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マナに選ばれし落ちこぼれ 〜古代魔法を継ぐ者〜 (マナ落ち)  作者: たくわん。
第二章「予選大会編」

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第4話:決勝戦:Aクラスの頂

第4話:決勝戦:Aクラスの頂


決勝戦の朝。

魔導学園の中央競技場は、これまでにない熱気に包まれていた。

観客席は満員。立ち見も出るほどの盛況だ。

「すごい人……」

トムが、控室の窓から外を見て呟く。

「当たり前だ。Fクラスが決勝まで来たんだぞ」

カイルが、腕を組む。

「誰も予想してなかった。だから、みんな見に来てるんだ」

「プレッシャーだな……」

マルクが、苦笑する。

「でも、悪くない。燃えてきたぜ」

俺は、窓の外を見つめていた。

フィールドの反対側——Aクラスの控室。

あそこに、レンがいる。

幼馴染。

ライバル。

そして——俺が超えなければならない壁。

「アレン」

ヒナタが、俺の隣に立つ。

「緊張してる?」

「……ああ、少し」

俺は、正直に答える。

「レンは、強い。俺なんかとは、格が違う」

「そんなことない」

ヒナタが、俺の手を握る。

「アレンは、ここまで来たんだよ。体内マナがゼロだった、あのアレンが」

「ヒナタ……」

「負けてもいい。けど、諦めたら許さないからね」

ヒナタが、笑顔を見せる。

その笑顔に、胸が温かくなる。

「ああ。諦めない」

俺も、笑った。

「おい、アレン」

カイルが、俺の肩を叩く。

「勝てるかどうかより、燃やし切るかだ」

その言葉に、俺は頷く。

「そうだな」

「俺は、守るから」

トムが、盾を握る。

「思いっきり行け!」

「トム……」

「俺たちの力、見せてやろうぜ!」

マルクが、拳を突き上げる。

「Fクラスの底力を!」

その言葉に、全員が笑顔になる。

「よし、行くぞ!」

俺が声をかけると——

控室のドアが開いた。

「準備はいいか?」

ディルク先生が、入ってくる。

「はい!」

全員が、声を揃える。

ディルク先生が、俺たちを見渡す。

「お前たち、よくここまで来た」

その声は、いつもより優しい。

「正直、俺も驚いてる。Fクラスが、決勝まで来るなんて」

「先生……」

「でも、ここからが本番だ」

ディルク先生の目が、鋭くなる。

「Aクラスは、別格だ。今までの相手とは、次元が違う」

「……わかってます」

俺は、頷く。

「でも、俺たちは諦めない。全力で、ぶつかります」

「そうか」

ディルク先生が、笑う。

「なら、行って来い。お前たちの戦いを、見せてくれ」

「はい!」

全員が、控室を出る。

フィールドへの通路を歩く。

観客席から、歓声が聞こえる。

「Fクラス!」

「頑張れ!」

「Aクラスに勝て!」

その声援に、胸が熱くなる。

「すごいな……」

マルクが呟く。

「俺たち、応援されてるんだ……」

「ああ」

俺も、頷く。

「だから、負けられない」

通路の出口が、見えてくる。

眩い光。

轟音のような歓声。

「さあ、決勝戦!Fクラス vs Aクラス!」

実況の声が、響く。

「史上最弱と言われたFクラスが、ついにここまで来た!果たして、Aクラスの壁を越えられるのか!?」

俺たちは、フィールドに足を踏み入れた。

反対側から、Aクラスが入場してくる。

先頭は、レン・アルディス。

その隣には、副隊長シエラ・フロスト。

そして、ユーリ・ブレイズ、カリン・ウィンド、ダリウス・ロック。

全員が、E級以上のスクロール持ち。

学園最強のチームだ。

「……レン」

