表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/12

序章①

「勇者アドムよ!

よくぞ、魔王バグダックを倒してくれて感謝するぞ!

そして、それを支援し・・・」

祝辞を述べるリフィール王の言葉が、そこで何故か止まってしまった。

その様子に周りも慌てふためく。

「・・・王様?いかがなさいましたか」

幕下に控えていた側近が慌てて、王に近づき声をかけた。

そしてアドム《達》を見た瞬間、状況を把握した。

「・・・どういう事だ?」

王は小声で、側近に尋ねた。

「申し訳ございません・・・アドムには言い利かせてはいたのですが、まさか王様の前でこの様な《暴挙》に出るとは・・・」

側近は勇者であるアドムをチラチラ見ながら、深いため息をついていた。

「・・・あの2《匹》は何者なのだ?」

アドムのパーティーのメンバーである事は、間違いないだろう・・・

「・・・こちらが用意したパーティーのメンバーは、《使えなかった》らしく、途中で離脱してしまったらしく・・・

そこでアドムが自分の伝手を使って、手に入れた《メンバー》と聞いております」

予定通りならば、勇者アドムの隣にはリフィールの『聖騎士団長』ランクルと、宮殿最高魔導師の一番弟子のザザムが並ぶ筈だった。

その為、彼らの事を王にまで報告をする必要は無かったと思ったので、報告しなかったのであろう。

「・・・そんな事を聞いているのではない・・・あの2匹、何処かの『傭兵』ではないのか?」

何処かとは、リフィール国の《者》ではなく、他国からの間者、もしくは・・・と王は聞いているのだ。

「・・・いえ、彼らは我が国の『冒険者認証ハンターズカード』という身分書を持つ《亜人》という扱いですね・・・」

その側近の言葉に、王は自分が聞きたかった事とズレていた事に少し不満そうな顔をした。

「ふむ・・・つまり、《ここのルール》は多少は理解していると考えて良いのだな・・・仕方ない」

王はそう言うと、わざとらしく咳込みその場を離れ、飲み物を口にした後に再びアドムの前に立った。

「・・・ゴホン!、すまぬの風邪気味でな・・・それでランクルとザザムはどうしたのじゃ?」

王がそうアドムに尋ねると、アドムの後ろの聖騎士団の列の中央(ちょうどアドムの真後ろ)からランクルと呼ばれた大柄な男が顔を上げた。

「リフィール王よ!・・・ワタクシは始めからここに御居りましたが・・・・」

王もランクルとは面識はあるが、周りの大臣や大貴族達とは違い顔を下げた状態で発見は出来なかったのだ。

「して、聖騎士団長ランクルよ?・・・勇者アドムと共に並び、儂の祝言を聞くように通達して有ったはずじゃが、何故にそこに並んでいるのじゃ?」

その王の問いに、ランクルは膝立ちになった。

「私には、そこに立つ『資格』がないからです!・・・勇者アドムの隣に居るべきは、そこの《3人》だと考えたからです」

ランクルは迷いなど一切見せずに、王にそう進言してしまった。

そのランクルの視線に、王はため息を付いた。そして次に魔導士の居ない事を問おうとした時だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