表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マナに選ばれし落ちこぼれ 〜古代魔法を継ぐ者〜 (マナ落ち)  作者: たくわん。
第五章:マナの迷宮編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/50

第2話「迷宮への降下」



海岸から少し離れた場所に、セルフェン王国の調査拠点があった。


白い石造りの建物。その中には、水底探査のための魔道具が並んでいる。


「これを使って、海底へ潜る」


エアリスが青い球体を取り出した。


「これは?」


ヒナタが尋ねた。


「水中呼吸の魔道具よ。これを飲めば、六時間は水中で呼吸できる」


「便利だな」


レンが感心した。


「それだけじゃないわ」


エアリスは続けた。


「水圧防御の結界も張られる。だから、深海でも問題ない」


「さすが、水の国……」


アレンが呟いた。


「では、準備を整えよう」


クリストフが告げた。


五人は、それぞれ装備を整えた。


アレンは剣を腰に差し、魔道具を飲んだ。


体が——ほのかに青く光る。


「これで、準備完了ね」


エアリスが微笑んだ。


「では——行きましょう」


-----


海岸に戻り、五人は海へと足を踏み入れた。


冷たい水が、足を包む。


「大丈夫?」


ヒナタがアレンに尋ねた。


「ああ」


アレンは頷いた。


五人は、ゆっくりと海の中へ入っていった。


水面が、頭上を覆う。


だが——呼吸は、問題なくできた。


「すごい……本当に呼吸できる」


ヒナタが驚いた。


「当然だ」


クリストフが冷たく告げた。


「これがなければ、深海調査など不可能だ」


五人は、深く深く——潜っていった。


光が、徐々に薄れていく。


周囲には、色とりどりの魚たちが泳いでいた。


「綺麗……」


ヒナタが呟いた。


「油断するな」


レンが警告した。


「この先に、迷宮がある」


五人は、さらに深く潜った。


やがて——海底に、巨大な建造物が見えてきた。


「……あれが」


アレンが呟いた。


「水底の迷宮よ」


エアリスが告げた。


それは——古代の神殿のような建物だった。


石造りの柱。


崩れかけた壁。


だが、その奥には——暗闇が広がっていた。


「入口は、あそこだ」


クリストフが指差した。


神殿の中央に、大きな入口があった。


「行くぞ」


アレンが告げた。


五人は——迷宮の入口へと向かった。


-----


入口をくぐると——そこは、石造りの廊下だった。


壁には、古代文字が刻まれている。


「これは……古代魔導王国の文字だ」


クリストフが呟いた。


「やはり、ここは古代の遺跡なのか」


レンが尋ねた。


「間違いない」


クリストフは頷いた。


「だが……何が書いてあるんだ?」


ヒナタが尋ねた。


アレンは壁に近づき——文字を読んだ。


「『水の守護者、ここに眠る』……」


「水の守護者?」


エアリスが首を傾げた。


「マナの化身のことか?」


レンが尋ねた。


「……かもしれない」


アレンは呟いた。


(水のマナの化身……アクア)


心の中で、その名を思い浮かべた。


「先に進もう」


クリストフが告げた。


五人は、廊下を進んでいった。


やがて——広い部屋に出た。


「……!」


全員が、息を呑んだ。


部屋の中央には——巨大な水晶があった。


青く輝く、美しい水晶。


「あれは……マナ結晶?」


ヒナタが呟いた。


「ああ……だが、普通のものとは違う」


エアリスが真剣な表情で告げた。


「あれは——『水のマナ結晶』だ」


「水のマナ結晶……」


アレンは水晶を見つめた。


その瞬間——


**ゴゴゴゴゴゴゴ……**


部屋全体が、揺れ始めた。


「何だ!?」


レンが叫んだ。


水晶が——激しく光り出した。


そして——


**ドシャアアアアアア!**


水晶の前に——巨大な影が現れた。


「……!」


全員が、後退した。


それは——巨大な水の魔獣だった。


体長は十メートル以上。


透明な水でできた体。


だが、その中には——鋭い牙と爪があった。


「水の守護者……!」


エアリスが叫んだ。


「迷宮を守るために配置された魔獣だ!」


魔獣が——咆哮した。


**グオオオオオオオ!**


水が、激しく渦を巻く。


「来るぞ!」


アレンが叫んだ。


魔獣が——襲いかかってきた。


-----


「《水流障壁・アクアウォール》!」


エアリスが魔法を発動した。


水の壁が、魔獣の攻撃を防ぐ。


「《氷結領域・フリーズドメイン》!」


クリストフも魔法を放った。


魔獣の体が——凍り始めた。


「今だ!」


レンが剣を構えた。


「《雷迅・サンダーブリッツ》!」


雷が、魔獣を貫いた。


**ギャアアアアア!**


魔獣が悲鳴を上げた。


だが——すぐに、氷が溶け始めた。


「効いていない……!」


ヒナタが叫んだ。


「水の魔獣だから、氷も雷も——すぐに回復する!」


エアリスが告げた。


「なら——」


アレンが剣を構えた。


「俺が行く」


アレンは、マナを集中させた。


(エルフェリア……イグニス……)


