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新大阪駅

 そば屋を出た二人はタクシーに

乗り新大阪駅に着きました。駅の

構内に入ると海斗くんがミカさん

に話しかけました。

海斗「オレンジ山さんがミカさん

 のことを方向音痴だと言ってい

 ましたが、ここから一人で帰れ

 ますか?」

ミカ「ええ。私、帰り道では迷う

 ことはないんです」

海斗「そうですか。何だか優秀な

 伝書バトみたいですね」

ミカ「海斗さん。私、松山に帰っ

 たら、時々俳句を作ってスマホ

 で送りますから、添削指導して

 ください」

海斗「わかりました。楽しみにし

 ています」

ミカ「では、お気をつけて」

海斗「ミカさんもお元気で」

ミカ「あっ、海斗さん。最後にお

 別れのハグをしてください」

海斗「えーっ、こんな人の多い所

 じゃ目立ちすぎますよ」

ミカ「あら、これだけ人が多いと

 逆に目立たないものよ」

海斗「そうですか。じゃあ、5秒

 だけですよ」

二人は柱のかげでハグすることに

しました。ミカさんはカツラをつ

けていると人間と見分けがつかな

いのですが、頭頂部はミカンの実

のようになっています。なので、

ハグしているとミカンの良いニオ

イがして、海斗くんは5秒のつも

りが50秒くらいハグしてしまい

ました。

 つい忘れてしまいそうになりま

すが、海斗くんにはボピくんとい

う同性愛のパートナーがいるので

す。ですから、本来、こういうこ

とをしてはいけないのですが、海

斗くんは知人に見られることはな

いだろうと安心していました。 

 しかし、この光景を目撃した者

がいたのです。まさに、

「天網恢恢、疎にして漏らさず」

であります。ーつづくー

後書きがあります。

 


天網恢恢、疎にして漏らさず。

悪いことをすると、バレないと

思っていても、バレてしまう

ということわざ。

てんもうかいかい、そにして

もらさず、と読みます。

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