ぼうけん
神野親王 生没年 786-842 桓武天皇の第二皇子。母は藤原乙牟漏。
皇后に橘嘉智子をたて809年に即位する。
即位後に譲位したはずの平城上皇が藤原薬子や藤原仲成らと語り政権を奪回しょうとした(「薬子の変」)ため、坂上田村麻呂らを派遣してこれを制圧した。
これにより上皇は出家し、薬子は自害、仲成は殺害された。
以後朝廷は30年もの間安定し平安文化が開花した。
「蔵人所」・「検非違使」などを設置し、また、「弘仁格式(「弘仁格・弘仁式」をいう)」、「新撰姓氏録」を編纂させる。
書にすぐれ三筆の一人とされている。
住まいを出ても、塀ばかりで民家はない。
とりあえず進んでみよう。
壁伝いに進んでいく。良くわからないので。左手の壁をそのまま離れないように進んでいく。
門が見えて来た。
やはり門番がいる。
困ったぞ、誰も通らない。
あ、近くの廁へ急いで走って行った。
今のうちに門を超えた。
門を越えて、やはり左手の壁伝いに進んでいく。
進んでいくとまた、門がある。
先ほどの門より大きく、左右に二人の門番がいる。
外は沢山の人が行き交うのが見える。
家の前で色々な物を置いて、何やら声を張り上げている人が見える。
「さあ、唐から入ってきた珍しい硯だよ。寄ってらっしゃい、見てらっしゃい」
「カラン、コロン」どこからか鈴の音がする。
牛車が門に向かい、出て行こうとしている。
御者以外には誰もいないようなので、中に入ってみた。
空の牛車で誰も乗っていなかった。
隙間から外を見ると門から出て真っ直ぐ進んでいるようだ。
しばらくすると少し人通りが少なくなった。
「よし」掛け声と共に降りた。
人通りが少なく見えたが、結構な人が歩いていた。
ジロジロとみられている。何故だろう。
美味しそうな食べ物を売っている所で、店の前にいた女性に声をかけた。
「もし、すまぬが人を探しておる」
「あらまあ、可愛いおぼっちゃま。どこから来たんだい?」
「ふじわらただぬしの家を探していおる。教えてくれぬかの?」
服装が珍しいのか、ジロジロと見られている
「藤原さんは多いのでな?ああ、この先にある大きな家も藤原さんなので聞いてみるといい。あの家だで」
指差し方向に他の家の3軒分ほどの家があった。
「かたじけない」お辞儀をすると。
「本当に可愛いわね」
そういうと去っていくかみのしんのうを見ている女性。振り向いて手を振る姿を見て笑って手を振りかえしてくれた。
教えてもらった大きめの家。
「もし、お尋ねするが、ふじわらのただぬし の家に行きたいのじゃが、教えてくれぬかの?」
「あらまあ、どこぞのお坊ちゃんかしら」
「ふじわらただぬしの家を教えて欲しい」
「藤原縄主さんのお宅ならまだ先だがね、送って行こうかえ?」
「悪いな、良いのか?」
「近くにるいでがあるから大丈夫ですよ。おぼっちゃま」
「ありがとう。では、お願いする」
この優しいおばさんに着いていく。
しばらく歩くと先ほどの家よりはるかに大きい家の門をくぐる。
「ここですよ、おぼっちゃま」
「ありがとうございます」会釈程の頭を下げた。
「頼もー」叫ぶ親王。奥から女性が来た
「はいはい」
「ふじわらさだこのお見舞いに来た」
「お嬢様のお知りあいですか」
「うん。友人じゃ」
「少しお待ちください」奥へと戻って行った。
しばらくするとお香の匂いのする女性が来た。
「どなたで、え、え?神野親王殿下ですか?」
突然の来訪に驚いた様子。
「突然来てすまぬ。さだこさんがご病気と聞き、お見舞いできたらと参った所存」
「ありがとうございます。本人は元気ですので、こちらにどうぞ」
「病気じゃないのか?」女性に着いていく。
「色々と事情があるのでございます。申し訳ありません」
しばらく歩くと、貞子のいる部屋に着いた。
「お見舞いに来たぞ」
「わざわざ、ありがとうございます」
元気そうな貞子を見て安心した。