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マナに選ばれし落ちこぼれ 〜古代魔法を継ぐ者〜 (マナ落ち)  作者: たくわん。
第七章:決着への序章

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第4話「鍵の入手」



古代遺跡、中央広間。


魔獣が再び封印され、静寂が戻った空間。アレンは手の中の古代マナ結晶を見つめていた。


「これが……四化身を取り戻す鍵」


結晶は金色に輝き、八属性全てのマナが調和するように脈動している。


「アレン、壁面の古代文字、全て記録できたわ」


ヒナタが羊皮紙の束を持って駆け寄ってくる。


「ありがとう、ヒナタ」


アレンが羊皮紙に目を通す。そこには、四化身復活の儀式について詳細に記されていた。


『——世界マナと化せし化身を再び実体化させる術——』


『——必要なるは、古代マナ結晶、八属性の完全調和、そして絆の証——』


『——儀式は、マナの流れが最も安定せる場所にて行うべし——』


「マナの流れが最も安定した場所……」


アレンが呟くと、グラシアが実体化した。


「それなら、学園の中央聖堂が最適よ。あそこは七大国のマナが交わる中心地。古代魔導王国時代から、重要な儀式の場として使われてきたわ」


「中央聖堂か……」


アレンは学園の中心にある、荘厳な建物を思い浮かべる。


「よし、学園に戻ったらすぐに準備を始めよう」


アレンが決意を示すと、レンが真剣な表情で口を開いた。


「その前に、だ。セレスのことを学園長に報告しないといけない」


「ああ。セレスは、ノクティアの本拠地で何かを企んでいる。おそらく、最終決戦の準備を」


アレンの言葉に、全員の表情が引き締まる。


「じゃあ、俺たちも準備しないとな。四化身を復活させて、万全の状態で最後の戦いに臨む」


カイルが拳を握りしめる。


「そうね。今度こそ、セレスの野望を止めるのよ」


エマも静かに決意を示す。


「みんな……ありがとう」


アレンが仲間たちを見渡す。


七人の仲間と、八体の化身。これが、アレンの力の源だ。


「さあ、帰還するぞ。遺跡の調査は終わった」


レンの言葉に、全員が頷いた。


-----


遺跡を出ると、既に夕日が西の空を赤く染めていた。


「長い一日だったな」


トムが伸びをする。


「でも、収穫は大きかった。古代マナ結晶を手に入れたんだからな」


マルクが明るく言う。


一行は、案内してくれた東方の調査員と合流し、エルドリアへと向かった。


「本当に、よくやってくれた。あの魔獣を再封印するなんて……」


調査員が感謝の言葉を述べる。


「いえ、俺たちの使命ですから」


アレンが謙遜する。


エルドリアの街に戻ると、既に夜の帳が降り始めていた。


「今日は、ここで一泊しよう。明日の朝、転移陣で学園に戻る」


レンが提案し、全員が宿屋へ向かった。


-----


その夜、アレンは宿屋の自室で古代マナ結晶を見つめていた。


「エルフェリア、イグニス、シルフ、ノクス……もうすぐだ。もうすぐ、お前たちを取り戻せる」


アレンが呟くと、心の中に四体の声が響いた。


『アレン、焦らないで。儀式は慎重に行わなければ』エルフェリアの優しい声。


『そうだぜ。俺たちは待てるからよ』イグニスの気遣う声。


『でも、早く会いたいわね』シルフの嬉しそうな声。


『我々は常に汝と共にある。実体があろうとなかろうと』ノクスの静かな声。


「ありがとう、みんな。でも、やっぱり実際に会いたいんだ。また、お前たちと並んで戦いたい」


アレンの言葉に、四体の化身が温かく応える。


コンコン。


その時、ドアをノックする音が響いた。


「アレン、起きてる?」


ヒナタの声だ。


「ああ、入って」


ドアが開き、ヒナタが部屋に入ってくる。


「眠れないの?」


「ああ、少しな。明日からのことを考えていた」


アレンが窓の外を見つめる。


ヒナタは、アレンの隣に座った。


「四化身の復活……きっと上手くいくわ。だって、あなたには八属性を統べる力があるんだから」


「ありがとう、ヒナタ。でも……」


アレンが一瞬、言葉を躊躇する。


「でも?」