俺は、幼馴染を見つめる。

レンも、こちらを見ていた。

その目は、冷静で、どこか遠い。

「やっとここまで来たか、アレン」

レンが、口を開く。

「ああ」

俺は、頷く。

「お前を倒すために、ここまで来た」

「そうか」

レンが、小さく笑う。

「けど――まだ届かない」

その言葉に、俺は拳を握る。

「それは、戦ってみないとわからない」

「ふっ」

レンが、魔導剣『レーヴァン』を構える。

「なら、見せてもらおう。お前の成長を」

審判が、中央に立つ。

「両チーム、準備はいいか!」

「はい!」

双方が答える。

観客席が、静まり返る。

全員が、固唾を呑んで見守っている。

審判の手が、上がる。

「決勝戦――」

時間が、止まったように感じる。

俺の心臓が、激しく鳴る。

『落ち着け、アレン』

イグニスの声が、響く。

『お前は、ここまで来た。自信を持て』

「ああ」

俺は、短剣を構える。

「開始!!」

審判の声が、轟いた。


開始の合図と同時に——

Aクラスが、動いた。

「シエラ、後方支援! ユーリ、カリン、左右展開! ダリウス、前衛!」

レンの指示が、瞬時に飛ぶ。

「了解!」

全員が、一糸乱れぬ動きで陣形を組む。

まるで、ひとつの魔導装置のように。

「速い……!」

トムが驚く。

「くっ、こっちも急げ!」

俺も、指示を出す。

「トム、マルク、前衛! カイル、ヒナタ、後方!」

「おう!」

だが——

Aクラスの方が、一歩早い。

「《氷結のアイス・ケージ》!」

シエラの魔法が、発動する。

フィールドの一部が、凍りつく。

「うわっ!」

トムの足が、氷に囚われる。

「トム!」

マルクが駆け寄る。

だが——

「《風刃連撃ウィンド・スラッシュ》!」

カリンの魔法が、マルクに襲いかかる。

「くっ!」

マルクが戦斧で防ぐ。

ガキン、ガキン!

だが——

「ぐあっ!」

三発目が、マルクの肩を掠める。

「マルク!」

ヒナタが、回復魔法を使う。

「《癒しのヒーリング・ライト》!」

温かい光が、マルクの傷を癒す。

「ありがとう、ヒナタ!」

マルクが、立ち上がる。

「くっ、なんて連携だ……」

カイルが、歯を食いしばる。

「隙がない……!」

その時——

「《炎槍フレイム・ランス》!」

ユーリの魔法が、カイルに襲いかかる。

「うおっ!」

カイルが、咄嗟に避ける。

だが——

炎の槍が、地面に突き刺さる。

ドガァン!

爆発する。

「ぐあっ!」

カイルが、吹き飛ばされる。

「カイル!」

俺が叫ぶ。

「大丈夫だ……まだ、戦える……!」

カイルが、立ち上がる。

だが——

その体は、既に傷だらけだ。

「くっ……!」

俺は、短剣を構える。

「このままじゃ……!」

「行くぞ、アレン!」

トムが、氷を砕いて前に出る。

「《岩盤の守護ロック・シェルター》!」

巨大な岩の壁が、Aクラスの前に立ちはだかる。

「邪魔だな」

ダリウスが、大剣を振る。

「《大地断裂アース・クラック》!」

大剣が、岩壁に叩き込まれる。

ガァン!

岩壁が、一瞬で砕け散る。

「嘘だろ……」

トムが、呆然とする。

「俺の岩壁が、一撃で……」

「トム、下がれ!」

俺が叫ぶ。

だが——

「遅い」

ダリウスの大剣が、トムに迫る。

「うわっ!」

トムが、盾で防ぐ。

ガキィン!

だが——

「ぐあっ!」

威力に押され、トムが膝をつく。

「トム!」

ヒナタが、駆け寄る。

「《癒しのヒーリング・ライト》!」

だが——

「させない」

カリンの風刃が、ヒナタに襲いかかる。

「きゃっ!」

ヒナタが、咄嗟に水の盾を展開する。

「《水のウォーター・シールド》!」

ザシュ、ザシュ!

