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ゴルク⑤

「くそっ!負けたのか・・・さすがは《親父》を打ち負かした《技》だな!」

ゴルク自身、斬られたのすら数百年ぶりだった。

(前回は今よりも血の気は多くて、勇者の一撃を油断して斬られてしまったなぁ〜)

しかし、今回は油断は無かった。

あの豚を観た瞬間、《アイツ》と同じ魔力を感じていたからだ。

今回、助かったのは偶然が重なったから・・・いや、勇者達に助けられた。と言った方が正解かもしれない。

(まさか、体格の良い2人を飛ばされる先に転送するとは・・・あの魔法使い、やるやがったな)

2人に受け止められたから、致命傷な衝撃は受けずに済んだのだ。

「揃いも揃って『相手の最強の一撃を止めてみたい』だなんて、変な考えを持つ親子(父子)だよ」

そう倒れているゴルクに、声をかける少女がいた。

「・・・お前も来ていたのか・・・」

ゴルクの目線の先には、異国風な服装の少女がいる。

だが、禍々しい魔力が少女が只者ではない事をものがたっている。

「・・るせいなぁ〜力比べをしたがるのは魔人の性だろうが!」

魔王バグダックもだが、ゴルクもこうして戦って弱肉強食の世界を伸し上がって来たのだ。

「・・・しかしま〜《アイツ》がココに居たのは意外だったわね・・・」

少女の言葉に、ゴルクも頷いた。

「バルバティの勇者に付いて来たのかもな・・・」

バルバティの勇者とはアベルの事だ。

ゴルクも、彼を《豚の仲間の1人》としての認識はしている。

「・・・どうせリフィール国の人間だから、端街バルバティ程度の兵力《人員》で、アタシらをやり返せたんだから、自分達の《最高戦力》なら魔王バグダックを倒せる?だなんて妄想を描いたんだろね」

その少女の言葉に、ゴルクは苦笑いをしながら「だな?」頷いた。

「アイツら(豚とその仲間)が居なきゃ、魔王城に辿り着くのも困難だったろうにな・・・そこに俺の不在が重ならなきゃ《親父》の元になんか行けるわけないのに愚かな奴らだよ!」

そもそもリフィール軍が魔王バグダックに辿り着けたのは、バグダックが『アリウスの光盾』を持つガルクに興味を持ったからだけなのだ。

だから兵も彼らの腕をみる程度に留め、他は隠れて手を出さない様に留めていたのだ。

「・・・それが何?魔王バクダックはリフィール軍を恐れ、敗戦を見越して兵を逃がした?バカじゃね〜の?」

それを結界内の人の村で入れた情報を聞いて、ゴルクは腹が捩れる程に爆笑した。

「ホント、相手の力量も分からない、勘違い馬鹿は嫌いだわ!・・・でも、そのリフィールに勘違いしてて貰わないと『平和』が保たれないのは皮肉よね。」

もし魔王達と人間の力の違いが分かれば、人間達は団結する事になるだろう・・・

そうなれば、大昔の様な戦争が起きる。

「《今》の魔王達わたしらには、結束を結ぶ《リーダー的な存在》はいないからね〜皆が好き勝手になっちまうよ・・・」

それでも人間の1っ国に負ける事は無いだろうが、もしかしたら人間達みたいにお互いの足の引っ張り合いをするかもしれない。

「ま〜お互いにお互いの地は《住み難い地》なわけだから、人間たちも自分等の《自己私欲》に走らなきゃ攻める理由はないでしょ?」

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