「セレスとの最終決戦のことが気になるんだ。彼女は、本気で世界を変えようとしている。その想いの強さは、俺にも伝わってきた」


アレンの表情が、複雑なものになる。


「でも、彼女のやり方は間違っている。力による支配は、真の平和をもたらさない」


「ええ、そうよ。だからこそ、あなたが止めなければならないの」


ヒナタがアレンの手を取る。


「あなたは、八属性を統べる者。でも、それ以上に……みんなから信頼されるリーダーよ。力だけじゃなく、絆で戦える人」


ヒナタの言葉に、アレンは微笑んだ。


「ありがとう、ヒナタ。お前がいてくれて、本当に助かってる」


「私こそ、あなたと出会えて良かった。一緒に戦えることが、誇りよ」


二人は、しばらく沈黙の中で窓の外を眺めていた。


星空が、美しく輝いている。


「明日から、本当に最後の戦いが始まるのね」


ヒナタが呟く。


「ああ。でも、俺は負けない。みんなと一緒なら、どんな敵だって倒せる」


アレンの目に、強い決意が宿る。


「うん。私も、最後まで一緒に戦うわ」


ヒナタが力強く頷いた。


-----


翌朝、一行は転移陣を使い、アルディア王立魔導学園へと帰還した。


「お帰りなさい、アレン」


学園長室で、エリナが笑顔で迎えてくれる。


「ただいま戻りました、学園長」


「任務、お疲れ様。報告を聞かせてもらえるかしら?」


エリナの問いに、アレンは遺跡での出来事を詳細に報告した。


古代魔獣の封印。


セレスとの遭遇。


そして、古代マナ結晶の入手。


「なるほど……セレスが、ノクティアの本拠地で最終準備をしているのね」


エリナの表情が険しくなる。


「これは、もはや学園だけの問題ではないわ。七大国全体に関わる危機よ」


「学園長、俺たちはどうすれば?」


アレンの問いに、エリナは立ち上がった。


「まず、七大国の首脳に緊急会議を招集するわ。そして、対セレス連合軍を編成する必要がある」


「連合軍……」


「ええ。セレスの野望を阻止するには、七大国が協力しなければならない。でも……」


エリナが一瞬、躊躇する。


「アレン、あなたには別の任務がある」


「別の任務?」


「四化身の復活よ。それが完了すれば、あなたの力はさらに強大になる。八体全ての化身が実体を持った状態……それは、八属性を統べる者の真の姿」


エリナの言葉に、アレンは頷いた。


「わかりました。すぐに準備を始めます」


「中央聖堂を使いなさい。そこなら、儀式を行うのに最適な場所よ」


「ありがとうございます」


アレンが部屋を出ようとすると、エリナが呼び止めた。


「アレン」


「はい?」


「あなたに、世界の命運がかかっている。でも、一人で背負い込まないで。仲間を信じなさい」


エリナの優しい言葉に、アレンは微笑んだ。


「はい、わかっています」


-----


その日の午後、中央聖堂。


学園の中心に位置する、荘厳な建物。高い天井、美しいステンドグラス、そして中央には巨大な魔法陣が刻まれている。


「すごい……こんな場所が、学園にあったなんて」


トムが感嘆の声を上げる。


「ここは、特別な儀式の時にしか使われない場所だからな」


レンが説明する。


アレンは、魔法陣の中央に立った。そして、古代マナ結晶を掲げる。


「みんな、準備はいいか?」


「ああ!」


全員が声を揃える。


ヒナタ、レン、トム、マルク、カイル、リサ、エマ——七人が魔法陣の周囲に配置される。


そして、グラシア、テラ、アクア、ヴォルトの四体の化身も実体化する。


「では、始めよう」


アレンが深呼吸すると、古代マナ結晶が光り始めた。


「《八属性完全調和・オクタパーフェクトハーモニー》」


アレンの全身から、八属性のマナが溢れ出す。


光、炎、風、闇、氷、土、水、雷——八つの力が、魔法陣に流れ込んでいく。


魔法陣が輝き、聖堂全体が眩い光に包まれる。


「エルフェリア、イグニス、シルフ、ノクス! 俺の呼びかけに応えてくれ!」


アレンが叫ぶ。


すると、古代マナ結晶から四つの光が飛び出した。


金色の光——エルフェリア。


紅い光——イグニス。


翠の光——シルフ。


漆黒の光——ノクス。


四つの光が渦を巻き、やがて人型を形成していく。


