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『ウィルについて』

ペ「ハロー、トラベラーズ! 住所は地獄の一丁目、救世主悪魔のペイモンだぜ!」


ア「はろー、とらべらーず! みんなのマスケット、アスタナちゃんだよー!」


ペ「銃になっちゃってるよ!」


ア「アスタナ、きけんなおんな?」


ペ「暴発の危険は常にあるな!」


ア「やん! そんなほめられたらアスタナ、とけちゃうよぉ///」


ペ「これっぽっちも褒めてないし、オマエにそんな機能ねーから!!」


ア「それできょーの『ぎだい』は?」


ペ「意外と切り替え早いなオマエ!

 今日の授業は、ナイトメアにのみ存在する特殊な物質、ウィルについてだ」


ア「た、たいくーん?」


ペ「知らねえけど間違いなく違ぇよ! なんだよタイクーンって!

 いいか、夢の世界ってのは、見ている本人の意思やら想像やらに影響されてその通りに変わるだろ?

 ウィルってのはそういうもんを数値化した物なんだ」


ア「で、でも、ナイトメアにいるみんながかってにせかいをかえちゃったら、せかいが『めちゃくちゃ』になっちゃうよ?」


ペ「そうだな。だから逆に言えば、ナイトメアの生き物は、このウィルの分しか世界を変えることはできない。

 だからウィルってものは言い換えれば、世界にワガママを言って自分の思い通りの未来を作るためのエネルギーだとも言えるな」


ア「うぅー。ちょっとアスタナにはむずかしいよー! ゲームでたとえると?」


ペ「経験値とお金を合わせたようなもの、だな」


ア「わー! いっしゅんでわかっちゃったー!

 ペイモンちゃんも『しちめんどくさいりくつ』ばっかりこねくりまわしてないで、いまみたいにもっとましなこといえばいいのにー!」


ペ「あぁん?」


ア「な、なんでもないよ、ペイモンちゃん! それで、ウィルってどうやっててにいれるのー?」


ペ「『ウィルを入手するには、モンスターを倒したりイベントを達成する』のが一般的かな。

 その他にも、『食事をしたり、誰かと取引することでもウィルを手に入れられる』ことはある」


ア「ええ! たべるだけでウィルがてにはいるなら、アスタナごはんたくさんたべるー!」


ペ「また太るぞ」


ア「うわーん! ペイモンちゃんのひとでなしー! あくまー!」


ペ「そのネタはもうやったろ!

 それに、食事や取引よりも、モンスターやイベントでウィルを手に入れた方が実はお得なんだ」


ア「おとくなの!?」


ペ「ああ、実はナイトメアでは、『モンスターやイベントで獲得したウィルの量が、レベルを決める』んだ。

 今までのウィルの獲得量が1000を超えたらレベル3、2000を超えたらレベル4、みたいな感じだな。

 だから、たとえウィルを一回も使わなくても、モンスターを倒してたくさんのウィルを獲得すれば、それだけで高レベルになれるんだぜ」


ア「それはおとくだねー!

 あ、でもじゃあ『もんすたー』とか『いべんと』をなんとかしないと、『れべる』はあがらないの?」


ペ「それも違うんだ。実は逆に、モンスターやイベントから全くウィルを手に入れられなくても、ウィルを使うことでもレベルは上げることができる」


ア「え? え? な、なんかアスタナ、あたまがこんがるがってきたよ……」


ペ「いやオマエ、言葉までこんがらがってるぞ!?

 『ウィルを使うと、1ウィルにつき2ポイント、獲得ウィルの値を上げることができる』んだよ!」


ア「え、ええっと?」


ペ「例えばオマエがモンスターを倒して、100ウィルを手に入れたとするだろ?

 この時点でのオマエの獲得ウィルは100だ」


ア「う、うん。アスタナにもその『けーさん』ならわかるよー!」


ペ「や、まだなんも計算はしてないけど……。

 とにかく! そこで手に入れた100ウィルをさらに獲得ウィルを上げるのに使うと、なんと獲得ウィルを300にすることができるんだ!」


ア「すごいー! おとくだねー!」


ペ「お得、なのか?

 というかなんかオマエ、ぜんっぜん分かってないような気がするけど、大丈夫か?」


ア「だいじょぶだいじょぶ、イケる、イケる!

 それで、ほかのウィルのつかいみちはー?」


ペ「他には『ウィルを消費することでスキルを習得したり、習得したスキルのレベルを上げることができる』のが重要だな!

 ただ、これで覚えられるスキルはその時点で閃く可能性があるスキルだけだし、スキルのレベルも使用すればいずれは上がっていくから、どうしてもウィルを使わないといけない訳じゃない」


ア「つまり、ウィルは『せいちょう』をはやくしてくれるだけってこと?」


ペ「アスタナにしてはいいこと言うじゃんか! その通りだ!」


ア「やん! そんなほめられたらアスタナ、ふやけちゃうよー///」


ペ「オマエにはそんな機能もないし、照れ方の意味が分かんねーよ!!」


ア「ウィルでできることって、それだけー?」


ペ「いや、さっきも経験値とお金を合わせたようなものって言っただろ?

 『ウィルはアイテムを買うのに使ったり、イベントやダンジョンの仕掛けに使ったり、とにかく色々な場面で必要になる』。

 全部使いちゃいたい気持ちは分かるけど、賢いトラベラーなら一部は必ず残しておくことを推奨するぜ!」


ア「そっかー。だいじにつかわないといけないんだー。

 あ! でもウィルをはらってりょうりをかって、りょうりをたべてウィルをてにいれれば……はっ、『えいきゅうきかん』!!」


ペ「あ、いや、アスタナ!?」


ア「ちょっと『えいきゅうきかん』してくるのー! ごっはんー!!」


ペ「あ、ちょっ……って、もう行っちまった」


ペ「ウィルが上がるようなアイテムは特別な食材アイテムだから、市場に出回ることはめったにないし、あってもとても高額で、食事で獲得できるウィルの量なんかじゃとても足りないんだが……もう、聞いてないよな」


ペ「…………」


ペ「…………」


ペ「…………」


ペ「やっぱもどってこないか。仕方ない。今日はここで終わるか。

 さて、気を取り直してこれが今回の復習内容だ! しっかり頭にいれとけよな!!」



『ウィルを入手するには、モンスターを倒したりイベントを達成する』

『食事をしたり、誰かと取引することでもウィルを手に入れられる』

『モンスターやイベントで獲得したウィルの量が、レベルを決める』


『ウィルを使うと、1ウィルにつき2ポイント、獲得ウィルの値を上げることができる』

『ウィルを消費することでスキルを習得したり、習得したスキルのレベルを上げることができる』

『ウィルはアイテムを買うのに使ったり、イベントやダンジョンの仕掛けに使ったり、とにかく色々な場面で必要になる』



ペ「ちゃんと覚えられたか? それじゃ……」



ペ「グッナイ、トラベラーズ。良い悪夢を」






ペ「……うーん、やっぱりひとりじゃ締まらねえなぁ」

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