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【ハイファンタジー 西洋・中世】

運命は望む者を導き、拒む者を――

作者: 小雨川蛙

 

 奴隷だった少年の下に一人の少女がやってきた。

 手には鍵を持っている。

 少年の首輪の鍵だ。


「自由が欲しい?」


 少女が尋ねたので少年は頷いた。


「なら、自由をあげる」


 そう言って少女は少年の首輪を外す。

 首輪が外れた少年はそのまま立ち去ろうとすると少女が驚いて少年の腕を掴んだ。


「待って! どこに行くの!?」

「いや、自由になったから……」

「待ってよ! それじゃ、私のしたことはどうなるの!?」

「え、自由にしてくれたんじゃないの……?」


 少女は必死に首を振って答えた。


「酷いよ! 自由にしたんだから私のお願いも聞いてよ!」

「えぇ……」


 心底面倒そうな少年に対し少女は言った。


「自由をあげたんだから、私の隣に居て!」


 少年は従うしかなかった。



 ***



「お母さま。お父さまとはどのようにして出会ったの?」


 娘の言葉に美しい女性は微笑みながら答えた。


「運命」


 ロマンチックな言葉に娘は顔を赤くして、今度は父親に同じ問いをする。

 父親は妻の方をちらりと見た後に答える。


「運命」


 同じ言葉を。


 娘は増々顔を赤らめ興奮気味に叫んだ。


 微笑ましい姿を見て女性はうっとりと幸せをかみしめる。

 ――対して男性はどのような表情は……。



Fata volentem ducunt, nolentem trahunt

――運命は望む者を導き、拒む者を引きずっていく。


とある哲学者の有名な言葉です。

男性の表情は皆さまのご想像におまかせします。

私はハッピーエンドと信じています。

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