「これは……!」


ヒナタが息を呑む。


光が収束し、四体の化身が実体化した。


長い金髪と優しい瞳のエルフェリア。


燃えるような赤髪と熱い眼差しのイグニス。


軽やかな緑髪と明るい笑顔のシルフ。


漆黒の髪と静かな表情のノクス。


「アレン……」


エルフェリアが、涙を浮かべながらアレンを見つめる。


「よぉ、アレン。また会えたな」


イグニスが豪快に笑う。


「待ってたわよ、アレン!」


シルフが嬉しそうに飛び跳ねる。


「我が主よ、帰還せり」


ノクスが静かに頭を下げる。


「みんな……!」


アレンが駆け寄り、四体を抱きしめる。


「会いたかった……本当に、会いたかったよ」


「私たちもよ、アレン」


エルフェリアが優しく微笑む。


聖堂内に、温かな空気が流れる。


八体の化身が、全て実体を持って揃った。


これが、八属性を統べる者の真の姿。


「すごい……本当に復活した」


トムが感動の声を上げる。


「アレン、やったな!」


レンが嬉しそうに拳を突き出す。


アレンも、笑顔で応える。


「ああ。これで、準備は整った」


アレンが八体の化身を見渡す。


エルフェリア、イグニス、シルフ、ノクス、グラシア、テラ、アクア、ヴォルト。


「さあ、みんな。最後の戦いが始まる」


アレンの言葉に、八体が声を揃える。


「「「「はい!」」」」


その力強い声が、聖堂に響き渡った。


-----


その夜、学園の会議室。


エリナ学園長、ディルク教官、シリウス教官、そしてアレンたちAクラスのメンバーが集まっていた。


「七大国首脳会議の結果が出たわ」


エリナが全員を見渡す。


「各国とも、セレスの脅威を認識している。対セレス連合軍を編成し、ノクティア本拠地への進軍を決定したわ」


「いつ出発するんですか?」


レンが尋ねる。


「三日後。各国の軍が集結するのに、それだけの時間が必要なの」


「三日後……」


アレンが呟く。


「アレン、あなたは連合軍の先鋒として、ノクティア本拠地へ向かうことになるわ」


「わかりました」


アレンが頷く。


「でも、気をつけて。セレスは、強大な力を手に入れているかもしれない」


エリナの警告に、全員が表情を引き締める。


「学園長、質問があります」


ヒナタが手を上げる。


「何かしら?」


「セレスの真の目的は、何なのでしょうか? ただ力を求めているだけには思えません」


ヒナタの鋭い質問に、エリナは一瞬沈黙した。


「……実は、セレスについて調査した結果、興味深いことがわかったの」


「興味深いこと?」


「セレスは、十年前のノクティア内乱で家族を失っているのよ」


「家族を……」


アレンが息を呑む。


「彼女は、その内乱が『弱い統治』によって引き起こされたと信じている。だから、強大な力による絶対的な支配こそが、真の平和をもたらすと考えているの」


エリナの言葉に、全員が沈黙する。


「つまり、セレスは……」


「復讐ではなく、歪んだ正義のために戦っているのよ。それが、彼女を危険にしている」


アレンは、遺跡でのセレスの言葉を思い出す。


『私は、この世界のために戦っている』


彼女は、本気でそう信じているのだ。


「でも、だからこそ止めなければならない。彼女のやり方では、世界は救えない」


アレンが決意を新たにする。


「そうね。あなたたちに託すわ、アレン」


エリナが優しく微笑む。


「三日間、しっかり準備しなさい。そして……」


エリナが全員を見渡す。


「最後の戦いを、勝ち抜くのよ」


「「「はい!」」」


全員が、力強く返事をした。


-----


会議を終えて、アレンは学園の中庭を歩いていた。


夜空に、無数の星が輝いている。


「アレン」


後ろから、エルフェリアが声をかけてくる。


「エルフェリア」


「考え事?」


「ああ、少しな」


アレンが空を見上げる。


「セレスのこと、考えているのね」


エルフェリアの言葉に、アレンは頷いた。


「彼女も、自分なりの正義のために戦っている。それを力で押し潰すことが、本当に正しいのか……」


「アレン、あなたは優しいのね」


エルフェリアが微笑む。