風刃が、水の盾で相殺される。

「ヒナタ……!」

「大丈夫、アレン!」

ヒナタが、笑顔を見せる。

「まだ、戦える!」

だが——

状況は、圧倒的に不利だった。

トムは傷つき、カイルも限界が近い。

マルクも、息が上がっている。

ヒナタは、必死に回復魔法を繋いでいるが——

それも、いつまで持つかわからない。

「くそ……!」

俺は、拳を握る。

「このままじゃ……!」

その時——

「アレン」

レンが、俺の前に立つ。

「お前、前に出すぎだ」

「……!」

俺は、短剣を構える。

「俺が出なきゃ、誰が戦うんだ!」

「その覚悟は認める」

レンが、魔導剣を構える。

「けど、覚悟だけじゃ勝てない」

レンの剣が、炎を纏う。

「《炎剣イグニスブレード》!」

炎の剣が、俺に迫る。

「くっ!」

俺は、短剣で受け止める。

ガキィン!

だが——

「ぐっ!」

威力が、段違いだ。

俺の体が、後ろに押される。

「アレン!」

ヒナタが叫ぶ。

「大丈夫だ……!」

俺は、歯を食いしばる。

だが——

レンの剣は、止まらない。

「《炎刃連撃フレイム・スラッシュ》!」

炎の刃が、連続で俺に襲いかかる。

ガキン、ガキン、ガキン!

「くっ……!」

俺は、必死に防ぐ。

だが——

「うぐっ!」

四発目が、俺の肩を掠める。

血が、滲む。

「アレン!」

ヒナタが、駆け寄ろうとする。

だが——

「《氷結のアイス・ケージ》!」

シエラの魔法が、ヒナタの足を凍らせる。

「きゃっ!」

ヒナタが、動けなくなる。

「ヒナタ!」

俺が叫ぶ。

だが——

「前を見ろ、アレン」

レンの声。

振り返ると——

レンの剣が、俺の首元に触れていた。

「……これで、終わりだ」

「やっぱりFクラスじゃ無理か……」

観客席から、落胆の声。

「Aクラス、強すぎる……」

「格が違うよ……」

その声が、耳に痛い。

「くそ……!」

俺は、拳を握る。

「このまま、終わるのか……?」

その時——

「アレン!」

ヒナタの声。

「まだ、諦めないで!」

その声に、俺は顔を上げる。

ヒナタが、氷を砕こうと必死にもがいている。

トムも、マルクも、カイルも——

みんな、まだ立っている。

「そうだ……」

俺は、短剣を握る。

「まだ、終わってない……!」

「ほう……」

レンが、剣を引く。

「まだ戦うのか?」

「ああ」

俺は、立ち上がる。

「まだ、終わってない」

「そうか」

レンが、小さく笑う。

「なら、もう一度来い」

レンが、剣を構える。

「お前は昔からそうだな。何も持たないくせに、夢だけは諦めない」

その言葉に、俺は拳を握る。

「ああ、そうだ」

俺は、短剣を構える。

「俺には、何もない。才能も、マナも、何もない」

「でも——」

俺は、仲間を見る。

「俺には、仲間がいる。信じてくれる人がいる」

「だから、諦めない」

その言葉に、レンの表情が変わる。

「……そうか」

レンが、剣を振り上げる。

「なら、来い。全力で、ぶつかって来い」

「ああ!」

俺は、短剣を握りしめる。

『イグニス、力を貸してくれ!』

『ああ!』

俺の体に、熱い力が流れ込む。

「行くぞ、レン!」

俺は、全速力で走る。

レンに向かって、突進する。

「来い、アレン!」

レンも、剣を振り下ろす。

炎と炎が、激突する――!

続く――

次回予告:

アレン vs レン、激突!

だが、レンの力は圧倒的。

追い詰められるアレン。

その時——

アレンの中で、何かが目覚める。

「燃えろ……俺の弱さごと!」

古代魔法が、ついに覚醒する!

だが、その力は暴走し——

「アレン、戻ってこい!」

ヒナタたちの声が、アレンを呼ぶ。

決勝戦、クライマックス!

果たして、勝負の行方は――!?

第二章「予選大会編」第5話「覚醒の炎」、次回更新!

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