心の中で、化身たちの名を呼ぶ。


だが——返事はない。


(……そうだった)


アレンは唇を噛んだ。


(もう、いないんだ)


それでも——


(俺は、やる)


アレンは、四属性の力を引き出した。


光、炎、風、闇——


四つの力が、剣に宿る。


「《四属性統合・テトラハーモニー》!」


アレンが魔法を発動した。


剣が——四色の光を放った。


「行け!」


アレンは、魔獣へと斬りかかった。


**ザシュウウウウウ!**


四属性の剣が——魔獣の体を貫いた。


「……!」


魔獣の体が——崩れ始めた。


水が、バラバラになっていく。


「やった……!」


ヒナタが叫んだ。


だが——


「まだだ!」


クリストフが叫んだ。


魔獣の体が——再び集まり始めた。


「何!?」


アレンが驚いた。


「水の魔獣は、何度でも再生する!」


エアリスが告げた。


「完全に倒すには——核を破壊しなければ!」


「核……?」


アレンが尋ねた。


「体の中心にある、青い光だ!」


エアリスが指差した。


魔獣の体の中——確かに、小さな青い光が見えた。


「あれを破壊すれば……」


「ああ」


アレンは頷いた。


「分かった」


アレンは、再びマナを集中させた。


(もう一度……)


剣に、四属性の力を込める。


だが——体が、悲鳴を上げた。


(くっ……)


化身たちがいない今、四属性を制御するのは——想像以上に困難だった。


マナが暴れる。


体が、軋む。


「アレン!」


ヒナタが叫んだ。


「大丈夫だ!」


アレンは、歯を食いしばった。


(俺は……まだやれる!)


アレンは、魔獣へと突進した。


魔獣が、巨大な水の拳を振り下ろす。


「《風光連迅・ウィンドライト》!」


ヒナタが魔法を発動した。


風と光が、魔獣の攻撃を逸らす。


「今よ、アレン!」


「ああ!」


アレンは、魔獣の体内へと飛び込んだ。


水が、体を包む。


だが——


(見えた!)


青い光——核が、目の前にあった。


「《四属性統合・テトラハーモニー》!」


アレンは、全力で剣を振り下ろした。


**ドガアアアアアン!**


剣が——核を貫いた。


「……!」


魔獣の体が——一瞬、静止した。


そして——


**バシャアアアアアア!**


魔獣の体が——完全に崩れ去った。


水が、床に落ちる。


「やった……」


アレンは、膝をついた。


「アレン!」


ヒナタが駆け寄った。


「大丈夫か?」


レンも心配そうに尋ねた。


「ああ……大丈夫だ」


アレンは、息を整えた。


(まだ……化身たちがいないことに、慣れていない)


四属性を制御するだけで、こんなにも疲れるとは。


「よくやったな」


クリストフが冷たく告げた。


「だが——これで終わりではない」


「……分かってる」


アレンは立ち上がった。


「先に進もう」


五人は——水晶の前を通り過ぎ、奥へと進んでいった。


廊下は、さらに深く続いていた。


(この先に……何が待っているんだろう)


アレンは、心の中で呟いた。


(水のマナの化身……アクア)


その名が——頭から離れなかった。


やがて——廊下の先に、光が見えてきた。


「あれは……」


ヒナタが呟いた。


五人は——その光へと向かった。


そして——


巨大な空間に出た。


「……!」


全員が、息を呑んだ。


そこは——美しい水の世界だった。


天井からは、光が差し込んでいる。


床には、透明な水が満ちている。


そして、中央には——


一人の少女が立っていた。


青い髪。


エメラルドの瞳。


透き通るような肌。


「……誰?」


ヒナタが呟いた。


少女は——微笑んだ。


「よく来たわね」


優しく、母性的な声。


「私は——アクア」


少女は告げた。


「水のマナの化身よ」


-----



**次回:第3話「水底の守護者」**


アクアとの出会い。


そして——新たな脅威が迫る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