレベルが上がった時に上がる能力値のこと』だ」
ア「『しょくぎょう』によって『のうりょくち』のあがりかたがちがうのー?」
ペ「その通りだぜ!
例えば、これが物理系の基本職、戦士の成長値だ」
【戦士・成長値】
魔力:3
理力:1
強化:3
耐久:3
俊敏:2
器用:2
理法:1
克己:2
操作:1
信心:1
BP:1
総合:20
ア「? 『まりょく』とか『きょうか』はまえにおしえてもらったけど、『BP』とか『総合(かんじがよめない)』ってなにー?」
ペ「BPっていうのはボーナスポイント。魔力でも強化でも、自分の好きなところに割り振れるポイントだ。
総合っていうのは、BPを含めた成長値の合計だな。
これが高いクラスほど上級職だって言われてるな」
ア「あ、『そーごーりょく』ってやつだね。アスタナわかるよー!」
ペ「次はこっちを見てくれ」
【魔法使い・成長値】
魔力:1
理力:3
強化:1
耐久:1
俊敏:1
器用:2
理法:3
克己:2
操作:2
信心:3
BP:1
総合:20
ア「あれー? 『BP』と『総合』はおなじなのに、ほかがぜんぜんちがうよー!」
ペ「こんな風に、それぞれのクラスには成長値に特徴があるから、自分のスタイルにあった職業を選ばないとうまく活躍できないんだ」
ア「『のーきんやろー』が『まほーつかい』になってもしょーがないもんねー!」
ペ「オマエ……。そ、それにクラススキルって奴もある。
この『クラススキルはその職業になっている間だけ使える特別なスキル』なんだ。
例えば戦士のクラススキルは、戦士のレベルに応じて攻撃力と防御力を上げるパッシブスキルだな」
ア「じゃー『せんし』になっただけでこうげきりょくとぼうぎょりょくが上がるんだね、これはおとくだよー!」
ペ「まーここまでは普通のゲームと同じだな。
ただ、最後の継承率っていうのはちょっと複雑だからちゃんと理解しろよ」
ア「ふっふーん! アスタナにりかいできないものなんてないよ!」
ペ「数えきれないほどあったけどな!!
はぁ。とりあえず、知っておかなくちゃいけないことは、『レベルっていうのはクラスごとの物だから、新しいクラスに転職すると、レベルが戻る』ってことかな」
ア「なるほどー。『つよくてにゅーくらす』だねー!」
ペ「いや、それがそうとも限らないんだ。
なにしろ、『クラスを変えてレベルが戻ると、能力値も基本能力値まで戻ってしまう』からな!」
ア「え、えぇー! じゃあいままでほかの『くらす』で上げた『のうりょくち』はぜんぶ『むだ』になっちゃうのー!?」
ペ「いや、もちろん元のクラスに転職し直せば前のレベルと能力値が戻ってくるし、他のクラスに転職しても必ずしも全てが無駄になる訳じゃない。
つまり、そこで出て来るのが継承率なんだ。
なんと、『転職する時に継承率の割合だけ、そのクラスで鍛えた能力値を基本能力値にプラスできる』んだよ」
ア「ど、どゆことー!?」
ペ「じゃあもっと正確に説明するぜ。
本来ならそのクラス以外では使えない、そのクラスになってから増えた能力値をクラス増加値って呼ぶんだが、転職する時は継承率の割合だけ、クラス増加値を基本能力値に変換できるんだ」
ア「?? ま、ますますわかんなくなったよぅ……」
ペ「だから、例えば戦士でがんばってレベル上げして、強化を50上げたとするよな。
この時の強化のクラス増加値は50。
戦士の継承率は20%だから、この場合50の20%、つまり10だけが基本能力値にプラスされるってことになる」
ア「も、もっとわかりやすく!」
ペ「だから、継承率の分だけ元のクラスでの能力値を次のクラスに持って行けるってことだよ!!」
ア「な、なるほどー。ふ、ふいんきはわかった」
ペ「これだけ説明して雰囲気だけかよ!
