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20 真実は
あれからまた一年ほどが経ち、二人はこの年に卒業することを決めた。
夜空に、前夜祭の目玉、色とりどりの花火が咲いていた。
大輪の光が一瞬、宵闇を昼のように照らし出し、やがてゆっくりと崩れ落ちていく。
レディアはカタリナの隣に立ち、空を見上げていた。
ふと視線を横に向けると、カタリナの黒髪が花火の光に照らされ、真っ赤に燃えているように見えた。
――その瞬間、胸の奥に冷たいものが落ちる。
初めて見た夢。王都が炎に包まれ、紫の瞳の女が火柱を上げる光景。
あれはこの世界ではなく、誘拐されたカタリナが魔力を吸い上げられ、暴走の果てに世界を焼いた並行世界の物語だったのだろう。
レディアはそう悟った。
横でカタリナが「きれいだな!」と笑っている。
その無邪気さに、レディアは小さく息をつき、そしてほんの少しだけ笑みを返した。
――彼女が笑っている限り、この世界は大丈夫だ。
そう思えた瞬間、遠くで最後の花火が夜空に弾けた。