「でも、あなたの優しさこそが、あなたの強さよ。力だけで戦うのではなく、相手を理解しようとする。それが、八属性を統べる者の資質」


「エルフェリア……」


「セレスとの戦いは避けられない。でも、あなたなら彼女の心にも届くはず。力で打ち破るだけでなく、彼女の歪んだ正義を正すことができるわ」


エルフェリアの言葉に、アレンは決意を固めた。


「ありがとう、エルフェリア。やっぱり、お前がいてくれて良かった」


「私こそ、あなたと契約できて幸せよ」


二人は、しばらく星空を見上げていた。


三日後、最後の戦いが始まる。


セレスとの決着。


そして、世界の未来を決める戦い。


「行くぞ、みんな。最後まで、共に戦おう」


アレンの決意が、夜空に響いた。


-----


翌日から、アレンたちは最終決戦に向けて猛訓練を開始した。


八体の化身全てが実体化したことで、アレンの力は飛躍的に向上していた。


「《オクタパーフェクトハーモニー》!」


訓練場で、アレンが八属性を完全に調和させた魔法を放つ。


光と炎と風と闇と氷と土と水と雷——八つの力が完璧に融合し、巨大な光の柱となって天を貫く。


「すごい……これが、八体全てが揃った時の力」


ヒナタが感嘆の声を上げる。


「まだだ。もっと精度を上げないと、セレスには勝てない」


アレンが真剣な表情で言う。


一方、レンも自らの限界に挑戦していた。


「《紅蓮覚醒・極》!」


炎と雷が極限まで高められ、その力は以前の数倍に達していた。


「よし、これなら対等に戦える」


レンが満足そうに笑う。


ヒナタも、シルフィアとの連携を極限まで高めていた。


「《トリニティハーモニー・完全版》!」


光と水と風が完璧に融合し、美しくも強力な魔法が発動する。


そして、トム、マルク、カイル、リサ、エマも、それぞれの技を磨いていた。


全員が、最終決戦に向けて準備を整えていく。


-----


そして、三日目の夜。


明日、連合軍が出発する。


アレンは、自室で最後の準備をしていた。


「準備は整ったか、アレン?」


父のゼノスが部屋を訪れる。


「ああ、父さん」


「明日から、本当に最後の戦いが始まる。無理はするなよ」


ゼノスが、珍しく心配そうな表情を見せる。


「大丈夫だ。俺には仲間がいる。それに……」


アレンが八体の化身を見渡す。


「この子たちがいる」


「そうか。ならば、安心だな」


ゼノスが微笑む。


「アレン、お前は本当に強くなった。もう、父として心配することはないな」


「父さん……」


「行ってこい。そして、世界を救ってこい」


ゼノスの言葉に、アレンは力強く頷いた。


「必ず、帰ってくる」


-----


翌朝、学園の正門前。


連合軍の先鋒部隊が集結していた。


アルディア、セルフェン、グランディア、エアリア、ルミナス、エルドアの六大国からの精鋭たち。


そして、その中心に——


アレン・アルカディア。


八属性を統べる者。


「さあ、行くぞ! ノクティアへ!」


アレンが先頭に立ち、全軍に号令をかける。


「「「おおおおおお!」」」


数千の兵士たちが、雄叫びを上げる。


エリナが、学園の塔の上から見送っている。


「行ってらっしゃい、アレン。そして……必ず帰ってきなさい」


アレンは、エリナに向かって手を振った。


そして、連合軍は出発した。


ノクティアへ。


セレスとの最終決戦へ。


世界の命運をかけた、最後の戦いへ——


遥か彼方、ノクティアの本拠地。


漆黒の城の玉座に、セレスが座っていた。


「ついに来るのね、アレン・アルカディア」


彼女の紅い瞳が、妖しく輝く。


「あなたと私、どちらの理念が正しいのか……この戦いで証明しましょう」


セレスが立ち上がり、窓の外を見つめる。


地平線の向こうから、連合軍の姿が見え始めていた。


「さあ、最後の戦いを始めましょう」


セレスの言葉が、静かに響いた。


-----


**第七章:決着への序章 完結**


-----


**次回、最終章:運命の終焉**


**第1話「四化身の帰還・前編」**


**八属性完全覚醒!そして、運命の決戦が今、始まる——!**

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