はぁ。とにかく、『即戦力が欲しいなら成長値が、確実に成長したいなら継承率が、それぞれ重要』なんだ」
ア「ふ、ふーん。『けいしょーりつ』ってだいたいどれくらいなのー?」
ペ「戦士とか魔法使いとかの基本職は一律で20%だな。
上級職はまちまちで、下は5%から上は100%まで色々あるぞ。
……おっと忘れてた。基本職は一律20%と言ったが、一番の基本クラスであるトラベラーの継承率は、なんと0%なんだ」
ア「そ、それって、とらべらーでいくられべる上げしても、『てんしょく』したら『のうりょくち』がほんとーにぜんぶ『むだ』になっちゃうってことー?」
ペ「そういうことになるな。
トラベラーは成長が自由だから使いやすいが、他のクラスを見つけたら絶対にすぐ転職した方がいいぜ!」
ア「うわー。じゃーとらべらーのまま『こうれべる』とかになったら『さいあく』だねー!」
ペ「やめろって、もし高レベルトラベラーが読んでたらどうするんだよ!
トラベラーなんて、上位クラスがあるかも分からない隠れ地雷職なんだぞ!」
ア「あれ? 『じょういくらす』ってなに?」
ペ「あ、そういや言ってなかったか。
実は、継承できなかったクラス増加値は無駄になるのが普通だが、唯一例外があるんだ。
それが、その職業の上位クラスに転職することだ」
ア「ええと……そうすると、どうなるの?」
ペ「例えば『剣士』の上が『剣豪』、『僧侶』の上が『司祭』といったように、クラスにはそれぞれのクラスをパワーアップさせたようなクラスが存在することがあって、それを上位クラスって呼ぶんだが、『上位クラスは対応する下位クラスのクラス増加値やクラススキルをそのまま使える』んだ」
ア「じゃ、じゃあ『けんし』でつよくなったあと『けんごう』になれば、『つよくてにゅーくらす』ができるってことー?」
ペ「その通り! だから、特別な理由がない限り、中盤以降は上位クラスを見つけたら転職、ってスタイルが流行っているみたいだな」
ア「ふーん。あ、そうだ! 『しょくぎょう』をてにいれたり、『てんしょく』したりってどうやるの?」
ペ「『能力値一定以上とか、レベル一定以上とか、クラスごとに設定された条件を満たすと自然とクラスは獲得できる』ぜ。
そうやってクラスを獲得したら、『ステータス画面から転職が可能』だ。
ただし、『一度転職をするとそれから12時間はクラスを変えられない』から、それだけ注意だな」
ア「じゃあいちどの『ぼーけん』で『しょくぎょう』がかえられるのは、だいたいいちどきりってことだね」
ペ「逆に一度は変えられる訳だから、最初はMP消費の多い魔法使いで探索して、MPが切れたら戦士で肉弾戦、なんてこともできなくはないな。
その辺りはオマエらで適当に工夫しろよな」
ア「あ、もしかしてそろそろ『まき』にはいってる?」
ペ「オマエ、何でそういう微妙な言葉だけはよく知ってるんだ?
とにかく、今回の復習はこんな感じだ!」
『成長値とクラススキル、それから継承率の違いがクラスの性能の差』
『クラススキルはその職業になっている間だけ使える特別なスキル』
『レベルっていうのはクラスごとの物だから、新しいクラスに転職すると、レベルが戻る』
『クラスを変えてレベルが戻ると、能力値も基本能力値まで戻ってしまう』
『転職する時に継承率の割合だけ、そのクラスで鍛えた能力値を基本能力値にプラスできる』
『即戦力が欲しいなら成長値が、確実に成長したいなら継承率が、それぞれ重要』
『上位クラスは対応する下位クラスのクラス増加値やクラススキルをそのまま使える』
『能力値一定以上とか、レベルが一定以上とか、クラスごとに設定された条件を満たすと自然とクラスは獲得できる』
『ステータス画面から転職が可能』
『一度転職をするとそれから12時間はクラスを変えられない』
ペ「ま、クラス選びってのはこういうゲームの醍醐味って奴だし、それはこの世界でも変わんねえ。
しっかり悩んで、自分に合ったクラスを見つけるんだな」
ア「と、いうわけで、またじかいまで……」
ペ・ア「グッナイ、トラベラーズ! 良い悪夢を!!」