ゴルク④
「俺様の猛攻を防ぎ切るとは流石だな!・・・だが、疲れて来ただろう?」
そう言ってゴルクは、ガルクとの間を強引に引き離した。
「はい。さっさとお引き取り願いたい位には、疲れていますよ」
一撃一撃がくらえば大ダメージに繋がる攻撃を防いでいる為、ガルクも肩で息をしている。
「・・・だったら、そこの爺(リフィール王)を一発くらい殴らせろ!
ソイツが《首謀者》・・あの襲撃を指示してたんだろう?」
おそらく、他国にも魔王バグダックの討伐を焚き付けたのは、リフィール王なのだろう・・・
しかも他国の兵を触発して進軍を急がせたのは・・・先に彼らを戦わせ魔王軍を浪費させ、後から自分達の兵が行って楽に勝たせる為だ。
魔王城下の破壊行為は、魔物を殲滅させる事が目的ではなく、金目の物を奪い今回の進軍に使われた資金を取り戻そうと言う魂胆だと思われる・・・
大きい事を言う割に、やることが姑息なのだ。
「・・・その一発で瀕死になるのは、目に見えてますので抵抗させてもらいます」
ガルクはそう宣言すると、ゴルクと王の間に身構えて立ち塞がる。
「リフィール王には『アイリスの御加護』とやらが有るんだろ?死にやしねーよ」
そのゴルクの言葉に、ガルクは苦笑いを浮かべた。
祝勝会で謁見した時点で、ガルクはこのリフィール王には『勇者の力』は無いのは気がついていたからだ・・・
「・・・コヤツは愛人の子、親類全てにアイリスの御加護が付くとは思えんからの〜〇ぬかもしれん」
2人のやりとりが聞こえていたのか、ウォレスがそう答えた。
「何っ!〜それじゃ、ダメじゃん・・・俺は弱いイジメはしたくないんだよなぁ〜」
それを聞いたゴルクが頭を抱えた。
そして少し悩んだ後、何か迷案が浮かんだようだ。
「このまま、去るのは俺のプライドが許さない・・・豚っ!お前の魔王バグダックが認めた『本気の攻撃』を見せてみろ!
そしたら去ってやる。」
そのゴルクの言葉に、アンナとアベルの手が止まって、慌てた様にガルクの顔を見た。
そして本気と知ると、深い溜息を付いた。
「・・・分かりました・・・ちゃんと約束を守って下さいね・・・」
そう言うとガルクは、片手の丸盾を外した。
盾同士は鎖で繋がれてるので、外した盾は宙に浮かんでいる。
「爺さん、ザザム!本気の結界を張って!あの馬鹿豚、本気でアレを打ち込む気みたいだから・・・」
アンナの訴えに、ウォレスとザザムは慌てて強大な魔法の準備をした。
「あまり派手にやるなよ!・・・お前が『魔王』認定なんかされた日には、誰も笑えんからな」
そのザザムの言葉に、ガルクもさすがに頷いた。
「ゴルクさん、しっかり『防御』してください!・・・手を抜いたら駄目ですよ!」
一度跳ね上がった丸盾が巨大な魔法盾を生み出した。
それは雷を纏いさらに強化された。
「最強の盾は、時には最強の刃となる・・・『断羽・降雷斧』っ!」
そして振り下ろされた魔法盾は、ゴルクの防御を打ち破り彼に致命傷を負わせた。
そのまま、ゴクルは城外に吹き飛んでしまった。
慌てて、ゴルクの親衛隊が後を追った。
「さすがは、勇者の『絶対滅断』の力を込めた技じゃの〜」




